正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

無量義とは一法より生ず(無量義経)

2005-11-15 | 妙法蓮華経並開結 略要旨私考

 「無量義とは一法より生ず」(法華経19)とは、開経である『無量義経』の「説法品第二」に説かれています。その一法とは「法華経」であり、釈尊が説かれた無量義という全ての経文は、「法華経」から出ているのです。それが「無量義とは一法より生ず」ということです。
 無量義とは八万四千の法門を意味し、法門が膨大になる理由について釈尊は『無量義経』の「説法品第二」において、
「善男子、我先に道場菩提樹下に、端坐すること六年にして、阿耨多羅三藐三菩提を成ずることを得たり。仏眼を以て一切の諸法を観ずるに、宣説すべからず。所以は何ん。諸の衆生の性欲不同なることを知れり。性欲不同なれば種種に法を説きき。種種に法を説くこと、方便力を以てす」(法華経23)
と説かれています。つまり、人には色々な性格があり、住んでいる環境がまちまちであるため、方便力を以って多くの法門を説き、成仏に向かわせたのであります。
 その『無量義経』の句の後に、
「四十余年には未だ真実を顕さず」(法華経23)
という有名な経文が説かれています。一法である「法華経」以外は、方便であり真実ではないと釈尊自らが説かれたところです。法華経以外を依経とする宗派には、矛盾が生まれる部分です。他宗派を信仰する人を、折伏する上で大事な文証となります。
 更に折伏では、『無量義経』の「説法品第二」に、
「方等十二部経、摩訶般若、華厳海空を説いて、菩薩の歴劫修行を宣説せしかども」(法華経26)
と説かれるように、法華経以外の方等十二部経では、即身成仏できないことを釈尊が説いています。つまり、法華経だけが唯一即身成仏を説く教えになります。他経では歴劫修行を説き、即身成仏を否定します。他宗派で説く即身成仏を破折する大事なところになります。
 『無量義経』は、「徳行品第一」(法華経1)「説法品第二」(法華経16)「十功徳品第三」(法華経31)から成っており、釈尊の真実の経典である『法華経』を説くための、大事な意義を持つ経です。
 『御義口伝』に「無量義経五箇の大事」(御書1796)が説かれており、「無量義」について御指南です。「第一 無量義経(むりょうぎきょう)徳行品(とくぎょうほん)第一の事」「第二 量(りょう)の字の事」「第三 義(ぎ)の字の事」「第四 処(しょ)の一字の事」「第五 無量義処(むりょうぎしょ)の事」という、『無量義経』に関する五つの大事なことを仰せです。その結びとなる『御義口伝』の一説に、
「然る間法華の為の序分開経なり」(御書1798)
と仰せになり、『無量義経』が説かれることで『法華経』が現れてくるのです。『無量義経』は非常に重要な意義を持つ経典であり、「無量義とは一法より生ず」ことになります。