oregonian way of life. 

オレゴンでの学生生活から南下して社会人生活へ。IT産業でホットなサンフランシスコ・ベイエリアで地味~に文系の仕事してます

過渡期真っ只中の自然&オーガニック用品

2007-02-17 | 消費文化
“We’re fashion first. The fact that they’re organic is a value added product” 「まず、ファッションありき。オーガニック・コットンは付加価値です」

“We don’t like the term health food. We just want to serve delicious food that’s also healthy” 「健康食という言葉は好きではありません。おいしくて、それがヘルシーでもあるという料理を提供したいのです」

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最初の言葉は、オーガニック衣料の製造&販売会社、Under the Canopyの創業者の発言。オーガニックは食品だけではなく、最近では衣料分野でも”IN”(流行)のようです。オーガニック・コットンを支持したいけれど、オーガニック運動家が着てそうなgrungy な(汚くてよれよれしている)ヒッピー&ヨガ系の服は”ヘンテコ”で嫌。そんな、「ファッション業界とメディアが共謀して設定している(?)おしゃれの基準を取れ入れている人」向けをターゲットにした、オーガニック・コットン使用の”おしゃれな”衣料が増えているようです。時代は"Go Organic!"(「オーガニックしよう!」という日本語訳でいいのかな?)

で、二つ目の発言は、この町にあるCafé Yumn!の創業者&オーナーから。このカフェ、以前「ユニークな海苔巻き」で紹介しました。このカフェは現在この町に二ヵ所あるけれど、今後はオレゴン内、西海岸、それから全国へとチェーン展開していくそうです。

この二つの発言に共通しているのが、オーガニックや健康食というオールタナティブな面よりも、ファッションやおいしさという一般受けするコンセプトを前面に打ち出していること。オールタナティブな運動の産物であるオーガニックや健康食がこうしてどんどん主流社会へと出て行くのでしょうね。オーガニックや自然食品がサブカルチャー的な存在だった時代は終わり、現在は過渡期のように感じます。大手企業がオーガニック&自然食品マーケットをco-optしているだけではなく、小さなオーガニックや自然食品会社自らがファッションやおいしさなどを前面に出して主流マーケットに進出してもいます。1980年頃テキサスで開業し、今ではアメリカ中の上中流階級御用達&オーガニック産業の象徴、Whole Foods Market(写真はコロラド州デンバー店)がいい例ですね。近い将来、オーガニックや自然食品があたりまえになる日が来るのかも。

この傾向を、みなさんは歓迎しますか?オーガニックや自然食品が主流社会に入っていくと、それらがどんどん”おしゃれ”になっていく?自然&オーガニック用品を愛好していても、それらにヒッピー&運動家の匂いがするのを嫌う方が多いようですね。しかし、以前も言ったように、少なくともアメリカでは、現在オーガニックや自然食品が社会に広がる基盤を作ったのは、"ヘンテコ”なヒッピーやオーガニックの運動家たち。そんな、資本主義文化を基盤とする体制社会に対抗して発生した自然食やオーガニック運動に加わった人たちが、体制社会で育った”普通の人”には”おしゃれ”に見えないのは当然です。"普通の人"たちが自然&オーガニック用品をco-optするのは悪い事ではないけれど、自然食やオーガニックのパイオニアには敬意を表したいですね。

ちなみに、女性としてハーバード大初の学長に先日任命された方も以下のように発言していましたね。

“I’m not the woman president of Harvard. I’m the president of Harvard.”(わたしはハーバードの女性学長ではありません。わたしはハーバードの学長です)

今後、ハーバード大の学長に女性がどんどん就任するようになって、「ハーバードの女性学長」にニュースバリューがなくなったころには、その辺のレストランに入ったら当然のように自然&オーガニック食レストランだった、というときが来るのでしょうか?

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