★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

「❗️」とか「‼️」の太ったかたち

2024-05-30 14:18:20 | 文学


するとどこかで、ふしぎな声が、銀河ステーション、銀河ステーションと云う声がしたと思うといきなり眼の前が、ぱっと明るくなって、まるで億万の蛍烏賊の火を一ぺんに化石させて、そら中に沈めたという工合、またダイアモンド会社で、ねだんがやすくならないために、わざと穫れないふりをして、かくして置いた金剛石を、誰かがいきなりひっくりかえして、ばら撒いたという風に、眼の前がさあっと明るくなって、ジョバンニは、思わず何べんも眼を擦ってしまいました。

――「銀河鉄道の夜」


台湾の歴史勉強してみると面白い気がしてきた。われわれはほんとに隣人をしらないのである。キリストはべつに敵や他者を愛せという意味でそういうことを言ったのではなく、ただ我々が陥りがちな事実を言ったに過ぎないのかも知れないのである。

わたくしがもっている赤軍派の雑誌『赤軍』をながめていたら、びっくりまーくが「❗️」とか「‼️」の太ったかたちに近いものがあるし、メンバーのメモ書きがのこってるをのみるとほんとに丸文字だった。いまならほんと閉じて広がる別の空間で活躍できたのにとおもわれるが、むろん当時から閉じてはいたのだ。帝国主義も植民地主義もそう認識することで矮小化される。