忘己利他

書道をやっています。大切な仲間に恵まれ、ふれあい、共に楽しむために・・・

現日春季書展 わたしの好きな作品 その3

2013-02-28 22:02:17 | 書展
今日は春の訪れを感じる暖かな一日。
日も長くなり、やっと寒さから逃れられたというホッとした気分です
しかし、まだ寒い日もあるので、風邪をひかないようにご用心。

今回の第53回現日春季書展で
たくさんの素敵な作品が並び
全てをご紹介するわけにいきませんが、

今日は大学の後輩で、夏のグループ展を一緒にやっている
Fさんの作品です。


「大円鏡智」
大きな丸い鏡が万物の形を映すように、すべてを正確に照らす智慧の意。

高校で書道を教えているので、
何でも来いの彼女ですが、
隷書・木簡・金文を得意としています。

頭がよく、かなりの美人です。
師から「こんな可愛い人が、こんな図太い、男勝りの線を書くとは…」と
いつも言われています。

師が言われるとおり、彼女は見かけによらず、芯の強さがあります。
ベテラン教員として、家庭と仕事の両立を長いあいだ続けられ、
私はとても尊敬しています。

そして、最も信頼できる人です。
どんなことも、真摯に受け止め、
的確に対処し、周りの状況を見極めることが出来ます。

「書は人なり」
彼女の気持ちの強さが、迫力のある線に表れています。

書は、あるがままをあるがままに明らかに写してくれる、
鏡のようなものですね。

明日から3月。
まだ卒業証書書きが終わっていません。。。







現日春季書展 私の好きな作品 その2

2013-02-27 01:57:58 | 書展
私の好きな作品は、やはりこの人の作
木原光威氏


「おれはひとりの修羅なのだ」
宮澤賢治詩 春と修羅より

私は最近、淡墨作品に憧れている。
木原氏の滲みの手法は、企業秘密だそうだ。

彼の作品との出会いは、随分昔。
衝撃的だった、
銀座の田中貴金属ギャラリーに出品された、
黒い布地の軸装「ありがとう」

見た瞬間、電流が走るとは、これなのかと思った。
長い時間、その作品の前で佇んでいた。

その時の彼は、まだ若く、
「すてきな作品ですね」と声をかけても、
にこりともせず、無愛想だった。

今では、互いに冗談を言い合い、
お酒を酌み交わす仲間になれている。

今回の作品は、
彼の人生の激しい戦いへの意気込みが表れているように思う。

「読めない詩文」と彼の作品を評する人もいるが、
隣に釈文を置けば、読むことは可能。

可読性ぎりぎりで勝負し、
自然体で気負わず、ゆったりと。
それでいて、強く激しい情熱を持った
彼の人間性が作品に投影されている。

宮澤賢治だって
それを「心像スケッチ」と称し、
読解困難な文章を書いている。

木原氏の作品も、
彼の人生のデッサンなのだろう。

私は木原光威のファンクラブの会員
勝手にそう豪語している。(そんなクラブは存在しないのだが、いつかできるかも…)
これから、どんな作品を見せてくれるのか
楽しみだ。

彼のブログ「雪割草」
大変な人気。
やはり、すてきな作品がたくさん見られるからだろう。

いつか、「ありがとう」の軸が出てきてくれないかと
心待ちにしている


現日春季書展 私の好きな作品 その1

2013-02-26 17:18:44 | 書展
現在開催中の 第53回 現日春季書展
3月4日まで、六本木 国立新美術館で開催されています。

現日会は創設者 南 不乗先生の教えにより、
「一人一党」という精神が掲げられています。

それは、師匠や会派の書風・手本のコピーではなく、
一人一人個性をもった独自性のある作品を書く事を目指しています。
ですから、書展会場はとてもバラエティーに富んでいます。

そんな中で、私の好きな作品をご紹介します。
大の仲良しの星夏さんの作品




「大海や寒月一つ捨ててあり」 上田聴秋句

淡墨のにじみがステキです。
文字の大小と気品のあるフォルムで、ゆとりのある作品に仕上がっていると思います。

星夏さんとは、年末にグループ展「書TEN」でご一緒しています。
背が高くて、スマートで、ハイセンス。
お酒が強く、歌が上手(?)
てきぱきと仕事をこなされ、女性として気遣いが素晴らしく、
私はいつも彼女を見習わなければと思っています。

現日会の大事なパソコン技術者で
現日会HPは、彼女が中心になって作って下さっています。
HPでは、現日春季書展の写真が掲載されています。

また、ブログ「雪月花  星夏の書へようこそ」
ステキです。是非ご覧ください。


萬人皆我師也

2013-02-25 20:39:53 | 教室

「萬人皆我師也」

私の書道教室に本日2名の入会がありました。

教室の会員さんからのご紹介です。
仲間が増えることは嬉しいことですね
本日は見学のみでしたが、次回のお稽古より筆を持たれるそうです。

麗川会を発足して、34年経ちます。

会員さんは、ステキな方ばかりで、書道は私がご指導していますが、
私より年上の方がほとんどなので、逆にいろいろなことを教わっています。

人と人とのふれあいの大切さ、助け合いの必要性、
明るく力強く生きること・笑顔の効用・
いたわり・なぐさめ・思いやり…

そして今晩のおかずのレシピや
健康法など・・・

会員の皆様には、感謝しても尽くせないほどです。

今回も、寒さにもかかわらず、
六本木の国立新美術館へ足を運んでいただき、
有難うございました。

そんな会員さん一人の山本先生。
本職は国語の教師。
私が高校生の頃、友人とともに彼の家へ古典を教えてもらいにいったことがあります。
今では、逆に私が書を指導させていただいていますが、
いろいろなことがすごい方です。

先日も「手書きの手紙」で彼の手紙をご紹介しましたが、

宮澤賢治・室生犀星の研究者、
教科書や問題集も編集されたり、
エッセイ集を出版されたり、
書は勿論、絵が上手で、写真が上手で
落語の研究、寄席文字も書いちゃったり、
タダ者ではないのです。

彼の作品です。


宮澤賢治「青森挽歌」

宇宙から地球を眺めて、人々があがいている様子を表したような
宮澤賢治の世界観を表現しているように私は思います。

私のプログの写真が、素人腕で色調がおかしいのを気にして直してくださったり、
先日、見本ができた書TENのフォトブックの写真を、
全て加工し直してくださいました。

タダ者ではない方の、ホームページ yoz home pageです。
中のyoz art spaceにはブログがあり、
「一日一書」で書作品が紹介されています。

本日私の作品も紹介してくださいました。

また、specialでは、これまでの発表作品と未発表作品の写真があります。
特に未発表作品の「灌頂記」は、
長い期間をかけて、こつこつと練習を重ねた成果です。
是非ご覧ください。

そのうち、、
「書」と「絵」と「写真」がコラボする個展を開いてくださるのでは
と、期待しています。
それって凄いことですね



麗川会の3月前半のお稽古は

上大岡 2日(土) 10日(日)
杉田  9日(土) 16日(土)
阪東橋 7日(木) 





時の彷徨 レポート

2013-02-24 18:05:23 | 書展

会場風景

先日、みなとみらいギャラリーAの「時の彷徨」という
展覧会のご案内をしましたが、

その作品のご紹介です。

同僚の美術と書道の先生の二人展です。

美術の佐藤千博先生の作品

 


「水の記憶」という題名で、
当初は水が溜まっていたのですが、
それが乾き、水が溜まっていた様子を
年輪のような模様として
記憶に留めているという作品です。

書道の鈴木先生の作品です。

 





書こうとする言葉や文字が決まれば、作品は90%出来上がったようなもの。
残り10パーセント少し書けば、作品は出来上がるという彼の力量は、
私とはまるで違う制作パターンで、尊敬しちゃいます。

若い才能は、羨ましいですね。

この展覧会は、雪割草のプログでも紹介されています。

時の彷徨は、明日(25日)の午後4時までです。
是非お出かけください。

ギャラリーBとCの卒業生の展覧会も宜しくお願いします。