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NPO九州森林ネットワーク

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規制の副作用

2005年07月23日 13時26分33秒 | <山の現状・林業家>
もっと林業の根幹に流れるモノを考えていただきたいと思います。 あらゆる規制は現状を停止させる即効性は有りますが、長期に亘っての創造性は削がれる危険性もあることを戦後の農業政策が証明しています。

確かに、ヤマアラシと言われる人達の作業の結果がこの様な事態を招きました。 しかし彼らは事業をやっている訳ですから経済性を追求します、どんなに批判しても彼らは別な次元で山を考えている訳ですから言語が相容れない話です。 台風被害後の一部放棄林を救ったのは彼らですし、高性能林業機械のお題目に乗らされたのも彼らの一部です。もし出来れば、即効性のある事は彼らに別の仕事を作る場を与えることかもしれません。機械の有償借り上げもいいでしょうが.....。

問題の本質は木を切らなければお金が循環しない山の仕組みを税制も含めて考え直すタイミングと努力を怠ってきたからだと思います。  規制と保護に囲まれた農業は現在では外部からの刺激が必要とされる産業になりました。  
戦後、規制や保護に薄く早くから自由化の嵐の中で成長してきた民間林業や木材業の成長を削いだ要因に3セク事業が多いことをご存知でしょうか? 宮崎の3セク工場の殆どが単体決算では膨大な赤字を出し続けています。 これは福岡でも共通、一部を除きほぼ全国レベルでしょう.....。 生産性を追及する施設を作れば原価の低下も求めることになることをどうして考えなかったのか不思議です。  木材の流通の簡素化を旗印に公費を使い結果として過剰流通を招き木の値段を下げ山の価値を下げた政策にあるわけです。

いろんな問題が潜みますが、ヤマアラシが生まれた背景には山主の林業放棄や間違った産業政策があります。 公金を投ずるべきは林業放棄林を囲い込み団地化して長期の政策を反映する林地に改造していく地道なお金の使い方が必要ではないでしょうか? そこには健全な森林政策理念の基に行なわれる新しい産業が生まれる可能性があると信じます。

これだけ下がった山の価値を受け止める為にどれだけの資金が必要でしょうか? 砂防工事の代金でどれだけの山が救えるか??3セク工場に注ぎ込む税金でどれだけの山が生き永らえるか....ぜひ計算してみてください驚くほどの面積になると思います。

ちなみに、日田地区はここ1週間くらいで原木最低価格時より30%ほど上昇しています。市場はまだ需給の健全な相場を形成しています。
(吉弘/福岡)


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