忘己利他

書道をやっています。大切な仲間に恵まれ、ふれあい、共に楽しむために・・・

感謝の言葉はいえなくて

2016-09-30 11:08:55 | 言葉

「一人ひとり 違っていい」



あまりにもはるか昔なので、
主人は忘れているだろう。
去年も一昨年も忘れていた。
恥ずかしくて
忘れたふりをしていたのかもしれない。
今日は結婚記念日。

お互いに年をとりました。
あと、何回この日を迎えられるのだろうと考えたら、
共に過ごす時間が愛おしく思えてくる。

いつも
私の我儘に付き合ってくれて、
ありがとう。


照れくさい感謝の言葉は
面と向かって言えなくて、
今日は、ちょっとだけ、
豪華な夕食を、
サービスしましょうか




山外有山

2016-09-24 18:10:16 | 日記

「山外有山」

山の上まで登るとまたその上に山がある。上には上があるの意。


本日、奎星会の稲村雲洞先生がご逝去、
とても残念です。

米寿の個展に伺ったのは、4年前だったでしょうか?
余白が生きた独特の線の大字、
細かく書かれた多くの般若心経、
作品の数々が思い出されます。

毎日、般若心経を書いていらしゃると伺い、
書道界の頂点に立っていらしたご高齢の先生が、
常に修行をし、ご努力を重ねておられたのに
驚かされました。



少し人より書が上手くかけたからと言って、
そこで満足して立ち止まっては、
それ以上の進歩はなく、
置いてきぼりになってしまいます。

周りの人と比べるよりも、
今日の自分が、昨日の自分より進歩することが大切。

昨日の自分に打ち勝つべく、
生きている限り、前を見続けたいものです。



心よりご冥福をお祈りいたします。

合掌




GO~

2016-09-16 22:15:45 | 書展
テレビドラマの影響で、最近どこかへ行くのも
何かをするのも、自分で「GO~」と号令をかけています。

今日は久しぶりに東京を歩き回りました。

知人が出品されている書展が、
赤坂見附 ホテルニューオークラの宴会場で行われていました。

出品者の皆様は、
お着物にドレス・・・
とても華やかです。

ホテルオークラは、広すぎて迷子になりました。
従業員の方に経路を聞きつつ、
目的地へ辿り着いたものの、
帰り道がわからない

やっとの思いで、
赤坂見附を後にして、
銀座へGO~

銀座画廊の7階での
「無心会書展」は、
臨書を拠り所に
研鑽された作品群

8階での「現代書展」は
非文字性の墨象を主体とし、
ハイセンスなアート達。
その一部をご紹介します。

現代書展の創設者である
故 武士桑風先生が
モダンな背広に身を包み、
颯爽としたお姿を
懐かしく思い起こしました。


武士桑風先生の作品



本山鈴翠氏「器」

すみません。撮影する私の姿が写り込んでしまって・・・


関 紫芳氏「対(つい)」



関 紫芳氏「あなたへ」



横田龍堂氏「ひとそれぞれ」


銀座画廊を後にして、
セントラルミュージアム銀座へGO~

「竹田悦堂遺作展」

とにかく凄かった。
広いギャラリー全体に、竹田先生の遺作が
整然と並べられ、
どの作品も見ごたえあり。

撮影はNGの雰囲気だったので、
カメラは取り出さず、
とにかく見入ってしまいました。

格調・気品・
優しさ・穏やかさ
言葉では言い尽くせないほどの
感動・充実感で私は一杯でした。


こんなに凄い作品の数々を遺された、
竹田先生の偉業に頭が下がり、

門弟の方々が、こうした場で
それを発表されるご尽力も、
先生のご人徳によるものと、
さらに敬服いたします。

パンフレットとお土産にいただいたクリアファイルの写真のみ
ご紹介します。







この遺作展は、18日(日)まで

現代書展 竹田悦堂遺作展
ともに掲載のご許可をいただいていませんが、
NGでしたら、お知らせください。






桂本万葉集

2016-09-11 13:47:00 | 書展

8月 第56回現日書展 出品作品 「臨 桂本万葉集」



桂本万葉集は、現存する最も古い万葉集の写本です。
伝承筆者は紀貫之ですが、
実際は高野切第二種に似ている筆跡から
源兼行と言われています。
書写は11世紀半ばから後半。
後の世に、加賀藩の前田家から桂宮家に贈られたたことから
「桂本万葉集」という名がつけられたそうです。



万葉集の写本は、平安期に数々書かれたようですが、
五大万葉集として、
桂本万葉集・藍紙本・金沢本・元暦校本・天治本が
残っています。
その中で、清楚な品格をもち、
それでいて粘り強く弾力のある線質をもつ、
桂本万葉集が私は最も好きです。



そもそも万葉集というのは、
「万葉仮名」という漢字の意味とは関係なく、
漢字の音訓だけを借用して
日本語を表記する文字で書かれたものです。

万葉集の歌を益荒男ぶり(ますらおぶり)とよく言いますが、
男性的でおおらかな歌風をいうそうです。
それに比例して、文字も男性のみが使用したとされる
「万葉仮名」別名「男手」(おのこで)で書かれていました。

それが後の平安期になって
万葉仮名と女手(現代のかなと変体仮名を混ぜる書体)を
並記することにより、
当時の人々は読みやすくする努力をされたのでしょう。
でも現代の私たちには、それでも読むのは難解ですが・・・




久しぶりに仮名の原寸臨書をしました。
「桂本万葉集」の字粒の原寸は、かなり小さなものです。
最近、老眼が進み、細かい文字が見えにくくなっているのです。
今のうちに書かないとそのうち書けなくなると、
トライしてみたものの、やはり見えない・・・
苦肉の策で老眼鏡に取り付け式の虫眼鏡をつけたのですが、
焦点を合わすのに時間がかかりました。

全部で8メートルを超える臨書作品となり、
書き終えた達成感は凄かった・・・
と言いたいところですが、
もっと何度か書くべきでした。

時間的な制約にあきらめざるをえず、
まだまだ途上、甘いところが一杯の作品です。