【 Photo by Kentarou Noomaru 】
背中の羽が
出て来れないような
分厚いコートは脱いだかい?
引きずってた
すごく重い
足のおもりも外したかい?
軽くするんだ
そう
出来るだけ
楽しくなくなった恋
嬉しさよりも不安の方が多い夜
味を感じられない食卓
正面から見られなくなった顔
どうしても甘くならないティータイム
走る気力の湧かない通勤
高揚することのない夢
笑顔をどこかに忘れた朝
ぼくらは いろんなものを 背負ってる
歩き出せるかい?
それだけ 重くさがってれば キツいだろ ?
昔みたいに スキップ出来るかい?
あなたが さげてるおもりを棄てられるなら
きっと風のように 歩きはじめられるはずさ
そう 風のようにね
花や木や草は 動きはしないけれど
じきに 朽ちて 消えてゆく
動くことの出来る ボクらは
自分で作った重さで 動けなくなるけれど
動くことも 消えることも 出来ない 石像は
終えることも 朽ちることも出来ずに 何を思う
彼らの瞳に映る 窓越しの太陽は
どんな 希望を 与えるのだろう
さあ準備ができたなら
そのドアを
ノックしてごらん
中から
ハイと
声がしたら
それが
あたらしいキミの
はじまりだ
風のように 歩くんだ
そう 風のように
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