古書肆雨柳堂

小説の感想。芥川龍之介、泉鏡花、中島敦、江戸川乱歩、京極夏彦、石田衣良、ブラッドベリ、アシモフ、ディック

『春になったら苺をつみに』

2006-04-10 21:16:06 | 梨木香歩

 イギリスに留学していた経験を持つ著者のエッセイ集。様々な人種との交流が描かれています。いるのはイギリス人ばかりではなく、同じようにイギリスに留学に来ている様々な人々。中には王族の方も。留学できるくらいですから、身分のある人が多いのは分かりますが、実際の例を聞くとやはり驚きます。

 異文化交流のモットーは『理解はできないが受け入れる』。偽善のない梨木さんらしい真摯な姿勢が感じられます。『村田エフェンディ滞土録』での異文化との関わりに
対する考えは、実体験からのものだったのですね。納得。