獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(22)

2023-12-24 01:54:23 | ガーシー

ガーシーには嫌悪感が先に立つほどだった私ですが、ガーシーのおかげで救われたという人もいたのですね。
また彼は家族思いで、母や妹には今でも慕われているようです。
ガーシーについて、好奇心がわきました。
ガーシーはどのように育ったのでしょうか。
彼なりの正義とはいったいどういうものなのでしょうか。

そこで、ガーシーの自伝的な本があるというので読んでみました。

ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(幻冬舎、2022.07)

かいつまんで読んでみたいと思います。

(目次)
□序章 ジョーカー誕生
■第1章 逃亡者
□第2章 しゃべりだけで成り上がる
□第3章 芸能界への扉
□第4章 アテンダーという裏稼業
□第5章 酒と女とカネと反社
□第6章 死なばもろとも
□第7章 社会の不満が生んだ怪物

 

第1章 逃亡者
□ポケットの中で握り締めた110円のジャリ銭
□ギャンブル依存症がハマる「カネの底なし沼」
□やめたくてもやめられない 俺を破滅させた博打
□一晩1000万円が動く裏カジノが主戦場
□YouTuberのヒカルのギャラ
■ギャンブルで自殺した俺のオヤジ
■雪山で大酒を飲んで死ぬつもりだった
□下4ケタ「1234」 
□PCR検査へ急げ 
□1泊500円のゲストハウスを泊まり歩く
□日当3000円の日雇い労働で糊口をしのぐ
□暴露系 YouTuber ガーシーの誕生

 


ギャンブルで自殺した俺のオヤジ

ここまでギャンブルに狂っていると、『闇金ウシジマくん』のような黒いカネ貸しから借金していたと思う読者もおるやろう。実際、そういう噂も週刊誌やネットによく書かれる。
けど俺はウシジマくんのような半グレのカネ貸しには手を出さへんかった。そこに手を出したら、いよいよ命がなくなる。そのことを身をもって知っていたからや。俺のオヤジも実はギャンブル依存症やった。
ギャンブルで頭がイカれていたオヤジは、闇金からけっこうなカネを引っ張っていたらしい。「トイチ」(10日で1割)だか「トサン」(10日で3割)だか「トゴ」(10日で5割)だか知らんが、法外な金利を吹っかけられてもカネを借りねばならんアホがおる。ウチのオヤジもそうやった。
オヤジは高校教師で、闇金から学校まで追いこみをかけられ「もう終わりや」と観念したんやろう。オヤジは自殺してもうたんや。
オヤジが死んだあと、携帯電話に闇金からガンガン電話がかかってきた。
「お前があのドアホの息子かいな! お前がオヤジの代わりに貸したカネ返さんかい!」
向こうがどんな脅しをかまそうが、何をしようが関係ない。怒りの絶頂に達した俺はブチギレまくった。
「うっさいドアホ! カネを回収する前に客死なせてどうすんじゃい! この無能なカネ貸しが! 来い。今すぐ来い。俺がお前らと直接話つけたるわ!」
啖呵を切ったが、喪中の我が家にズカズカ乗りこんできた闇金は一人もいなかった。向こうはすでに、貸金業法の上限をはるかに上回る利息をオヤジから巻き上げ、元金 以上をとっくに回収しとる。
自殺でオヤジを失った俺は、警察に駆けこんで「あのクソ闇金を捕まえんのか!」と大暴れした。だが警察は何もせん。「博打に狂って闇金から借金するようなアホは、クズがクズからカネを借りとるようなもんや」と鼻で笑っとるんやろう。


雪山で大酒を飲んで死ぬつもりだった

マッケンから借りた6000万円を熔かし、ヒカルをダシにして作ったカネを熔かし、BTSがらみで作った数千万円もまた熔かす。ギャンブルにハマりすぎていよいよカネがなくなったとき、俺はホンマに死のうと考えた。生まれて初めて本気で自殺を考えた。
警察に死体が見つかって回収されると、変わり果てた息子の姿を見て母親が悲しむ。いろいろ考えた結果、「行方不明」という状態のままひっそりと死ねたらいいと思った。そこからホンマに2カ月くらい誰とも連絡を取らなかった。文字どおり、飛んだんや。
「もう死のう」と決めてから、昔ベストセラーになった『完全自殺マニュアル』みたいな死に方メソッドをネットで検索しまくった。どんな死に方をしたら苦しまずに死ねるか。すると「雪山で酒をしこたま飲み、気絶したまま凍死するのが一番ラクな死に方だ」と書いてあった。「これや」と思った。
コンビニに行って酒を買いこんだ。その酒をもって、雪山を目指して電車に乗った。駅で降りて山に向かってトコトコ歩いていく。けど山についてみたら見事に雪解けしとった。雪山に雪が1ミリも積もっとらん。俺がギャンブルにかまけとる間に、冬はとっくに終わって、雪なんて山に残ってなかった。こんな間抜けなコメディがあるかいな。これじゃいくら酒をかっ喰らったって死なれへん。アホちゃうか。
「博打で破滅するのは東谷家の血筋なんかな。博打のせいで自殺したオヤジのDNAが俺に刷りこまれとるのかもしれんな」
山に出かけるまで、俺は完全に人生を投げ出してた。そんな俺を思いとどまらせたのは、天の采配かもしれん。あのとき山に雪が降り積もっていたら、俺は気絶するまで飲めない酒をかっ喰らって凍死していたはずや。
雪山での凍死に失敗しても、電車に飛びこむとか高層マンションから飛び降りるとか、方法はいくらでもある。最終的に俺が死を選ばなかった理由は友人や。実は俺は、 自殺をするということを、島田紳助さん、「FC2」の高橋理洋さん、UVERworld のTAKUYA∞と一般人の友だち3人にだけLINEをして、そのまま電話がつながら ない状態にしていた。
雪山での自殺が未遂に終わって「これはまだ生きろってことなんかな」と混乱した頭で思いながらコンビニに入った。その瞬間スマホがコンビニのWi-Fi を拾ってしまい、 TAKUYA∞から電話がかかってきた。
「お前のオヤジさん、博打のせいで死んだんやろ。オヤジさんが亡くなったとき、お母さんがどれだけ悲しく苦しい思いをしたか。実の母親に同じ悲しみを二回も味わわせるな。博打のせいでお前まで死んだら、お母さんメチャメチャ悲しんで立ち直れんようになるぞ!」
この言葉のおかげで、俺はギリギリ、自殺という選択肢を捨てて踏みとどまれたんや。オカンのところへ顔を出し、今自分が置かれている状況を正直に報告した。
「オカン、ゴメン。ギャンブルのせいでオカネ全部なくしてもうたんや」
オヤジと同じ道をたどった息子を前に、オカンは涙を流すよりも先にブチギレた。 「アンタはなんてバカ息子なんっ!」
雪山で遭難死していたら、オカンの叱責をこうして聞くこともなかった。なんて情けない息子なんや。情けなくて悲しくて、自分で自分を殴ってやりたくなった。

 


解説
「お前のオヤジさん、博打のせいで死んだんやろ。オヤジさんが亡くなったとき、お母さんがどれだけ悲しく苦しい思いをしたか。実の母親に同じ悲しみを二回も味わわせるな。博打のせいでお前まで死んだら、お母さんメチャメチャ悲しんで立ち直れんようになるぞ!」
この言葉のおかげで、俺はギリギリ、自殺という選択肢を捨てて踏みとどまれたんや。

ガーシーの不思議なところは、TAKUYA∞のような本当にいい友達を何人も持っていたところですね。
なんにせよ、TAKUYA∞の電話で自殺を踏みとどまることができたガーシーでした。

 

獅子風蓮



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