獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

甦れ! 石橋湛山 その1

2024-02-22 01:04:56 | 石橋湛山

d-マガジンで興味ある記事を読みました。

引用します。


サンデー毎日 2024年3月3日号
倉重篤郎のニュース最前線

甦れ! 石橋湛山
「親米自立」の保守革命へ
政党政治を根底から変えよ

このカオス(混沌)の中から何が生まれるのか。
今回の裏金政局、一つ注目すべきは、派閥解消の動きである。岸田文雄首相の宏池会解散宣言が、ティッピングポイント(小さな変化が蓄積し、劇的な変化を起こす境目)となり、連鎖反応的に各派が解散、自民党の衆参国会議員376人のうち約75%が無派閥議員となった。これまで派閥のガバナンス(統治能力)に依拠して、政策、政局運営していた自民党が、その足場を失った。政権与党の統治体制は、前代未聞、未踏の領域に入った、ともいえる。
既存の6派閥体制は、より小さなグループに解体、分断化されていく。一方で、280人近い「無派閥派」は、ただ一人の総裁・総理である岸田氏の公認権、人事権、解散権の下、集権化する。このベクトルのぶつかり合いで何がどう起こるか。ここに野党と世論が加わり政局は流動化、予測がつかない状況でもある。
問題はこのカオスの中で何を築き上げるか。ピンチはチャンスとも言う。権力構図の再編は政策、政治路線の再編にも通じる。単に政治とカネ問題の処方箋を講じるのではなく日本の今後のあり方、生き様という大テーマで、しかるべく構想、ビジョンを出し合い、骨太な議論もしてほしい。真の意味で日本政治を刷新する好機になるかもしれない。

石橋湛山という政治家がいた。戦前は、言論人として小日本主義を掲げ、領土拡張・植民地獲得という大日本主義への代案を提示、戦後は、政治家として占領軍と対等にやり合い、冷戦時に日中米ソ同盟という平和構想を打ち出した。大勢に流されない自立自尊、徹底した経済合理主義、理想を捨てない現実主義、骨太の構想力。自由党を2度除名されながら首相に上り詰めた不屈の闘志。その彼に学ぼうという超党派議員連盟(湛山議連)が昨年発足したことは当欄で紹介した。この裏金カオスから起ち上げるべき一つの軸として、湛山的精神、構想力がヒントにならないか。この稿では、湛山議連の2人に問う。

岩屋毅(たけし)(議連共同代表当 選9回 66歳)、古川禎久(よしひさ)(同幹事長 当選7回 58歳)両衆院議員である。奇しくも2人はこの政局で同行動に出た。岩屋氏は麻生派を離脱、古川氏は茂木派を出た。


国力停滞への国民の怒りが顕在化した

まずは岩屋氏だ。
30年前、自民党を離党してまで政治改革にのめり込んだ若手議員の一人だった。

今回なぜ離脱? 
「派閥政治に対する疑問、モヤモヤが自分の中で蓄積されてきたが、今回の事件でその思いがはじけた。世論動向も背を押した。政治を変えるべきだという国民の声が伴わないと改革はできない。久々にそういう機運が巡ってきた」
「今回の事件で着目すべきは、その温床が派閥だったことだ。帳簿処理がしっかりしている派閥とそうでない派閥との差が出ただけともいえる。党のメカニズムの中にガッチリ組み込まれている派閥という構造の問題だ。それが本来一人一人が屹立すべき議員の自立を妨げてきた。国の方向を決める総裁選で、何人かの親分が話を決め、お前ら従え、従わないと冷や飯食わせるぞ、ではもうやっていけない。派閥が政治の主役である体制は壊す必要があると 決意し、退会した」

B今何が起きている? 
「ひとつは平成の政治改革の制度疲労だ。30年前、私は改革のため自民党を飛び出し落選、国会に戻るまで7年間浪人した。それでもある種の達成感はあった。5年越しの政治改革が細川護熙政権でようやく日の目を見て、2度、本格的な政権交代が起こり、首相の指導力と政治主導が強化された。自分は七転八倒したが、改革ができて良かったと思えた。だが、ここにきてその改革効果が薄れ、1強多弱、モラル低下など負の側面が目立ってきた。ここは令和の政治改革が必要だ。30年ぶりにあのころに戻ってもう一回、汗をかいてみたいと思った」
「もうひとつは、この30年間の国力停滞への国民の失望、心配、怒りの顕在化だ。
冷戦終焉という世界のパラダイムシフトに適応していくための意識と努力が十分でなかった。バブルがはじけ、その後始末に追われ、その後は財政バラマキ、金融緩和を繰り返し、技術革新を生むことなく、ある意味で日本全体がスポイルされた。(異次元金融緩和も)カンフル剤としての役割は果たしたが、打ち続けて体力が弱まった。政策、制度全般を見直すべきだという時代の要請を感じる」

派閥解消が最初の一歩? 
「総裁派閥が自ら解散する、というのは岸田さんの大決断だった。追い詰められてやったと言う人がいるが違うと思う。第2次安倍政権以降の10年間は、言ってみれば安倍体制と言っていい構造ができあがっていた。岸田首相もその体制から生み出され、その呪縛の中にあった。それを解いたのがあの決断であり、ようやく自立した。心中深く期するものがあると思う。彼が慌てているように見えないのはそういうことだろう」

約75%が無派閥議員だ。
「かつてこんなことはなかった。自民党内はいったんカオスになった。この中でもがき苦しみ、新しいものを創っていかねばならない。こういうことは、人知だけではなかなか起こりえない。大仰に言えば、日本が直面する危機的状況の中で、天による差配なのではないかと感じている」

カオスの中どう動かす? 
「まずは国民の信頼をどう取り戻すか。政治資金規正法は適切な形で厳格化・厳罰化の方向で改正する。その上で、政治とカネを監視する強い権限を持った行政委員会を起ち上げる、という令和臨調の案に賛成だ。すべての政治団体はそこに登録し、違反があれば返金を命じたり、登録の取り消しができるようにする」
「重要なのは、改革の機運をそれだけに留めず、国策全般にまで議論を深化させることだ。これからの日本の国の形をどうするか。例えば、人口が毎年100万人減り、急速な高齢化を迎える中、いかに国力を維持し、一人一人の国民が充足感を得られる社会を創り上げるのか。女性、高齢者、外国人、障がい者、性的マイノリティーらいろんな人たちがこの列島で活躍できる、もっと多様性を包摂できる社会にするのがひとつの方向性だと思う。違うものが混じり合ってこそイノベーションが起こる」
「国際的激動の時代をどう生き抜くかも重要なテーマだ。中国が台頭し米国の力が相対的に落ちている。日本にとって日米安保体制が基軸であることには変わりはないが、これまでの対米追従の姿勢は改めていく。親米自立だ。日本の役割は、米中対立のお先棒を担ぐのではなく、(対立悪化を防ぐ)つっかい棒になることだ。中国と真剣に話し合い日中関係を再構築、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)など経済連携協定についても、米国に戻って きてもらうのと同時にやがては中国、韓国をも取り込んでいく。その仲介機能を日本が果たしていくべきだ」

(つづく)


解説
今回の裏金政局、一つ注目すべきは、派閥解消の動きである。岸田文雄首相の宏池会解散宣言が、ティッピングポイントとなり、連鎖反応的に各派が解散、自民党の衆参国会議員376人のうち約75%が無派閥議員となった。これまで派閥のガバナンス(統治能力)に依拠して、政策、政局運営していた自民党が、その足場を失った。政権与党の統治体制は、前代未聞、未踏の領域に入った、ともいえる。(中略)
問題はこのカオスの中で何を築き上げるか。ピンチはチャンスとも言う。権力構図の再編は政策、政治路線の再編にも通じる。単に政治とカネ問題の処方箋を講じるのではなく日本の今後のあり方、生き様という大テーマで、しかるべく構想、ビジョンを出し合い、骨太な議論もしてほしい。真の意味で日本政治を刷新する好機になるかもしれない。

なるほど「ピンチはチャンス」という考えもできるのですね。
日本が、この内外の危機を乗り越えるために、自民党が根本的に再生することを願っています。
「湛山議連」にも注目していきたいと思います。


獅子風蓮



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