(20.8.30修正)
三点セット広義で195点、狭義で193点とれるのですし、三点セットをするだけでも大変です。従って、合格のためには、残り5問(何れも読み)は捨ててもいいでしょう。
ただ、このブログは、1級連続合格、高得点合格の方もご覧戴いていますので、僭越ながら、どうやると満点がとれるかを押さえておこうと思います。5問は、次のとおりです。
a鈔す
b勍敵
c鐫録
d困阨
e不腆
なお赤字は、私が間違ったもの。a~dは、見出し語のある漢字ですが、eは見出し語のない漢字(△)です。
a.万葉集の名歌を鈔(うつ)す(読み問題)
鈔の見出し語は、【鈔本】と【楮鈔】二つで、いずれも音読みです。従って、音は学習するが、訓は憶えなくてもいいとしてきました。しかし、満点を取るには、音熟語見出し語だけの漢字については、見出し語にはない「辞典」の訓も学習する必要があるということです。18-1でも瑩(あき)らかが出題されました。また、鈔本=抄本で、意味は写した本ですから、鈔の意味をなんとなく憶えていれば解答できます。私もこの方法で正解しました。
鈔すの読みは、 「征服」(63頁)のオリジナル問題に載っていました。
b、.勍敵(けいてき)(熟語音読み・訓読み問題)
勍の見出し語は【勍い】(つよい)一つですから、音は憶えなくてもいいとしてきました。満点を取るには、意味欄に、勍敵、勍勍という熟語があるため、これも学習する必要があるということです。また、意味欄に、勍の類義語として勁とあります。勁は音訓共に見出し語があり、学習すべき漢字です。同じ音の漢字の中には、同訓同義の漢字があるという原則から、勍(ケイ)=勁(ケイ)=つよいと憶えておけば正解に達するのでしょう。
c.鐫録(せんろく)(熟語音読み・訓読問題)
鐫の見出し語は、【鐫(ほ)る】一つですから、上記bと同じく、音読みは憶えなくてもいいとしてきたのですが、満点をとるためには、音読みも憶えなくてはなりません。音はセンとあり、意味欄に、鐫刻、鐫黜(せんちゅつ)が載っています。鐫録は載っていませんが、音読みを憶えれば正解に達するでしょう。また、訓読みの【鐫る】は、10-1に出題されています。SIMO様がご指摘されるように、少なくとも過去問に出た漢字は、音訓とも学習することが必要ということでしょう。
なお、私は、雋をシュンと読むのは憶えていた(10-1に短雋が読みで出ている)ため、自信を持って、シュンロクと答えて間違いました。
bcについては、いずれも見出し語一つですから、見出し語一つだけ憶えればいいとしてきました。しかし、満点を取るためには、「辞典」に載っている他の音訓や、意味欄、下付語も学習する必要があるということです。見出し語一つの1級漢字は、調査中ですが、今の所、700語以上あります。3点のために、700語以上について、更なる学習が必要になります。
d、貧窶困阨(こんやく)の甚だしきに驚く(読み問題)
阨の意味欄に、阨困があり、ヤクコンと振り仮名もついています。これも学習して、ひっくり返せばいいだけです。
ただ、あおむし様も指摘されていますが、これは実は、厄介な問題です。私は、見出し語のない音は憶えないということを提唱しました。阨の音読みで、見出し語のあるのは阨狭(9-3 アイキョウ)だけですから、阨の音読みはアイだけ憶え、ヤクは憶えないことになります。そうすると正解に達しません。
満点を取るには、見出し語に限らず、「辞典」に載っている音熟語は全部憶え、音が複数ある場合は、音読みの使い分けができないといけないということです。阨についていえば、
ヤク 阨困、窮阨
アイ 阨狭、狭阨、嶮隘
と読み分けられなければならないのです。これを1級漢字全部ですることは、かなりしんどいことです。
なお、私の場合、学習不足で阨にアイという音があることは全く失念していました。音符厄はヤクとしか読みませんので、単純にコンヤクと答え正解できましたが、こういうのは自慢になりません。1級は、当初知識が少ないときにはできたものが、学習が進むにつれて却って混乱することがあるという例です。
e.不腆(ふてん)ながら微意を表したい。(読み問題)
見出し語がなく、過去問にも出ていない漢字は学習しないと書いてきましたので、これは学習しない漢字です。音はテン、訓はあつ(い)、意味欄に腆贈という熟語があります。いわゆる△の漢字ですが、満点をとるには△漢字(現在のところ180字以上)も学習しなければいけないということです。18-1にも巉巌が出題されています。1点のために180字以上の学習が必要な訳です。
ただ、典の音符字は、腆だけ(「新漢字辞典」の典部にある椣は配当外(1外))ですし、典の音読みはテンしかないから、多くの方が正解できたのではないでしょうか。
尚、1級の読みは変な読みをするのが結構問題に出ますから、まさかテンではないと考えて、他の答えを書いてしまうことがあります。でも、どうせあてずっぽで書いても中る確率は低いので、私は以前から、わからない音読みは、音符を普通に読んで回答をすることにしています。
以上を纏めると、18-2の問題は、三点セットに加えて、「辞典」の訓全部と、熟語のある音全部を憶えれば満点が取れます。
いわゆる×の漢字や異体字は今回も出題されていませんし、「辞典」には載っておらず、「必携」だけに載っている訓も出題されていません。また、「辞典」に熟語が全く載っていない音読み(たとえば、17-3で出題された覘望(てんぼう))も出題されていません。ただ、今後、問題傾向が変わるかどうかは、蝙蝠じゃなくて出題者だけが知っていることです。
なお、上記問題は、既出問題となりましたので、今後、再度出題される可能性はある訳です。過去問は見出し語と同等に扱うという観点から、見出し語の数を、adは②→③、bcは、①→②に変更し、eは△→▲に変更します。満点を取るということは、出題可能性の低いものを先取りして学習していくということでしょう。
いずれにせよ、1級で満点をとるのは、至難です。
長くなりましてすいません。ただ、何回かに分けてアップするような内容でもないので、一気にアップします。
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