正林寺法華講員手引書

『折伏・家庭訪問・教化育成・法統相続・教学研鑚・邪義破折・支部組織の充実強化に活用』 法華講正林寺支部 正林編集部

法統相続Q&A

2005-11-15 | 法統相続の教化育成書

A:質問者 B,C:回答者 D:親御さん

A: 法統相統って何ですか?

B: 正しい仏法を未来永遠まで伝えるために子孫に残していくことです。

A: 何だかとても難しそうですね。

B: ええ、確かに大変難しいことです。しかし、他人事ではいけません。

A: えっ、なぜですか?

B: 法統相続には自分自身が死んだ後の通夜葬式、年忌法要を子孫に行なってもらうという目的も含まれるからです。法統相続がしっかりできていませんと、葬式を日蓮正宗の正しい流儀(化儀)に従ってできない場合があります。

A: えっ!それじゃあ、生きていた時に培った信心が、全て水の泡になってしまうじやないですか!!

B: そうですね。また、自分自身が死んだ後の仏縁は、残された子供に託す以外にありません。子供に正しく法統相続できていれば、死後に迎える年忌法要の追善供養には、子供が塔婆を立てて供養してくれます。

C: ただ、ここで勘違いして欲しくないのは、家族の内誰かが信心をしていれば良い訳でないという事です。家族全員が揃って信心をして初めて、法統相続が成就できたと言えるのです。大体一家がバラバラで正しい信心を持てる訳がありません。

A: なるほど、一家和楽の法統相続ってとても大事なのですね。ふと思ったのですが、彼岸やお盆の際には何気なくお墓に塔婆を立てますが、これも親孝行の一種なのですね。

B: 実は最高の親孝行ですよ。親孝行には上中下の3つあると言われ、まず存命の内に親に食事や衣服などを買い与えることを下凡、親の意見に違わず従うことを中凡、そして、親の死後塔婆を上げ供養することを最も優れた上凡と言います。その供養が邪宗で行われたり、何も行われなかったりしたらとても悲しいことですよね!!

A: 確かに悲しいです。そうならない為にも、法統相続をしっかりやらなくてはなりませんね。では具体的にどのようにすればよいのでしょうか?

B: まず、法統相続する上で絶対に欠かせない教育は、三宝様に御報恩感謝の気持ちを育てることです。三宝とは仏・法・僧のことです。

C: つまり、御本尊様に日蓮大聖人、第二祖日興上人已来の御歴代上人猊下に対する御報恩感謝の気持ちを子供に持たせることが大事です。そして、勤行唱題、ご本尊様への御給仕、寺院参詣、総本山大石寺への登山などの、信心の基本を身に付けさせることです。法統相続においてはどれも大切です。

A:大変そうですね。そんなに教えられるのですか?

B: もちろん可能です。なぜなら、親の姿を見て子供は自然と信心について学んでいくからです。

C: 但し、そうなる最低条件としては、親が強盛な信心を持っていることです。親がいい加減な信心であったり、怠慢であっては、法統相続は絶対にできません。御両親自らが率先し範を示して、子供を教育していくことです。時には厳しく、そして時には優しくとけじめをつけた教育が必要です。

A: それでは、法統相続する為に子供に教えるべきことは何ですか。

B: 多々ありますが、何よりもまず重要なことは寺院参詣です。物心付く頃から寺院参詣を習慣付けましょう。そして、お寺へ参詣するときは、必ず御念珠と御経本を持たせましょう。また、途中から入信した小学校中学校の子供をお持ちの方も、寺院に参詣し行事へ参加することにより、寺院参詣の大切さを教えていくことが大事です。

A: お寺に参詣するときに何か注意すべき事というのはありますか?

C: まず、お寺は信心の道場でありますので、大声を出したり騒いだりしないようにご両親は心がけるべきです。そして寺院に御安置されている御本尊様が在す本堂は、心が落ち着く物静かな悟りを得られる大切な場所であることを教えていきます。そうすることにより、世間とは全く違う清浄なところであるという意識を育てることができます。

A: 確かに日蓮正宗の寺院というのは他宗寺院のような不気味な感じはしませんね。本堂なんて特に清浄な空間であるように感じます。それに、御講のときに御住職様がされる御法話を聞くと、今の自分に必要な知識が得られるんですよね。

B: そうでしょう。それも寺院参詣の大きな意義の一つです。では御住職様の御指導を賜ることができます。また、経験豊富な支部講中の壮年部・婦人部の方からアドバイスを頂けます。

C: 自らの考えで教えることは控え、師弟相対した信心に立っていくことです。師弟相対したところに正しい法統相続ができます。根拠がなく、仏法の観点からかけ離れた独自の考えによる、憶測推測による教育では、正しい法統相続はできません。

A: 法統相続する上での迷いや悩みについては、まずは御住職様の御指導を仰げばよいということですね。寺院参詣と同じくらい大事な教育が朝夕の勤行だと思うのですが、これはどのように教えていけばよいのでしょうか?

B: そうですね。日々の信行の基本となるのが勤行です。これは物心付く前から、子供と一緒にすることが理想です。

A: えっ?物心付く前から!?お経本なんて読めないじゃないですか?

C: では、あなたはどうやって勤行を覚えましたか?

A: どうやって?…う~ん。よく覚えてませんね。

D: あの~、私の場合なのですが、勤行・唱題をする時は子供を一人で寝かせたり、放っておいたりするのも何なので、ひざの上に乗せて行っていました。そしたらある日突然、宇も読めない子がお経を真似し始めたのでびっくりしました。

C: どの国の子供でも宇が読めてから言葉を覚える訳ではありませんからね。

A: 確かに。今思えば私の場合もそんな感じだったのかもしれません。

B: 小さい頃は、落ち着きがありませんので、親も勤行唱題に集中できないときが多いと思います。根気のいることですが、忍ぶところに自分自身の成仏があるのだと考え取り組みましょう。

C: 最初は、なるべく正座が長時間できるように、時間を少しずつ伸ばし、子供の体に慣れるよう、性格と体質を親がこまめに観察しながら、着実に教えていくことです。

A: 根気のいることですね。きちんと正座ができるようになったら次はどうすればいいのでしょう?

B: 御本尊様に明かりを灯して、お線香を供えるという一連の流れ、つまりお給仕の仕方を教えます。そして、時には読経の速さを遅らせて、正しい発音ができるようにします。姿勢も背中も曲がらないように意識させ、合掌もきちんとさせます。御本尊様だけを拝することが難しいと思いますが、正座と合掌がまずできるように勤めましょう。

A: いろいろと難しそうですね。

C: はい。勤行を教える難しさを、ここで十分に知らされるはずです。このとき、親はしっかりした心がけをしておかなければいけません。長期戦になるため、気長に短気を起こさないように穏やかな気持ちで信心に大切な「禅定」を意識して教えていくことです。そして、勤行唱題を行なう時には、御念珠と御経本を必ず持たせ、親が範を示し、子供に教えていきます。

A: ここでも、日頃からの親の信心が試されるのですね。

B: そうです。法統相続は親の信心なくして成就は不可能です。

D: 確かにそうね。私、いつか少年部の集まりで、「毎日朝夕の勤行をしてますか?」と聞いた事があります。ほとんどの子が親御さんと一緒に行っていると言っていましたが、中に全くしていないと言う子がいたのです。だから「毎日お父さんとお母さんと一緒にしようね」と言ったら、「親がしてない!!」と言うので驚きました。

A: その親御さんは御講などに来ているのですか?

D: はい。その他の行事も必ず。だから、まさかと思ったのですが…

A: 子供はきちんと親の姿を見ているのですね。

D: そうなんです。子供はしっかり見てますね。私なんか小さい頃から結構厳しくしてたんですよ。しかし、ある日、子供が勤行しながら落ち着かずキョロキョロしてるので叱ったんです。そうしたら、「ママだって唱題中に急に御本尊様の周りのお掃除始めたり、頭や手が下がってる時があるじやない!!」って逆に叱られちゃって…。それから子供とする時は、尚一層気を引き締めるようになりました。

A: 法統相続を通じて逆に子供から教えられることも沢山ありそうですね。私は小さい頃から出かけるときと帰ってきたときは必ず御本尊様にご挨拶するように言われました。

C: そうですね。仕事や学校に行くときや帰ったときに、御本尊様の前に座ってお題目三唱をしてご挨拶することはとても大事です。勤行唱題を教えることが難しい場合は、まずこのことを必ず実行することです。そして、子供の成長に応じ、勤行唱題を確実に習慣付けましょう。

A: 他にも教えるべきことはありますか?

B: 教学です。世間に蔓延する諸法の思想に、身口意の三業が毒され、つまり日常の言動や行動が悪いものとなり、悪道に墜ちてしまわないようにする為にも、日蓮正宗の教学を勉強することは必要不可欠です。

C: 大聖人様の仏法を知らないと、心に生まれる迷いの扱い方が解らず、路頭に迷うことになります。教学はそんな心の迷いや悩みを取り除く智慧です。

A: しんくいのさんごう?

B: 身口意の三業とは、身業・口業・意業の三つをいい、人間の行為を身・ロ・意志の三種に分類したものです。つまり、身口意の三業が毒されるということは、行動が悪行になり、言動が悪口となり、心が悪心となることです。

A: 行為がすべて悪に染まるなんて恐ろしい。そうならない為にも教学を習うのですね。

B: それに、勤行唱題だけ教えても、意義を十分に教えなければ、十分な功徳は現れません。凡智で心を推し量ることになり、疑いを持つ可能性もあります。

C: 教学は比喩を巧みに用いて子供に教えいくことです。成長と共に、難しい御法門を教え、寺院に参詣して御住職様から有難い御法話を賜ることが大事です。

A: 大白法や妙教に掲載された子供向けの教学を活用するのも一つの方法ですね。

B: はい、そうですね。世間に蔓延する情報が子供の欲望をくすぐり、邪魔をすることがありますが、けじめを付けさせて教育することです。

C: 次に、世法を学ぶ学校の勉強についてですが、信心に立って考えた場合、折伏に大事な他人の気持ちや機根を理解する上で必要です。小学校や中学校は義務教育であり、社会に出るために必要最低限の学問を身に付けます。

A: でも、信心をしているのにいじめを受けたり登校拒否を起こしてしまう場合がありますよね?それはどうしてですか?

B: 残念ながらそうことが起きてしまうことがありますね。しかしこれには「四弘誓願」の一つ「衆生無辺誓願度」という意義があります。我が身に問題の本質が降りかからないと、根本的なものが分からない部分があります。この点を信心で解決し、御本尊様の素晴らしさを体験して、その体験を持って折伏の智慧に活用していきます。

A: なるほど。それにしても、いじめや登校拒否で悩む家庭が非常に多くなってますよね。

C: そうですね。これらはまさに諸法の害毒です。しかし、我々は最高の法を受持しておりますので、日々の信行を実践していくことにより、こういった問題を必ず解決することができます。そして、問題を解決したことで、自行において強靭な精神が養われるために、御本尊様から御利益を得て成仏の境界に近づけて下さるのです。

A: つまり毒を変じて薬と為すということですね。
 今まで色々教わりましたが、それらを実践していけば法統相続は成就できるんですよね?

B: 先程も言いましたができるかどうかはご両親の信心次第です。また、法統相続する上では様々な障害が生まれます。それらの障害を如何に克服するかということも成就に関わってきます。

A: えっ!どんな障害が生まれるのですか?

C: そうですね~。一つ一つ挙げると切りがないのですが…。多くの障害の根本原因としては「貪瞋癡の三毒」というのがあります。

A: とんじんちのさんどく?もう少し分かり易く説明して頂けませんか?

B: はい。これは簡単に言うと子供のわがままや欲望により生まれる障害です。貪瞋癡のうち貪とは、貪る気持ちであり、子供の頃は、欲望という気持ちを抑えることなく正直に出します。

C: 子供は眼からはいる情報には、敏感に反応し興味を持ちますので、それら外界の縁に触れたとき、欲望は次から次へと出てくるのです。そして、ある程度成長すると知恵が付き素直な気持ちを隠すことを覚え、外見を取り繕うことを巧みに利用するときもあります。また、反対に耐え忍ぶ気持ちが養われてきます。

A: つまり親としては、子供の欲望を全て抑えなければいけないということですか?

C: いえ、そうではありません。欲望にも善悪両面があります。善い面を伸ばし、悪い面は摘み取ることが大事です。親は、この違いを如何に見抜いていく眼を自行において養っていくかが課題になります。

B: 次は貪瞋癡のうち瞋ですが、これは瞋る気持ちです。子供もイライラして怒ることがあります。怒る原因が、見えない場合もありましょうが、御本尊様に御題目を唱え冷静になれば、何かが見えるはずです。子供の心に不満がたまると「キレル」という現象が起き、問題行動を引き起こすことがあります。

A: これも対処が難しそうですね。親としてどう接すればよいのでしょうか?

C: 子供の性格にもよりますが、如何に子供の瞋る気持ちを処理していけるかに掛かっています。結論を言えば、下手に考え悩むのではなく、御本尊様から強靭な精神を頂き乗り越えることです。

B: 最後に癡についてですが、これは愚痴です。年齢により、愚痴の内容もエスカレートし家庭内暴力へと発展しかねません。子供の愚癡により、親の貪瞋癡の三毒が誘発され親子関係を気まずくします。

A: これはどうすれば克服できるのですか?

B: 御両親自身が朝夕の勤行唱題で心の汚れを綺麗に洗い流すことです。そうすれば貪瞋癡の三毒は発生しません。たとえ発生しても、直ちに菩提へ転じ、非道を防ぎ悪行を止めるという「防非止悪」の意義を持って、貪瞋癡が根本となる言動を止め、相手に不快感を与えない振る舞いに変化させることができます。つまり、親子関係を円滑にすることにつながります。

A: なるほど。説明を聞いて感じたのですが、親が子供を虐待してしまうのは、子供の三毒と自らの三毒の扱い方に迷い悩んでしまったからなのですね。

C: そうです。正法を受持することで未然に防ぐことが可能ですが、正法を知らない親は、子供の感情に流され、それが原因となり、貪瞋癡の三毒が生まれるという悪循環を生じ、家庭が崩壊へと向かうのであります。これは邪宗の害毒が「虐待」という社会問題となって現れている証拠なのです。

A: 邪宗の害毒を如実に物語っているのですね。私たちは、そういう諸法だらけの悲惨な世の中に生きているとういことを自覚しなければいけませんね。法統相続する上で起こりうる障害とその対策を知ることで覚悟ができました。最終的には親の信心に掛かっているという意味も理解できました。信心をしっかり行なっていれば、どんな苦難も乗り越えられるのですね。

C: 分かって頂けてよかった。ここで、親子の関係を信心に関係なく左右させる「三惑」というものについて少々話します。「三惑」とは見思惑と塵沙惑と無明惑です。お互いの惑いが、時として親子関係に亀裂を生みます。当然、法統相続における障害になり、親は悩まされる可能性があります。法統相続では、この障害の解決方法まで子供に相続することが理想的です。

A: また、難しい言葉が出てきましたね。

C: まあ、そう言わず聞いてください。まず、見思惑ですが、親子の価値観の違いは、この見思惑が原因となって、親子の関係を難しくします。見惑は我見です。そして、思惑は感情的・本能的欲望による惑いです。これら見惑と思惑が子供の心を支配しています。

B: 親の力では限界があります。正しい仏法を学び、子育てに必要な力量で対処しなければ子供の教育は難しいでしょう。この迷いにより様々な家庭を作り出します。

A: 時として親と子が理解し合えないということが起こるのは、こういう複雑な要因が絡んでいるからなのですね。

C: 次に塵沙惑ですが、学校などで縁する友達や世の中に氾濫する情報から、子供の心に塵沙惑が生まれます。成長するごとに心に塵が積もっていき、この塵は、毎日の勤行唱題で心の塵を洗い流さなければ、塵も積もって大きな災いを生むこともあります。

B: 親は、成長するごとに子供の気持ちに理解できなくなるときもありますが、耐え忍ぶという「忍辱」の精神を忘れず、障害を乗り越え、法統相続を行うことです。

A: 少しずつでも、毎日となると長い眼で見れば大変なものとなるでしょうから、これも侮れませんね。

C: 最後に無明惑ですが、無明といわれる如く、法統相続において非常に厄介な子供の惑いです。親が知ることのできないところで、子供の心の中で惑いが生じています。

B: 例えば日頃いい子がある日突然、暴力を振るってきたということは、子供の心の無明惑が因縁で露顕した証拠です。信心をしないために、子供の無明惑に人生を揺さぶられる家族は多いことでしょう。

A: 信心に関係なく三惑は生まれるということですから、親は法統相続する上で必ずこれらの障害に行き当たってしまうのですね。でも、逆にそういう障害があるからこそ真剣に信行に励める気がします。本来ならば、どんなときも信心を疎かにしていいはずはないのですが…。凡夫の浅はかさを痛感します。

B: そうですね。ちなみに、爾前諸経では、無量劫という長い間修行してこの三惑を断じなければ、菩提という最高の悟りを得られないと説いています。それに対し法華経では煩悩と菩提は本来一体不二のものであり、衆生の生命にともに具わっているものだと説いています。つまり、無量劫の修行をせず、また、この三惑を断ずることなく、一念三千の法門という妙法の光明に照らされた時、そのまま仏果と開かれるのですよ。これを「煩悩即菩提」と言います。

C: 簡単にいえば、信心をして御本尊様から智慧を頂かなければ、以上の「三惑」を正しく扱うことができないということです。寺院での唱題行は法統相続に於ける、子供の「三惑」を明らかに見つめることができる大事な修行です。

A: なるほど。日々の勤行唱題に寺院参詣という信心の根本を疎かにしてしまっては、法統相続はできないということですね。今までの説明で法統相続は非常に難しいということと、難しいけれども御本尊様を信じ、しっかり信心していけば、必ず成就できるのだということが分かりました。

B:「願いとして叶わざるはなし」です。子を思わない親はいないと思います。ですから、この世に存在しうる、どんなものより価値のある正しい法を受け継がせることこそが、将来に於いての子供の幸せを確実にすることなのだと信じて行なうことです。

A: こうして考えてみると、自分の親も大変な思いをして必死に私に信心を教え込んでくれたのだなあと本当に感謝の一言に尽きます。

C: 親の思いを感じられた事は、あなたはもちろん親御さんも無上の喜びでしょうね。
また、法統相続には子供の教育に必要なことが全て含まれていますので、成就したときには親のことを思い大事にする、頼りがいのある子として成長しますよ。

A: 色々教えて下さってどうもありがとうございました。


目次(法統相続の教化育成書)

2005-11-15 | 法統相続の教化育成書

令法久住のための法統相続

法統相続に必要な結婚について

法統相続には夫婦の異体同心が大事

法統相続の弊害となる嫁姑の関係

法統相続における子供の友人に注意を

法統相続に於ける勤行の教え方

法統相続に必要な子供の勉強とは

法統相続の障害となる三毒

法統相続の障害となる三惑

法統相続の障害となる四苦八苦

法統相続の障害「五蓋」

法統相続における親御さんの心得

法統相続には寺院参詣が大切

法統相続には総本山の登山が大事

信心の基本は礼儀と挨拶から

御本尊様への渇仰恋慕を忘れずに

主師親の三徳「主徳」とは

主師親の三徳「師徳」とは

主師親の三徳「親徳」とは

上七代と下七代の功徳とは 


令法久住のための法統相続

2005-11-15 | 法統相続の教化育成書

 末法万年といわれる尽未来際まで、正しい仏法を残していくには子孫に相続していくことが大事です。それを「法統相続(ほっとうそうぞく)」といいます。 
 法統相続の目的は、令法久住といわれる正しい仏法を、未来まで久しく住まわせるという意味の他に、自分自身が死んだ後の通夜葬式、そして年忌法要を子孫に行ってもらうため必要です。
 法統相続がしっかり出来ていませんと、葬式を日蓮正宗の正しい化儀化法に従って出来ない場合があります。これでは生きていた時に培った信心が、全て水の泡になり成仏できません。また三界六道の世界に戻ってしまい、苦しい生活を強いられます。
 法統相続は、見方を変えますと自分自身の成仏のために行います。いかに法統相続が重要であるかが理解できると思います。
 法統相続に必要な教化育成は、三宝様に報恩感謝の気持ちを育てることです。御本尊様に日蓮大聖人、第二祖日興上人已来の御歴代上人猊下に対する御報恩感謝の気持ちをお子さんに持たせることが大事です。そして勤行唱題、御本尊様への御給仕、寺院参詣、総本山大石寺への登山、信行学を身に付けさせることです。法統相続においてはどれも大切です。法統相続をすることで、子育てに必要なことが全て含まれています。
 そして忘れてはいけないことが、親の姿を見てお子さんは自然と信心について学んでいきます。親がいい加減であったり、怠慢になっていては、法統相続は出来ません。親御さん自らが率先し範を示して、お子さんを教化育成していくことです。時には厳しくそして優しくけじめを付けた教化育成が必要です。
 法統相続をしていく上で、大切なことが御住職様の御指導を賜り、経験豊富な支部講中の壮年部・婦人部の方から御教示を頂くことです。我見で教えることは控え、師弟相対した信心に立っていくことです。師弟相対したところに正しい法統相続が出来ます。文証理証現証の三証がいい加減な、我見による憶測推測で教化育成することは、正しい法統相続が出来ません。
 法統相続で一番重要なことは寺院参詣です。寺院参詣を考えた上で、教化育成することであります。物心付く頃から寺院参詣を習慣付け、また途中から入信した小学校中学校のお子さんをお持ちの方も、寺院に参詣し行事へ参加するよう、寺院参詣の大切さを教えていくことが大事です。
 お寺へ参詣するときは、必ず御念珠と御経本を持たせることを習慣付けましょう。お寺は信心の道場でありますので、大声を出したり騒いだりしないよう親御さんは心がけることが大事です。そして寺院に安置されている御本尊様が在す本堂は、心が落ち着く物静かな悟りを得られる大切な場所であることを教えていきます。この気持ちを育てることが、世間とは全く違う清浄なところであると、意識を育てることが出来ます。
 そしてお子さんが、人生の迷い悩みに直面したとき、自然と御本尊様に向かう姿勢が出来ます。それぞれの年齢に来たときお子さんの心まで、親御さんが見えなくなる場合があります。この時しっかりとお子さんに法統相続できていれば、御本尊様に安心してお任せできるのであります。そのため法統相続は非常に大切です。


法統相続に必要な結婚について

2005-11-15 | 法統相続の教化育成書

 結婚は、理想と現実に隔たりがあります。結婚前に、理想に満足することなく、現実に起こりうる様々な問題を処理できる能力を身に付けていくことが大事です。 信心では日々の勤行唱題で、現実に起きている多くの結婚に於ける問題を自分の身に置き換え考えることです。
 日蓮正宗において、「令法久住」のために結婚が大事です。子供に法統相続をして末法万年という未来に、日蓮大聖人の教えを伝え残すことが私達の使命であります。
 結婚の目的には、人により価値観が違います。結婚は、お互いの価値観や性格をよく理解し、異体同心を心がけることです。恋愛感情だけでは、到底、一生涯、結婚生活を貫くことは困難です。その結果、離婚という姿で、世間では年々増加の傾向にあります。離婚の原因には、性格の不一致や浮気、姑さんとの関係、子育て上の問題など多くの原因があります。結婚に踏み切るには、これらの現実に起こりうる問題を回避する力が必要であります。
 世の中では信心をしないために、結婚観が腐敗し、結婚生活の現実に目もくれず、一時的な感情に走って結婚する形が多く見受けられます。つまり、三毒の貪欲に汚染された結果です。信心をして、御本尊様から智慧を頂けば三毒に左右されない結婚観に立ち、令法久住の法統相続を正しく行うことが出来ます。 
 結婚には夫婦異体同心し、子供の教化育成を怠ることなく、微妙な子供の気持ちを察していくことが必要でしょう。仕事や生活に追われ、子供の気持ちが見えなくなることが障害となります。常に御本尊様に御題目を唱えることを忘れなければ、必ず有り難い御仏智を頂けるはずです。
 結婚は、今まで経験しなかった神経を使うことがあります。結婚は、男女だけの問題ではなく、広く家族や親戚にも影響します。この家族や親戚との人間関係によって問題が生じ、幸せになるはずの結婚が地獄の姿に変わる時もあります。恋愛感情だけでは、通用しない問題が、相手の家族や親戚との繋がりにあるのです。若いと、どうしても部分観に執着し、一時的な結婚の華やかさに酔いしれる弱さがあり、全体観を見失う欠点があります。恋愛結婚は、時として正しい判断力を鈍らせ、悪道に導く原因になることもあります。煩悩の三毒や三惑が至る所で邪魔をし、結婚生活を泥沼化していきます。結婚生活を維持していくには、夫婦が結婚生活に於ける問題を解決できる力を身に付け、また経験豊富な人を身近に持つことが重要です。
 姑さんを嫌う傾向が強い現代ですが、世代が異なっても、育児や結婚生活に於ける有り難い教えを頂くことが出来るはずです。一切衆生の恩を知り、三毒を御題目で制止し、姑さんと異体同心していくことが大事です。嫁姑の問題には、譲り合いや思いやりを失った、お互いの気持ちに生まれる貪瞋癡の三毒が原因となって起きています。様々な感情が飛び交い人間関係が拗(こじ)れてきます。お互いが我慢偏執を払拭させ「下種三宝様」を信じる気持ちに集中させることで、嫁姑問題は回避されます。しかし実際問題、互いの我見(信心する以前の謗法の見解)が根強いため、上手くいかないのが現実です。この嫁姑の問題により「法統相続」が疎かになる重大な原因を孕(はら)んでいることを、信心する私達は絶対に忘れてはいけません。そして若い夫婦の方に教化育成で必ず教える大事な点です。
 御住職様から適切な御指導を頂き解決していくことが大切です。


法統相続には夫婦の異体同心が大事

2005-11-15 | 法統相続の教化育成書

 法統相続には、父の役目と母の役目があります。父親にしかできない育成と母親にしかできない育成があります。つまり、父母の異体同心により法統相続がスムーズに行きます。仕事と生活の他に、子供の育成にも心をやらなければいけません。子供の育成を怠ると将来において弊害が生まれます。
 父親の役目には、威厳と厳格さが大事です。失われ欠けている現在、勤行唱題により御本尊様から「主徳」と「親徳」を頂くことで、威厳と厳格さを自然と具えていきます。子供は、父親の細かい言動まで無意識の中で感じ取り、多くのことを学びます。自分の父親と友達の父親を比較し、様々な感情が心の中で葛藤を起こしたりもします。この葛藤が時として、父と子の関係に気まずさを生み、法統相続の難しさを目の当たりにする場合もあります。これは、結婚前に気付きにくい盲点です。如何に、この点に直面したとき解決できるか四苦八苦することでしょう。
 母親の役目は、優しさや慈愛です。貪瞋癡の三毒に左右されることなく、御題目を唱えて変毒為薬し、優しさと慈愛に満ちた人格で、子供を育成することが必要です。子供の微妙な心の変化を見逃すことなく、日々勤行唱題を根本に五感を鋭く磨く必要があります。五感を常に磨くことで微妙な子供の心理が分かるはずです。子供に家事や仕事で気持ちが集中出来ない問題もありますが、「柔和忍辱衣」を心がけ忍耐力をもって対応することが大切です。
 結婚前に以上のことを勤行唱題の中で自分の身に置き換え自問自答することが理想的です。様々な自分自身に力がないことを御本尊様から御教示いただき、それがまた智慧に変わり、折伏に活かされるはずです。
 夫婦喧嘩は、法統相続にマイナスとなります。子供が善知識(プラス思考)を理解できていれば問題ありませんが、幼少の頃は、判断基準が未熟なため、心に多くの障害を植え付けトラウマを形成しかねません。
 夫婦喧嘩をする暇があるなら、御本尊様に向かう時間に費やしましょう。夫婦喧嘩は、一家和楽を破壊する原因となります。夫婦喧嘩は、三毒が強盛になるため心が汚れていることを物語っています。唱題をして心の汚れを御本尊様に洗い流して頂くことが必要でしょう。夫婦間の御本尊様に向かう姿を見て、子供は育ちます。そして自然と勤行唱題を覚えていきます。
 夫婦には例外として、夫だけが信心している場合と嫁だけが信心している場合というケースもあります。この場合は、また違った法統相続に於ける教化育成があります。信心が夫だけであれば、嫁さんの部分もある形で補い、信心が嫁だけであれば、夫が育成する部分を補わなければいけません。その方法は、御本尊様に向かう勤行唱題にあります。御本尊様は「主師親の三徳」を余すところなく具えています。つまり、御本尊様から智慧を頂いて補っていきます。そして、日蓮正宗の寺院に参詣して、御住職様や講中の経験豊富な壮年婦人部の方から御教示頂くことで補うことが出来、法統相続には寺院参詣が非常に重要です。
 子供の教化育成に右往左往したときに、有り難い智慧を頂く場所が寺院となります。参詣することで、様々な夫婦に於ける姿を眼にして、それが直ちに智慧になり、子供の法統相続に於ける教化育成に役立つはずです。法統相続には、夫婦の異体同心が非常に大切となります。


法統相続の弊害となる嫁姑の関係

2005-11-15 | 法統相続の教化育成書

 時として三障四魔の姿となり、嫁と姑の関係によって法統相続が難しくなる場合があります。御主人の姑さんが邪宗教を信仰しているため、歪んだ価値観から法統相続を妨害するときがあります。信心をしていなくても、理解力のある姑さんであれば問題ありませんが、それぞれの家庭の因縁により予測のし難い弊害が突如として生じる場合があります。
 嫁と姑の関係を難しくする原因には、世代の違いから来る価値観のすれ違い、互いが譲り合おうとしない我慢偏執のぶつかり合いなど、迷いや悩みの根源となる貪瞋癡の三毒や三惑が互いの大きな心の師子身中の虫となっています。信心を忘れ、己心の魔に主導権を取られるために、一切衆生の恩を観念的に覚えているだけで、身口意の三業に実行していない姿が、醜い嫁姑の争いであります。信心をして正しい仏法を学び素直に実行すれば、必ず嫁姑の関係は上手くいきます。しかし、現実問題多くの人は信心をしないために、心の三毒の扱いを知らないため、貪瞋癡のぶつけ合いに終止し結婚生活に六道輪廻の姿を見るのであります。
 嫁姑問題には、様々な結末があります。法統相続と同時に、姑さんとの人間関係を円滑にしていく動力が必要になります。結婚以前の恋愛や結婚願望に酔いしれている人には、全く予測のし難い盲点となり、ここに六道輪廻の落とし穴が存在し、離婚に通じる道が隠れています。恋愛や結婚願望にとらわれ、現実を無視した理想だけに満足する人が見落とすところです。結婚生活に於ける嫁と姑の関係は、「柔和忍辱衣」を身に纏わなければ辛い部分もあります。相手からの貪瞋癡の応酬に精神が衰弱する場合も考えられます。この時こそ、日蓮大聖人の御精神を身口意の三業に実践し、本当の仏法であることを体験させて頂くことが大事です。そして逆縁を結び折伏していくことが大事です。
 その姑さんとの関係で、法統相続が疎かになることもあり、また反対に嫁さんが法統相続に無関心で姑さんの方が熱心である場合もあります。この法統相続に於ける嫁姑の問題には多くのケースがあるために、一概に固定した指導が難しい部分があります。そのため、御住職様の適切な判断に頼り問題を解決することが鉄則です。
 子供は、醜い嫁と姑の関係を見ていないようで、五感を働かせ見ているものです。人の振り見て我が振り直せという教訓を活かし、子供は飛華落葉の悟りを持ち現実を明らかに見て、将来の糧にします。醜い姿を示して教えるよりも「親徳」を御本尊様から頂いて育てていきたいものです。貪瞋癡の三毒を誡め法統相続を行うことが大事でしょう。
 嫁姑問題を解決する立て役者が御主人になります。信心していれば、「主徳」と「親徳」が具わりますから、嫁さんと姑さんの関係を円滑にします。これは御主人の信心に依ります。御主人の立場は、仕事に追われ家庭を落ち着いて見ることが困難な立場にあります。しかし、勤行唱題の中で落ち着ける時間を持ち、嫁姑の関係を円滑にする智慧を御本尊様から頂くことが大事です。そして、月に一度は、寺院へ家族一緒に参詣し御題目を唱えることです。家庭内を煩わす、心の迷いを洗い流すことが出来ます。毎月の御講には時間を工夫し必ず参詣しましょう。


法統相続における子供の友人に注意を

2005-11-15 | 法統相続の教化育成書

 法統相続が上手く出来ているように、外見では見えていても、子供の友人による死角に悩まされるときがあります。友人とは、広く考えた場合、善友や悪友、恋人や結婚相手など考えられます。
 法統相続は、親御さん自身の成仏に於ける大事な修行です。自分自身が死んだ後の仏縁は、残された子供に託す以外にありません。子供に正しく法統相続できていれば、死後に迎える忌日法要や年忌法要の追善供養は子供が塔婆を立てて行ってくれます。しかし、そこまでいく過程において、様々な障魔を乗り越えなければいけません。
 時に予測出来ない難しい問題を、子供は呼び寄せます。学校での現実で起きている問題が我が身に降りかかることも予測できます。いじめや登校拒否、成績の低下など法統相続の弊害となって現れます。ここに四苦八苦の現実を味わうことでしょう。
 この体験が、善知識と考えたとき、折伏に必要な智慧に変わります。子育ての悩みを抱えることは、世間に子育てで悩む親御さんに多いことでしょう。家庭訪問では、子育て上の話題から共通の話しを持ち、人間関係を和ませ、焦らず折伏成就に結び付けていきます。
 まず法統相続は様々な試練があることを肝に銘じるべきです。親には責任があり、放棄したい気持ちが生まれるときもありましょうが、耐え忍び御本尊様を信じて乗り越えることです。そこに成仏の道があります。
 子供の友人が、どの様に影響してくるのか考えてみましょう。友人には、信心していない人が多いです。ここに問題が生まれます。信心しない考えには、謗法の考えがあり、この考えを素直に友人から、影響を受けやすい環境にあります。特に、子供は自己中心型が多いため、親のいうことを聞かず、また聞いても忘れる傾向があります。ここに、謗法の考えが染まりやすい可能性があり法統相続する上での壁となります。
 法統相続において、謗法の考えに影響されないよう厳しく教えることが必要です。子供の性格により、受け止め方がまちまちです。子供の性格を十分に理解した上で言い方を工夫し、心に深く入りやすい言葉で教化育成することです。子供の感情が正しく見られず、感情的に子供が理解できないままに進むこともあります。その結果、信心が嫌いになる場合もあります。親御さんは注意しなければいけないところです。夫婦間で相談し、また壮年・婦人部の方から御教導を頂くことです。
 子供は、年齢により感受性が異なります。いつまでも親御さんは、幼少の頃の気持ちでいるといけません。子供の心の成長を正しく把握していくことが大事です。難しい問題ですが、御本尊様に勤行唱題することで、必ず智慧を頂けるはずです。その智慧は、経験豊富な有り難い先輩に縁するという形となって現れることでしょう。それが寺院参詣にあります。
 子育てには、一人で悩むことは禁物です。ここから様々な魔の働きが生じます。ノイローゼになったり、自殺など考えてしまう場合もあります。子供の友人だけは、親御さんが決めることが出来ません。子供の感情が中心となっています。これは、独り立ちしていく上で、一人で決めるという働きがあることを理解し、善友と悪友がいることを教えながら法統相続を行うことです。この時に、年齢にも依りますが、善知識と悪知識を教え日蓮大聖人の仏法の素晴らしさを理解できるところを教え、子供の友人をも折伏できるように、教学力や説得力なども身に付けさせることが必要です。
 謗法の友人に感化される原因には、子供の心に生まれる感情を作用する貪瞋癡の三毒が深く関係してきます。子供は、三毒に左右されやすい性質です。素直に心の中に生まれる貪瞋癡に反応し行動に出します。どのように教化育成して行けばいいのか悩むところです。信心を更に奮い起こして、親御さんも自分自身の心の三毒に左右されないよう、子供の三毒も正しく扱って教化育成し法統相続していくことが必要です。


法統相続に於ける勤行の教え方

2005-11-15 | 法統相続の教化育成書

 法統相続には、勤行を教えることが一番の基本であります。物心付く前から、子供と一緒に勤行をすることが理想です。規則正しい生活の中で、小さい頃から行うことで、子供との異体同心を深め法統相続を確実なものにしていきます。
 法統相続は、親御さんの自己中心的な考えは禁物です。自己中心的な考えになると、子供の未来は謗法の考えに染まる可能性があります。御住職様や信心している両親、姑さんから法統相続の必要な智慧を頂きながら勤行を教えていきます。戸惑いが生まれると思いますが、小さい頃は、落ち着きがありませんので、親御さんも勤行唱題に集中できないときが多いことでしょう。根気のいることですが、忍ぶところに自分自身の成仏のためであると考え取り組むことです。この時、貪瞋癡の三毒が胸騒ぎしますが、「忍辱」と「柔和」を忘れずに忍ぶことであり、三毒の胸騒ぎは法統相続する上で誰もが経験することです。
 子供は親御さんの御本尊様に対する、御給仕などの所作仏事を自然と身に付けていきます。強制的にさせないように、柔和な気持ちと自然体で子供に教え導くことが大事です。強制的にさせると、子供の性格により嫌な気持ちを芽生えさせ敬遠することになり、法統相続が難しくなります。微妙な子供の心を察しながら適切なとき、勤行唱題と共に御本尊様に対する御給仕を教えていきます。しかし、時には厳しさが必要です。厳しさと優しさの使い分けが、法統相続には難しいところです。
 子供は勤行唱題を、見よう見まねで身に付けていきます。なるべく正座が長時間出来るように、時間を少しずつ伸ばし、子供の体に慣れるよう、子供の性格と体質を親御さんがこまめに観察しながら、着実に法統相続をしていきます。勤行を教える難しさを、ここで十分に親御さんは知らされるはずです。この時、親御さんの心がけをしっかりしておかなければいけません。気長に、長期戦になるため、短気を起こさないように穏やかな気持ちで信心に大切な「禅定」を意識して行うことです。
 一人前に育てるまで、未来が非常に遠く感じ、様々な気持ちが心の惑いとして現れますが、心の迷いが智慧に変わるはずです。家庭訪問での折伏に大切な教化育成の智慧になります。法統相続の難しさと厳しさを知らない人には、善き師となり折伏成就の糧になります。法統相続は、同時に折伏に必要な智慧を磨く要素があるわけです。
 勤行唱題では、御念珠と御経本を必ず持たせ、親御さんが範を示し、子供に教えていきます。御本尊様に明かりを灯して、御線香を供え勤行唱題の流れを教え、時には御経の速さを遅らせて、正しい発音が出来るように教えることです。姿勢も背中が曲がらないように意識させ、合掌もきちんとさせます。御本尊様だけを拝することが難しいと思いますが、正座と合掌がまず出来るように勤めましょう。
 外へ出かけるときや外から帰ってきたときは、必ず御本尊様の前に行って御題目三唱をして御挨拶することが大事です。勤行唱題を教えることが難しい場合は、まずこのことを必ず実行することです。そして、子供の成長に応じ、勤行唱題を確実に習慣づけましょう。成人になる頃には、勤行唱題が習慣化し、人生の悩みや迷いに衝突したとき御本尊様に向かう姿勢が出来上がっているはずです。この姿勢が様々な人生を脱線させる悪因を止めるのです。
 法統相続では、勤行唱題を教化育成することが非常に大事なのであります。


法統相続に必要な子供の勉強とは

2005-11-15 | 法統相続の教化育成書

 法統相続に必要な子供の勉強は、日蓮大聖人の教学を教えることです。そして世間法を学ぶ上で、学校の勉強が大事です。学校の勉強は、折伏に活かされるはずです。友達との共通点は、学校で身に付ける勉学に智慧が存在します。苦手な科目も折伏のためには必要な勉学となり、自分自身には必要なくとも、一切衆生を救済するという地涌の菩薩の観点に立てば、当然全て必要になります。以上のことを理解させて親御さんは子供に勉強の大切さを教えることが必要です。
 まず、日蓮正宗の教学を勉強することについては、法統相続する上で必要不可欠です。これを教えなければ、世間に蔓延する謗法の思想に身口意の三業が毒され悪道に堕ちます。心に生まれる迷いの扱い方を知らずに、路頭に迷うことになり、教学は心の迷いや悩みを取り除く智慧です。勤行唱題だけ教えても、勤行唱題の意味を十分に教えなければ、綺麗な功徳が流れてきません。凡智で信心を推し量ることになり、疑いを持つ可能性を持ちます。教学は、譬喩を巧みに用いて子供に教えていくことです。成長と共に、難しい御法門を教え、寺院に参詣して御住職様から有り難い御法話を賜ることが大事です。人生を乗り越える智慧が日蓮正宗の寺院にあります。
 日蓮大聖人の御書、大日蓮や大白法などに触れていきます。子供の欲望を擽(くすぐ)り、世間に蔓延する情報が邪魔をすることがありますが、けじめを付けさせて教化することです。
 次に世間法である学校の勉強については、信心に立って考えた場合、折伏に大事な他人の気持ちや機根を理解する上で必要な科目を学ぶところが、世間の学校になります。つまり、教機時国教法流布の先後を深めるところになり、様々な分野が世の中にあります。
 幼稚園では、自行面において大勢の集団に慣れる精神を養い、化他においては、将来、幼稚園で体験したことが次の世代の法統相続に活かされます。本人には目的意識が無くとも、成長した後、過去を振り返った時に有り難い智慧となり、時代背景が異なっても子供が次世代に法統相続すべき大切なことが多くあります。
 小学校や中学校は義務教育であり、社会に出るために必要最低限の学問を身に付けます。現在の小中学校には、様々な生徒の問題があります。親御さんにおいては、この問題を間接的に、また実際に体験することで、地涌の菩薩の使命に目覚め、「願兼於業」の意識を自覚して対応することです。
 信心をしているのに、何故、いじめや登校拒否を起こすのか疑問が生まれる場合があります。これは「四弘誓願」の一つ「衆生無辺誓願度」という意義があります。我が身に問題の本質が降りかからないと、根本的なものが分からない部分があります。この点を信心で解決し、御本尊様の素晴らしさを体験して、その体験を持って折伏の智慧に活用していきます。いじめや登校拒否で悩む家庭は非常に多くなっており、正しく謗法の害毒です。問題を解決したことで、自行において強靭な精神が養われるために、御本尊様から御利益を得て成仏の境界に近づけて下さるのです。
 子供の勉強は、興味のある部分を伸ばすことで持続させることが出来ます。反対に、嫌いなことには持続性が無く、更に嫌悪感が心の中に積もり、これが原因となって、問題行動を発生させることがあります。法統相続に於ける教化育成には、大きな壁となる問題です。
 法統相続で大きな問題が出たときは、一人で悩むことなく、御住職様の御指導を頂き適切に解決することが大事です。


法統相続の障害となる三毒

2005-11-15 | 法統相続の教化育成書

 法統相続の障害とは、住む環境や家族構成、子供の性格により異なります。しかし、必ず経験する障害があります。子供の心に生まれる貪瞋癡の三毒により、障害が生まれます。親御さんは、子供が素直に聞いて貰いたい気持ちでいっぱいですが、難しい場面が至る所に散在しています。この障害と信心根本に、如何に付き合うかで法統相続が出来上がります。
 子供のわがままや欲望により法統相続に障害が生まれ、貪瞋癡の三毒が深く関係し、三毒をどの様に処理していけるかが、親御さんの法統相続に於ける課題になります。幼少の頃から着実に育成していれば問題ありませんが、友達との関係で世間的な思想が、一度深く入り込んだ後の法統相続は困難です。時には、親子の関係に様々な問題が生じます。親御さんの信心が常日頃から磨かれていませんと、非常に厳しいものがあります。法統相続をめぐって、子供との関係以外の新たなる問題に、時には絶望するかも知れません。この問題が、自行の修行になることを心得、「柔和忍辱」の衣を身に纏い、御本尊様を信じて乗り越えることが大事です。
 障害となる貪瞋癡の三毒が、どういう姿で現れてくるのか考えてみましょう。貪とは貪欲です。貪る気持ちであり、子供の頃は、欲望という気持ちを抑えることなく正直に出します。ある程度、成長すると知恵が付き素直な気持ちを隠すことを覚え、外見を取り繕うことを巧みに利用するときもあります。また反対に耐え忍ぶ気持ちが養われています。親御さんは、この違いを如何に見抜いていく眼を自行において養っていくかが課題になります。子供の欲望は、外界の縁に触れ、次から次へと出てきます。眼からはいる情報には、敏感に反応し興味を持ちます。この貪欲も善悪両面があります。善い面を伸ばし、悪い面は摘み取ることが法統相続に大事です。
 次に、瞋という瞋る気持ちです。子供もイライラして怒ることもあります。怒る原因が、見えない場合もありましょうが、御本尊様に御題目を唱え冷静になれば、何かが見えるはずです。子供の心に不満がたまると「キレル」という現象が起き、問題行動を引き起こすことがあります。子供の性格にも依りますが、法統相続では、如何に子供の瞋る気持ちを処理していけるかに身心をすり減らすこともあります。御本尊様から強靭な精神を頂き乗り越えることです。
 そして癡でありますが、これは愚癡です。年齢により、愚癡の内容も様々です。年齢を経るごとに、心の汚れ愚癡の扱いを知らなければ、エスカレートし家庭内暴力へと発展しかねません。子供の愚癡により、親御さんの貪瞋癡の三毒が誘発され親子関係を気まずくします。朝夕の勤行唱題で心の汚れを綺麗に洗い流されていれば、貪瞋癡の三毒は発生しません。たとえ発生しても、直ちに菩提へ転じ「防非止悪」の意義を持って、貪瞋癡が根本となる言動を止め、相手に不快感を与えない振る舞いに変化させることが出来ます。つまり、親子関係を円滑にする方法になります。
 以上、子供から生まれる貪瞋癡の三毒に、親御さんが扱い方に迷い悩む結果になると、幼児虐待や児童虐待に発展することがあります。信心をすることで未然に防ぐことが可能ですが、信心を知らない親御さんは、子供の感情に流され、それが原因となり、親御さんの気持ちに貪瞋癡の三毒が生まれ悪循環を生じ、家庭が崩壊へと向かうのであります。正しく邪宗の害毒が「虐待」という現証となって現実に問題となっているのです。
 根本的に直すには信心しかありません。法統相続の障害は、親子の心に生まれる貪瞋癡の三毒と、どのように向き合っていくかが課題です。御住職様の御指導を受けて解決することが大事です。