1,読みが確定できない熟字訓 1点
如何許(いかばか)り
「如何許り」は見出し語にありません。 【許り】は表外訓で見出し語もあり、6-3Y 13-1Yで出題されています。
【如何】は、いかが、いか、いかん、どう、の読みがあり、確定できないので、見出し語から解けない問題とします。ただ、見出し語【如何様(いかよう、いかさま)】、【如何様師(いかさまし)】、【如何物食(いかものぐ)い】のように、如何○と、○のところに漢字がくるばあいは、全て「いか」と読んでいますので、「如何許り」も「いかばかり」と類推できます。
2, 常用書き取り 2点
(十)絶大の景色に対する時に詩句全く尽くるは即ち「我」の全部既に ぼつりょう(没了)し去られ、恍惚としてわが此にあるか、彼にあるかを知らずなり行くなり。 (透谷「松島に於いて芭蕉翁を読む」)
没了は、まったくなくなるという意味(「日国」)です。この了は、おわるというより、「文末に用い、過去または完了の語気を示す助字」(「新字源」)でしょう。
3, 準1級書き取り 2点
(九)ていわ(蹄窪)の内、蛟竜を生ぜず。
4,1級読み 1点
(一)窓櫺(そうれい)
櫺の音読み見出し語は、「辞典」にはありません。窓櫺は、小熟語で載っています。また、訓読みで櫺窓(れんじまど)12-3Y=征40頁が出題されていました。訓読みが出題されていると、見出し語がなくても、音読みも出題される可能性がある例です。
5,1級書き取り 4点
(八)顚蹶≒さち(蹉躓)20-1Y
読み問題から書き取り問題への転化です。ただ、蹉躓は、見出し語になく、見出し語にない熟語の読み問題が、書き取りに転化する例は少ないと思います。読み問題を、書き取り問題として解く方法は、1級学習の定番ですが、私は、見出し語だけでいいと思っていました。高得点のためには、見出し語の有無に拘わらず、全ての音熟語読み問題を書けるようにしておくということで、これはかなり大変です。
尚、蹉も躓も、「辞典」の音訓索引「つまずく」にあり、蹉躓は、同訓で構成された熟語です。見出し語にはなくても、同訓で構成された熟語は、訓を憶えるためにも有益ですから、憶えていった方がいいのでしょう。
(十)無差別となり、虚無となり、模糊として そうせき(踪跡)すべからざる者となるあり。澹乎(たんこ)たり、りょうかく(寥(廖)廓)たり。
寥と廖は1級、廓は準1級です。
寥(廖)廓は、「辞典」の見出し語にはありません。「新字源」には載っており、「からりとして広い」という意味です。この熟語と意味を知っておれば、文脈から解けそうですが、「辞典」の見出し語に加えて、「新字源」の熟語(約6万)を学習することはとてもできません。
寥の親字欄には、寥廓が小熟語で載っており、意味として、「ひろい。奥深く広い。」とあります。また、準1級の廓の親字欄にも、「大きい。ひろびろとしたさま」とあります。寥の訓読みは、さび(しい)、廓は、くるわですが、訓にはない意味まで憶えておけば、寥廓が想起できたかもわかりません。
また、見出し語には、 【廓寥】15-1Yがあり、意味は、「広大でがらんとして、もの寂しいさま。」とあり、廓寥≒寥廓です。ひっくり返し熟語ですから、廓寥→寥廓と想起する方法もありそうです。
尚、廖は見出し語のない△の漢字ですからここでは無視します。
6,纏め 読み2点 書き取り8点
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます