今、自衛隊の在り方を問う!

急ピッチで進行する南西シフト態勢、巡航ミサイルなどの導入、際限なく拡大する軍事費、そして、隊内で吹き荒れるパワハラ……

東京新聞の種子島での日米共同訓練報道について

2018年10月04日 | 主張



 写真は昨年の種子島での自衛隊統合演習での水陸機動団の訓練(南部の前之浜臨海公園からホバークラフトで上陸)

 取材不足・無知を晒す東京新聞の種子島報道

 他のメディアに先駆けて、せっかく種子島まで行き報道したのに、相変わらず東京新聞の報道内容は薄っぺらい。というか、たくさんの誤りさえ犯している報道内容だ。
 2頁にわたり報道特集を組んでいるのに、まず、第1にこの種子島での日米海兵隊の共同訓練が、種子島ー馬毛島の基地化=要塞化としてまったく捉えられていないのだ。
 今回の報道でも、自衛隊による馬毛島要塞化については一行も取り上げていないが、昨年1月の東京新聞報道でもそうであった。確かに、馬毛島での米軍によるFCLP(Field-Carrier Landing Practice:空母艦載機着陸訓練)については報じていたが、本当の狙いである自衛隊の馬毛島要塞化(南西シフトの機動展開・事前集積・上陸訓練拠点+米軍FCLP)は、このときも一行さえ報じていないのだ。東京新聞は、自衛隊タブーに陥っているのか?

「薩南諸島」の機動展開拠点化を知らないのか?

 第2に、東京新聞がここで報じていない問題は、種子島ー馬毛島ー奄美大島などの「薩南諸島」が、自衛隊の南西シフト態勢下で、重大な「機動展開・事前集積拠点」として位置付けられていることをまったく認識できていない、報じていないことだ。
 すでにこのブログでも書いてきたように、自衛隊の南西シフト態勢下では、馬毛島だけではなく、お隣の奄美大島(基地建設が急ピッチで進む)などの、薩南諸島全域が、その態勢下に組み込まれ、今回の日米海兵隊の共同演習だけでなく、西部方面隊の「鎮西演習」、全自衛隊の統合演習の演習拠点として位置付けられ、実施されている。昨年の、種子島での統合演習、奄美大島での鎮西演習に見るように、島内の至る処でー市民公園・港・広場などーの市街地で、堂々とかつ公然と自衛隊の「生地訓練」(市街地訓練)が行われ、武装した自衛隊員らが展開し、武装部隊が占拠していたのだ! つまり、確かに種子島の市街地での日米共同訓練は、初めての事態であるが、全国でほとんど前例のない、市街地での自衛隊の訓練・演習は、すでに数年前から公然と行われているのだ。こういう重要なことを厳しく批判しない報道などはメディアたりえない。

奄美大島の新基地建設について、一言も触れたことがない東京新聞!

 そして、重大なのは、今回の報道でもしかりだが、東京新聞があの奄美大島で進行する自衛隊の基地建設について、一度も報道しないことだ。徹底した忖度なのか、自衛隊タブーに犯されているのか。両者だろうが、ここまで進行する奄美大島の基地建設ー要塞化について報道しないというのは、率直に言って東京新聞はメディアとして失格だ。もっとも、これは東京新聞だけではないが、これほどの「事実」さえ報じないというのは、完全にメディアとしての在り方・機能を失っているといわねばならない。

自衛隊の南西シフト態勢に「尖閣」は関係がない

 こういう報道しか出来ないから、今回の報道でも、あい変わらずウヨクが喜びそうな、「種子島での日米共同訓練は尖閣上陸」などという、とんちんかんな結論記事をしか書けないという始末だ。
 種子島での日米海兵隊の演習が、陸上自衛隊の水陸機動団の作戦任務が、「尖閣奪回」などという、とんちんかんな議論は、ネットウヨが煽動する主張でしかない。自衛隊制服組の全ての作戦研究でも、そんなとんちんかんな主張はしていない。ここには、自衛隊・米軍が策定し進めている、琉球列島弧海峡封鎖論=「島嶼防衛戦」論ー日米の対中抑止戦略(日米のA2/AD戦略)の認識が根本的に欠けているのだ。つまり、自衛隊の総力を上げた南西シフト態勢に関する根本的認識ができていないということだ。
 自衛隊タブーに犯されているその認識が、目を曇らせているのか、それとも報道規制なのか。いずれにしても、私達市民は、こういうメディアの報道の在り方に厳しい批判をもたねばならない。




東京新聞の報道を検証する!
* 東京新聞の自衛隊批判タブー、この2頁にもわたる馬毛島特集(2017/1/8付)に、自衛隊の「機動展開・事前集積・上陸演習拠点」などの問題は、一言も出てこない。東京新聞さん、答えて下さい。この防衛省が公開している事実をなぜ報道しないのか? 防衛省サイト「国を守る」には、2012年作成の9頁に亘る「自衛隊の馬毛島利用計画」が公表されている。
http://www.mod.go.jp/j/approach/zaibeigun/saihen/pdf/kuniwo_mamoru.pdf











 


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