以前私はアメブロでこんな記事を書きました。
「保険証を無くすのは時期尚早」(2023-04-19)
政府は2024年秋に「保険証廃止」を目指す方針を示しています。
しかし、オンライン資格確認での結果が実際の保険証と合わないケースは多く、現場では保険証の情報が頼りです。
この問題が解決するまでは、「保険証廃止」は時期尚早でしょう。
しかし、医療機関でのオンライン資格確認の問題が解決したとしても、マイナカードにいろいろな情報を紐づけすることの危険性は、無視できません。
d-マガジンで興味深い記事を読みました。
引用します。
週刊現代 2023年5月27日号
警鐘レポート:
__5年後には「無保険者」が続出
__情報漏洩で強盗に狙われる
マイナンバーカードであなたは破滅する
(つづきです)
「闇名簿」に住所が載る
5月12日、厚生労働省がある衝撃の調査結果を発表した。マイナ保険証に別人の情報が紐づけられていたケースが、'21年10月から'22年11月までの間で、約7300件もあったというのだ。その中には、実際に他人の医療情報を閲覧してしまったケースもあったという。
立命館大学情報理工学部の上原哲太郎教授はこう指摘する。
「マイナ保険証の申請を受けて、各健康保険組合がマイナンバーと被保険者の情報を紐づける入力作業を行うのですが、一部で人の取り違えや番号の入力ミス、書き損じなどのヒューマンエラーが起こったと考えられます。結局、このような入カシステムを採用している時点で、どうしたってミスは起こってしまう」
政府がどれだけ安全をうたっても、必ずどこかに穴ができ、そこから大切な医療情報が漏れ出すリスクはどうやっても取り除けない。
「医療情報の安全が保障されていない」として、前出の佐藤院長ら全国の医師1075人は「マイナ保険証の義務化阻止」を掲げて国を提訴しているが、大きな懸念が生じているのは医療の現場だけではない。介護の現場も、マイナンバーカードと健康保険証の「対策不足のままの一体化」に悲鳴を上げている。
神奈川県を中心に特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人秀峰会のある施設長が実情を明かす。
「マイナンバーカードと保険証が一体化することで、介護施設の負担が激増するのは間違いありません。というのも、マイナ保険証を利用する際には、4桁の暗証番号が必要になる場合があるのですが、この暗証番号を忘れないよう、入居者の方は紙やノートに書き記しておくことになります。
多くの入居者はこれを施設に預けるでしょうが、施設側は暗証番号とカードを同時に管理しなければなりません。管理するものが多くなるほど紛失や流出する可能性が格段に高くなる。
健康保険証と違い、マイナンバーカードには恐ろしいほど多くの個人情報が紐づけられています。もしもカードと暗証番号の両方を紛失してしまったり、何者かに盗まれたりすることがあったら、入居者の大切な個人情報が悪用されてしまう」
保険証と一体化したマイナンバーカードと暗証番号の二つがあれば「マイナポータル」上で、その持ち主の個人情報を簡単に閲覧できる。これで、住所や生年月日、医療情報はもちろん、納税額をもとにおおよその資産状況や銀行口座の番号まで把握できてしまうのだ。「介護業務に関わる人は多岐にわたるので、悪意を持ってマイナンバーカードと暗証番号を持ち出す人間がいるかもしれないし、介護施設に泥棒が入ってまとめて奪われてしまうかもしれない。
そこから闇サイトなどに、マイナンバーに紐づいた個人情報が流れてしまうのではないかという現実的な懸念があるのです」(同施設長)
そう聞いて思い出されるのが、昨年11月から今年の1月にかけて関東地方で多発した高齢者を狙った連続強盗事件だ。犯人グループは住所や家族構成、資産状況などが記載された「闇名簿」を参照しながらターゲットを選んでいたというが、介護施設から流出した個人情報が「闇名簿」に載り、強盗の格好のターゲットとなるかもしれない。「特殊詐欺の世界にはす でに大量の名簿が出回っていますが、その名簿に『家族構成』や『資産状況』といった細かな情報がどれだけ書かれているかで、名簿の価値がまったく変わってきます。
もしもある一帯の地域のマイナンバーカードと暗証番号が手に入れば、それは特殊詐欺組織にとってまさに宝の山。莫大な情報が詰まった地域一帯の名簿を作ることができ、高い値で闇市場で取引きされるでしょう」(犯罪ジャーナリスト)
国も医療も荒廃
情報自体が高い価値を持つとなれば、介護施設にあるマイナンバーカードを狙った強盗が現れる恐れもあるし、出入りしている業者がおカネ欲しさに盗み出してしまう可能性もある。 住宅や宝石店に強盗に入る彼らからすれば、これぐらいは朝飯前だろう。一枚のカードを狙い、犯罪が急増する可能性があるのだ。
この半年間でマイナ保険証を申請した人は約3000万人に上った。'24年秋に実際に保険証が廃止されるなら、マイナ保険証の所有者数は何倍にも跳ね上がるだろう。その更新期限は5年後の'29年に集中してやってくる。警察庁の発表によると、運転免許の場合、'18年だけで23万件の更新忘れがあったというが、マイナ保険証の場合は高齢者が数多く含まれているうえ、更新手続きは煩雑。100万人単位の更新忘れが起こってもおかしくない。
現在も無保険者は存在するが、今後短期間で数百万人も無保険者が増加し、犯罪者たちが常に高齢者のマイナンバーカードと資産を狙って町を徘徊しているような国と化したら、日本の治安は極限まで悪化しかねない。
「このままではマイナ保険証の浸透によって国も医療も荒廃しきってしまうかもしれません。医療は命を支えるもの。それが荒廃することで、健康や財産を失って破滅せざるを得ない人が続出することを危惧しています」(前出・荻原氏)
現場の悲痛な叫びや看過できないリスクを無視して、政府のゴリ押しで進められるマイナンバー政策。国民の命や安全は、プラスチックでできたわずか5gのカードより軽いのだろうか。
【解説】
日本の若者の多くが闇バイトを利用して犯罪に手を染めている現状を認める必要があります。
彼らの背後にいる犯罪組織は、情報の宝庫ともいうべきマイナカードを老人から奪い、あらたな詐欺を企てようと手ぐすねを引いているのです。
そのような現状を考えるとき、マイナカードにいろいろな情報を紐づけすることの危険性は、無視できません。
少なくとも、来年秋の「保険証廃止」は阻止してほしい。
獅子風蓮