NPO九州森林ネットワーク

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沖縄報告と現場について考えたこと

2003年10月26日 17時08分10秒 | <九州連絡会議(旧コメント)>
お名前: 佐藤宣子 [global-ip.usuki.gr.jp] 2003/10/26/(Sun) 15:40
 授業の合間を縫って、先週は学会で沖縄に、今週は東北宮城県に行っていたので、返事が遅れました。沖縄では、本会会員の小渡さん、金城さんと会って、盛り上がりました。大変お世話になりました。岡本太郎の話で意気投合し、今はコンクリート住宅一色である沖縄でも、従来イヌマキなど木造住宅であったこと、コンクリート住宅は結露がひどく20年くらいしか持たないこと、しかし沖縄の木で家を作ろうと思っても使える木がなく、従来住宅利用していた樹種の植樹を呼びかけていることなどを教えてもらいました。その木が使い物になるのは300年先かなあとも。やはり沖縄は時間の流れが違っていました。

 さて、吉弘さんのご意見に対してですが、研究者は現場を重視すべきだと考えているので、あなたは現場の実態を知らないからそんなことが言えるのだ、といわれれば、そうですか、すみませんでしたと答えるしかありません。

 私が吉弘製材所から学んだことは、住宅用材として適当な木材は人工林の一部であり、「顔の見える産直住宅」といった耳障りよい掛け声だけではだめで、その住宅作りの中に木材のことをきちんと知っている技能者が不可欠だということです。当然、それは市場流通(産直住宅が広がっても主流は市場流通です)を考える上でも同様です。市場流通のおかしさを是正するには、ニッチ(隙間)流通が重要であり、それは木材加工の現場と家造りの現場を、森を守るという視点で繋ぐことです。建築関係者は木材や森林について、製材業者や所有者は家造りの現場を知ることの重要性を学びました。

 森林所有のことについては、私が見てきた山村の実態という限定つきですが、団地化は必要だけれども所有を大規模化すれば解決できるという問題ではないことです。地域によって所有や担い手の構造は多様ですが、おおむね森林がきちんと管理されているのは所有規模でいうと30~200haの規模の所有者に多いです。一気に600haぐらいが適当だという結論に飛躍するのは私にとっては現場を無視することに他なりません。

 と少々議論も煮詰まってきました。沖縄の風に吹かれ、そして蔵王連山の初冠雪と紅葉を見て、頭がチャンプルー状況になっているので、ぐだぐだと書いてしましました(西村さんから、いいよなあ研究者は気楽で……という声が聞こえてきそうです。東北の秋の味覚、野生きのこ(むき茸、くり茸、なめこ、アカモミ茸等々)を始め、おいしいものも食べましたが、ちゃんと仕事もしました。)

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