古書肆雨柳堂

小説の感想。芥川龍之介、泉鏡花、中島敦、江戸川乱歩、京極夏彦、石田衣良、ブラッドベリ、アシモフ、ディック

すーちゃんとおかあさん

2005-09-25 00:44:46 | 絵本

来歴
 『すーちゃんとおとうさん』と同じく結婚式にプレゼントされた絵本、母親宛のものです。

内容
 すーちゃんが5歳の時、あたらしい弟がうまれました。やすなおです。すーちゃんは嬉しくてやっチャンの面倒を一生懸命みます。
 
 ある日すーちゃんはお母さんとお買い物に行きました。すーちゃんはやっちゃんをおんぶしてお手伝いします。
 手を滑らしてやっちゃんを落としてしまいました。やっちゃんはわんわん泣いています。すーちゃんはどうしていいか、困ってしまいます。

 近くにいたおばさんがこんなことを言います。「子供を子供に見させるなんて親は何を考えているのかしら」

 おかあさんが気づいてやってきました。
「あらあらどうしたの?」
「おかあさんごめんなさい」
すーちゃんは涙をぽろぽろ流して言います。

「すみれ、やすなおを見ていてくれてありがとう」
おかあさんはやさしくすーちゃんの頭を撫でてくれました。

感想
 すみれちゃんには二人の弟がいて、子供のころから仲のいい兄弟で、またよく面倒を見ていました。このエピソードは、何の苦もなく楽しそうに世話をしているように思っていましたが、このように辛いこともあったのだなぁと、身近にいた私たちも気づかなかった彼女を想いを教えてくれています。
 と同時に、その過ちを責めなかった母親のやさしさもよく描かれています。もしこれで怒鳴ったりしていたら、すみれちゃんは弟たちの世話をいやいやすることになっていたでしょう・・・。


すーちゃんとおとうさん

2005-09-19 21:34:43 | 絵本

来歴
 この作品は市販されているものではありません。私の従姉妹が結婚式で、両親にプレゼントした手作りの絵本です。昔からよく知っている従姉妹とそのおうとさんのことがよく描かれていて、読んでいて微笑ましくなりました。
 性格・人物描写は箇条書きにされているのではなく、エピソードを通して描かれていますので、作品としてもメリハリがあり、楽しく読めます。

内容
 すーちゃんはおとうさんが大好き、今日もおとうさんと散歩にでかけます。お父さんは背が高いので、肩車はとても眺めがいいです。

 お花畑でたくさんのお花をおとうさんにプレゼントします。
「すみれ、もう持てないよ。お礼にあとでいいものを見せてあげるよ。」

 夜になって、おとうさんの大きな望遠鏡でたくさんの星を見せてくれました。

 ある日、家に帰ると大きなブーツが玄関にありました。すーちゃんが履いてみると重くてたおれてしまいます。
 「こんなブーツだれが履くんだろう?」

 それはおとうさんのブーツでした。
「すみれ、バイクに乗せてあげようか」
おとうさんのバイクはとても速くてジェットコースターのようです。

 ある日幼稚園から帰ると、おとうさんが寝ています。最近おとうさんは寝てばかりいて一緒に遊んでくれません。バイクにも乗っていません。

 「おとうさん、病気になったの」おかあさんが言いました。
ある日家に帰ると、あの大きなバイクがなくなり、代わりに小さなスクーターがありました。
「お医者さんがバイクだめだって」
苦しい入院生活が始まりました。

 でも、だんだんお父さんの体調が良くなってきました。
ある日帰ると、大きなバイクがおいてありました。
「もっと元気になったら、またバイクに乗せてあげるね。」
ライオンのようなお父さんが言いました。

読後余話
 おじさんはこれをとても嬉しそうに読んでいました。涙ぐんで・・・
 バイクに乗るシーンでは、バイクのカラーリング、つなぎの模様を見て、
「これよく着てたな、このバイク乗ってたね。よく見てるもんだね。」
とおばさんたちと嬉しそうに話していました。
 
 病気になったというのは、糖尿病にかかったことです。おじさんは体が大きく、著者もそのようなおとうさんを頼もしく思っていたことでしょう。しかし糖尿病以降、痩せて元気がなくなってしまいました。その後体力は回復しましたが、子供ながらに不安に思っていたことがよく察せらます。

 おじさんは趣味が多く、バイク、天体観測、プラモデル等々。この作品ではバイクと天体観測の趣味がよく描かれています。