鑿壁偸光 漢字検定一級抔

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「三点セット」では解答できない書き取り問題(4) 屈撓

2008年01月04日 | 19-2(第44回)

(十)少しも くっとう(屈撓)する所なく・・
(出典 宇加地新八 「建言書」より 「衆憲資第27 号 明治憲法と日本国憲法に関する基礎的資料」(PDF)23頁参照)

1, これも「辞典」の下付にある

書き取りで間違ったところ」の記事書いたとおり、撓の下付きに屈撓があります。結局、19-2の「三点セット」以外の書き取りの熟語は、「辞典」のどこかにあります。18-1~18-3は、書き取りについては、「三点セット」から全て出題されていましたが、19-1以降は、「三点セット」+「辞典」のどこかに載っている熟語で満点が取れるということになります。とはいえ、「辞典」に載っている熟語を、見出し語に限らず、全て書けるようにするなんてことは不可能ですよね。

2, 文意から、訓または字義→音を考える

 私は、屈(かが)む+倒れる=屈倒と考えて間違いました。これを、文意から、

屈(かが)む+撓(たわ)む=屈撓

と考えれば正解に達します。音訓相補です。あるいは、撓には、挫く、屈服するという字義がありますので、ここから屈撓が想起できるのかもわかりません。

3, ひっくり返し熟語も学習する

 撓の親字欄に 【撓屈】(とうくつ)という見出し語があり、撓と屈をひっくり返した熟語屈撓が、下付にあります。ひっくり返し熟語は、見出し語相互間にも結構あります。

【咳嗽】19-2K=【嗽咳】 
【歔欷】19-2K=【欷歔】12-1K 15-3Y 17-2K
【艨艟】19-1K=【艟艨】

など。見出し語のひっくり返し熟語は、セットで憶えておくと、語彙増加になりますので、以前から注意していました。これを、見出し語だけに限らずに、「辞典」に載っているひっくり返し熟語全般に注意すればいいのでしょう。ただ、これも大変です。

4, 四字熟語から類推する

 不撓不屈5-1K 8-2K 10-1K 15-2K=不屈不撓という頻出四字熟語があります。この四字熟語から不を取れば、撓屈=屈撓です。問題文は、「少しもくっとう(屈撓)する所なく」ですから、不屈不撓と同義です。問題文から、「くつ」及び「とう」を使う四字熟語として、不屈不撓を想起できれば、正解に達するような気がしますが、これも一寸難しそうですね。



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