ティコ・ブラーエ


パパとママの視点から
子供と建築探訪
こどものおやつから考える体にやさしいレシピ

島根旅行5 二日目:植田正治写真美術館

2010-08-17 | 子供と行こう



この旅最後の場所は鳥取にある植田正治写真美術館。
彼の写真は森山大道のような日常の断面を切り出して異化するのではなく、彼自身が頭で考えた構図を目の前に作った上で写真として表象する芸術手法のように思えた。
森山大道が以前鑑賞したロト・チェンコの流れだとすると、植田正治はマン・レイに与する者かもしれない。
建物は建築家高松伸氏によるもの。
彼には珍しく機械的なイメージは外観からは見えないが、手すりや階段、椅子などに彼らしいデザイン処理がなされているように思えた。
雄大な景色の向こうにうっすらと浮かぶ大山に対面して建つ建築は古代の遺跡のように静かにそこに存在しているようだ。
館内には、3次元に無限に広がる空間を囲み限定し、大山を一枚の写真へと変換する場が設けられている。そこは、憩いの場にもなっている。
ルイス・カーンが言うように「建築は働きかけるものでなければならない。」のだ。
この旅でいろいろな建築を訪れて感じたのは、建築空間には憩いの場が必ず必要であり、建築家の思いはそのような空間に強く現れるのだということであった。
広場に一本の大きな木が立っている風景を思い出してみればそのことが良くわかる。







出雲で靴までぬらした渉くんは、やや不満ながらも、不思議な空間に誘われてすたすたすた。
ママはここに座ってと椅子をばしばししながら、ちゃっかり横にちゃんこ。
渉くん、きれいな景色だね~!





ちょっと疲れたかな。



ママ見てみて、えへへの笑顔。






渉くん、いろんなところに行ったね~。
これで今回の旅はおしまい。
この景色ともお別れ、ばいば~い。





鳥取県西伯郡伯耆町須村353−3
9時~17時
火曜休

島根旅行4 二日目:大社文化プレイス

2010-08-17 | 子供と行こう
出雲大社から程近いところにある、大社文化プレイス。




こちらは菊竹事務所出身の伊東豊雄氏による設計。
大社町に21世紀の文化を担うことを使命に建てられた複合施設だ。
正面の打ち放しコンクリートで地面から立ち上がる矩形の力強いマッスとそれに纏いつくように地面を這うガラスで構成された有機的な形態が対峙しながら融合していくことで何か不思議な空間にこれから導かれるのだろうという予感を感じさせる。
ガラスで構成されたファサードは内部から外部へ流れるにつれてガラスが間引かれていく。それは、ガラスのファサードの硬さを抑え境界面をあいまい化する効果を与えているように思う。
でんでんむしと名前がついているように這うという行為がイメージ化されているようだ。
内部に入ると大空間のなかにオブジェと化した椅子がさりげなく置かれることによって空間に緊張感を生み出している。
こういう施設では仕方のないことなのかもしれないが、ポスターなど空間を煩雑にする社会的な機能物がざわめいているのが残念でした。

 




渉くん、ちょっと一休みしましょ。





こちらが図書館。
ガラスの筒がランダムに配置され自然光を取り込むと供に憩いの場としても利用されている。
仙台メディアテークへと繋がる空間のように思えた。



図書館の中には子供の遊べる丸い空間や機能を上手にデザイン化したビデオ閲覧休憩椅子、打ち放しコンクリートの壁にミニマルに配置された真っ赤な椅子など空間との調和が考えつくされているように思えた。
人間が調べ学ぶ空間というものを真摯にデザインすることでこんなにも気持ちよい世界を立ち上がらせる建築家はやはりすごいなあと思った。
渉くん、かわいい人形にぶーぶー並べて楽しそう。



ここはだんだんテラスという名の屋外テラス。
お外に出てみよう、気持ちがいいね~。
たかいたか~い。







島根県出雲市大社町杵築南1338-9
9時~22時
毎週月曜休