古書肆雨柳堂

小説の感想。芥川龍之介、泉鏡花、中島敦、江戸川乱歩、京極夏彦、石田衣良、ブラッドベリ、アシモフ、ディック

I LOVE モーツァルト

2006-12-02 21:19:15 | その他

石田衣良によるモーツァルト案内である。『池袋ウエストゲートパーク』の主人公、マコトはBボーイファッションであるがクラシックを好んでよく聴いているが、クラシックはもっと気軽に楽しめるものですよ、という作者のメッセージが本書でよく分かる。

 クラシックのとっつきづらさは何なのであろう。偉大な作曲家たちの曲も当時では流行の曲だっただろうし、異端視されていたものもあるはずだ。学校でならうからよくないんはないんかな、なんか権威づけされていて。
 それと様々なコード(用語、取り決め)がわからないからではないだろうか。例えば『ティベルティメント へ長調 K138』まず「ティベルティメントってわかんねぇよ」とそこでストップしてしまう。ちみなみに「娯楽・気晴らし」を意味するイタリア語で、バラエティ番組のような娯楽用音楽らしい。

このように分かれば、タイトルを聴いて「これは俺に合いそうだな」と気軽に楽しめるのではないだろうか。このような解説もあり、よい入門書であると思う。



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