side by side:湘南夫婦のあしあと

二人が好きな地元湘南、スポーツ観戦、旅行、食べ歩き,音楽・美術鑑賞など、日々のあれこれを綴ります

棘の家 中山七里

2022年10月04日 | 書籍・雑誌

*****ご注意!!!一部ネタバレの可能性があります!*****


主人公、中学教師の穂刈は自身のクラスでイジメの訴えがあるが、「わが校にはイジメはない」としたい上司への忖度もあり、正面からイジメに向き合うことを躊躇してしまい、またそんな自分に嫌気を感じてしまう。
そんな矢先、中学生の娘が自殺を図り、その原因がイジメだと知る。

親としてイジメ問題をハッキリ決着させたい穂刈夫婦だが、穂刈は加害者の公表に消極的な学校側の状況も理解でき、夫婦間で温度差が生じてしまう。

マスコミにリークされ、加害者家族が誹謗中傷にさらされている中、中学生の加害者本人が殺されてしまう
容疑者として穂刈の長男が取り調べを受けることになり、穂刈家は被害者から加害者側へと一転。

イジメってなんなんだろうな・・・と改めて思う。
反りの合わない相手・気に入らない相手と程よい距離をとりつつ学校生活を送ることで、その先の社会での人間関係構築の術を身につけていけるように思うのだけど。
こんなに選択肢が多い世の中になったのに、学校生活が全てと思わせてしまうのは、どこかに支障があるのだろうな。

子供はある意味ズル賢い
イジメ被害者(のフリ)になって利することもあると踏んだことに、怖さを知る



2022年5月31日 初版発行
2022年6月30日 再版発行
初出 小説野性時代 2017年3月号-12月号 「蕁麻(いらくさ)のなる家」を改題・加筆修正
装画 高井雅子
装丁 片岡忠彦


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