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正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

現在の四信と滅後の五品とは (分別功徳品第十七)

2005-11-15 | 妙法蓮華経並開結 略要旨私考

 『法華経』の「分別功徳品第十七」(法華経444)には、現在の四信(一念信解・略解言趣・広為他説・深信観成)と滅後の五品(随喜品・読誦品・解説品・兼行六度品・正行六度品)が説かれます。この品では、菩薩大衆が種々の功徳を得て、功徳の浅深不同を分別することを説いたので「分別功徳品」といいます。
 一念信解(いちねんしんげ)とは「分別功徳品第十七」に、
「其有衆生。聞仏寿命。長遠如是。乃至能生。一念信解。所得功徳。無有限量。(其れ衆生有って、仏の寿命の、長遠是の如くなるを聞いて、乃至能く一念の信解を生ぜば、所得の功徳限量有ること無けん。)」(法華経450)
と説かれるところです。ほんのわずかな心でも、信心の気持ちを起こすことです。
 略解言趣(りゃくげごんしゅ)が同品の、
「又阿逸多。若有聞仏。寿命長遠。解其言趣。是人所得功徳。無有限量。能起如来。無上之慧。(又阿逸多、若し仏の寿命長遠なるを聞きいて、其の言趣を解する有らん。是の人の所得の功徳、限量有ること無くして、能く如来の無上の慧を起さん。)」(法華経455)
と示されるところです。仏法が説かれた意味を理解することになります。
 広為他説(こういたせつ)が同品に、
「何況広聞是経。若教人聞。若自持。若教人持。若自書。若教人書。(何に況んや、広く是の経を聞き、若しは人をしても聞かしめ、若しは自らも持ち、若しは人をしても持たしめ、若しは自らも書き、若しは人をしても書かしめ)」(法華経455)
と説かれるところです。広く他のために法を説くことになります。
 深信観成(じんしんかんじょう)が同品に、
「諸台楼観。皆悉宝成。其菩薩衆。咸処其中。若有能如是観者。当知是為。深信解相。(諸台楼観、皆悉く宝をもって成じて、其の菩薩衆、咸く其の中に処せるを見ん。若し能く是の如く観ずること有らん者は、当に知るべし、是を深信解の相と為す。)」(法華経455)
と説かれるところで、深く仏法を信じ真理を観じて理解できるようになることです。
 随喜品が同品の、
「又復如来滅後。若聞是経。而不毀呰。起随喜心。(如来の滅後に、若し是の経を聞いて、而も毀呰せずして随喜の心を起さん。)」(法華経456)
と説かれるところで、仏の説法を聞いて、随喜の心を起こす位、つまり歓喜です。
 読誦品が同品の、
「何況。読誦受持之者。斯人則為。頂戴如来。(何に況んや、之を読誦し、受持せん者をや。斯の人は、則ち為れ如来を頂戴したてまつるなり。)」(法華経456)
と説かれるところで、自ら経典を受持読誦する位です。
 説法品が同品の、
「若我滅後。聞是経典。有能受持。若自書。若教人書。(若し我が滅後に、是の経典を聞いて能く受持し、若しは自らも書き、若しは人をしても書かしむること有らん)」(法華経457)
と説かれるところで、自ら経典を受持読誦し、他者のために法を説く位、折伏です。
 兼行六度品が同品の、
「況復有人。能持是経。兼行布施。持戒。忍辱。精進。一心。智慧。(況んや復、人有って、能く是の経を持ち、兼ねて布施、持戒、忍辱、精進、一心、智慧を行ぜんをや。)」(法華経458)
と説かれるところで、経典の真理を悟るために観心を修し、そのかたわら兼ねて六度(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧)を実践する位です。
 正行六度品が同品に、
「忍辱無瞋。志念堅固。常貴坐禅。得諸深定。精進勇猛。摂諸善法。利根智慧。善答問難。(忍辱にして瞋無く、志念堅固にして、常に坐禅を貴び、諸の深定を得、精進勇猛にして、諸の善法を摂し、利根智慧にして、善く問難に答えん。)」(法華経459)
と説かれ、仏の経説の真意を会得し、正意として六度を実践修行する位をいいます。
 『御義口伝』に、「分別功徳品三箇の大事」(御書1773)が説かれます。「第一 其有衆生聞仏寿命長遠如是乃至能生一念信解所得功徳無有限量の事」「第二 是則能信受如是諸人等頂受此経典の事」「第三 仏子住此地則是仏受用の事」という三つの大事があります。末法に於いては、初随喜品が肝要になり、信心では歓喜が大切です。