鉄の身体を持つ男

『経験がものを言う』

昨晩はそういう思いに。


とある年配のお客様が、


“自分の身体は鉄で出来ていると信じていた”と、


どういう意味かというと、

３０代、４０代の頃はどんなに無理をしても

頑丈な身体と心を持っていた。

身体中からパワーがみなぎっていた。


それがどうだ、

７０歳過ぎてから“自分の身体が自分じゃないようだ”と、

いう思いが、巡ってくるのだそうだ。


今でも自分と向き合いながら、

毎日を過ごしていると言っていた。


そんな老紳士、

趣味で描いた水墨画を見せ、

ちょっと照れくさそうにしていた姿が、

なんともいえない素敵な雰囲気で、

周りを和ませる。


現在、煮こにこで盛り上がっている相撲にも詳しく、

若い世代にも屈託なく交じることができ、

まったく嫌味のない紳士さに『カッコイイな』と思う。




『俺が経験してきたことを伝えなきゃな』


そう言って、

これまで経験したことや様々な“ツテ”などを、

面白おかしく喋ってくれた。



いつもよりお酒がすすんだのか、

帰りはちょっと千鳥足。


『お客さん同士で会話が出来るお店って良いな～』

と言ってくれた老紳士に帰り際、

僕は感謝の言葉をかけた。


『いや、こちらこそありがとうね』


恐縮だが、

そう言ってもらえる僕達は幸せだと思う。


商売って、

儲けることが大事なのかもしれないが、

そればかり見ていると大事なものが失われていく。


そこのバランスが難しい。



一人ひとりの人生や出来事を、

語り合いながら少しだけ心を開放する。

それが明日への力となる。


お酒って心を開放するスパイスなのだろうか・・・

※開放のし過ぎには十分注意してくださいｗｗｗ