長期滞米研究者ネットワーク

管理人たちの日記

3年ぶりの投稿

2015年03月26日 | SE の日記
久々に自分のブログを見ました。最後の投稿がほぼ3年前・・・。時間の流れの速さに愕然としました。もう誰も見ていないと思いますが、その頃に投稿したことの経過を書いてみます。

まず、仕事の話から。数理モデル関係ですが、ワーキンググループのミーティングが2年にわたって4回ありサブ・グループごとに研究成果をまとめて10報の論文をSpecial Issueとして発表することになりました。自分はそのうち3つに名前が載っています。もう一つあったのですが、残念ながらそのジャーナルには通らず他にあたることにしました。その他にも2報論文がすでに出ていて、共同研究も広がりワーキンググループにオーガナイザーの一人として参加したことは正解でした。最後の投稿に登場したポスドクG君はImperial Collegeに職を得ました。T君の方は件の論文が2年前に発表され、そろそろ修了かと思います。

特許とかライセンス契約の話もしましたが、これは先月商品化されました。今年こそ今年こそと願いつつ、足掛け10年です。商品としての安定性の確保とか、行政機関からの認可とかに時間がかかりました。マーケットが小さいですから、大した実入りにはなりませんが。それから別件(診断デバイス)でもライセンス契約に至ったのがあるので、今後はその会社と共同研究を進めます。こっちは10年もかからないと良いんですけど。

数理モデルと診断デバイスについては、近々ビル&メリンダ・ゲーツ財団の代表者7-8人の前でプレゼンをする機会を得たので目下その準備中です。大学のVice Chancellor for Researchに呼び出されて、「これは大学にとってonce in lifetime opportunityだから、しっかりやってくれよ」と釘をさされて胃が痛くなりましたが、頑張ります。

テニュア取得したのもこの頃ですね。これについては昨年教授への昇進を申請しました。今のところDeanによる審査まで行って、これまでの段階(学部、学科&Dean)までは程度に差がありますが(^_^;)ポジティブな結果をもらっています。5月に学長による審査があって7月に結果が出ます。ダメでもクビになるわけじゃないですが、もうこれに時間を費やしたくないというのが本音です。

補習校はまだ続けてます。無謀なことに数学に加えて国語も教え始めて土曜日は家族3人で1日中補習校に通っています(KEも講師)。国語もやってみると楽しかったですが、来年度からはまた数学だけになるので少し気が楽です。ただ、教科書が新しくなったところは指導案や板書案を作り直さなくてはなりません。日曜の午前中はそれでつぶれそうです。

剣道もまだ続けていて、大学の剣道部は少しずつ人数が増え15人ほどメンバーがいます。年に2-3回遠征に行って試合に出たり昇級(段)審査を受けています。去年は南東部の大会で始めて優勝しました。メンバーも毎回メダルをとり、審査も順調に受かって今では初段が7人になりました。そのうち4人はこの春卒業してしまうので、また新しいメンバーを育てないといけません。大学のクラブの宿命ですね。今年の秋には5段を受けようと思っています。前回の全米大会は代表に選考されましたが、チーム練習などの時間がとれそうになかったので辞退しました。次(2017年)には出てみたいと思っていますが、若手が育ってきているので選んでもらえるかわかりません。

こんなところでしょうか。またいつか見返したときに良い進展があるよう引き続き頑張ります!

冬の時代

2012年05月10日 | SE の日記
今週火曜日はポスドク(Gとします。どこかで聞いたような、でももちろん全くの別人です。)と免疫応答の数理解析について2時間ほど話し合いました。これまでもふた月に1度くらいの頻度で数度ミーティングをしましたが、彼のメンターになることが先週決まってこれからは隔週でミーティングすることになります。彼の所属する組織から年間半月分の給料がサポートされるようです。ミーティング以外にも結構時間をとられるので資金的には割に合わない気もしますが、いつもは使っていない脳の部分が刺激されて楽しいのでいいことにします。彼のプロジェクトは来月会合が開かれるワーキンググループの活動に直結しています。その会合には免疫学や微生物学、数学、疫学の専門家が各国から集まり、2年間に3-4回の会合がもたれる予定です。私も何故だかオーガナイザーの一人なので会合前はいろいろと忙しくなりそうです(免疫の勉強もし直しておかないといけないし・・・暗記パンほしい)。

話がそれました。ポスドクGの数理モデルはRで書かれているのですが、数年前の冬の時代にプログラミングを勉強していたお陰でなんとか理解し討論ができます。そのときは無駄なことをしているんじゃないかと不安でしたが、役に立つ場面が出来てよかったです。冬の時代の混迷っぷりはこちら >> 記事1記事2記事3 (5年前だ・・・何でも”数年前”に思えるおやじっぷり)。

疫学の方も院生(Tとします)がRを使ってくれているので助かってます。ただTのはバグが入るしスパゲッティだし読むのが大変です。バグ取りをしてあげても「あっ、そう?」みたいな反応でいつの間にかもとに戻ってたりするし・・・。それだけならまだしも、ロジックや式が間違っているところをやんわり指摘してもしっかり考えもせず反論してきたりこちらの勘違いだと言い張ったりします。自信過剰っぷりが私の院生時代を髣髴とさせて、なかなか可愛いやつです。剣道部に入部させてかかり稽古を20分ほどやらせてあげたいです。



日本語補習校

2012年04月26日 | SE の日記
昨年夏から補習校で高校数学を教え始めました。土曜日の午前に2時間2つの学年に複式で教えています。授業自体は楽しいのですが、指導案の準備などが大変です。娘が補習校で小学1年生になり午後も授業があって、その合間に次週の準備をほぼ終わらせることが出来るようになったので良かったです。準備や通勤を入れると結構な拘束時間になるので本業への影響が皆無ではないですが、日本人コミュニティに少しでも貢献したいので(できてるかな・・・)しばらくは続けようと思います。

週に一度多くの日本人の方々と会えるのは嬉しいです。特に先生方とは補習校のことでいろいろ話す機会ができて良い気分転換になります。ほとんどの先生は大学の学生さんか永住組の奥様方(含KE)です。おっさんは私一人で、ちょっと浮いています。生徒は「あ~、おっさん先生に当たっちゃたよ」と思っているかもしれません。小さな町なので生徒数が100名ほどです。100人を下回ると校長先生が派遣されないようで、今の校長先生の任期が切れるときが心配です。


近況

2012年04月18日 | SE の日記
お久しぶりです。またまた更新をさぼっていましたが、お陰様で元気にしていました。久しぶりにブログを見返したらなんか長期滞米剣道日記みたいになっていたので、仕事の近況でも書こうかと思いたちました。

ここのところ小型診断デバイスの開発と博士課程の学生のお世話に時間を費やしていました。診断デバイスの方は地元の新聞やテレビで紹介され、あちこちのウェブにも掲載されて共同研究の依頼やらライセンス契約のお誘いを受けました。応用範囲が広いのでどこからどのように手をつけていくか迷っています。学生は無事ディフェンスをパスして、論文の仕上げをしています。ポスドクポジションも決まっていて、晴れやかな表情で日々の書き物や実験をしています。数年ポスドクをすれば母国(インド)でよいポジションが保証されているようです。

この夏は感染症(免疫)の数理モデルに関するミーティングをオーガナイズするのと、疫学の数理モデルに関して学部生のサマープログラムをお世話します。2年ほど前にちょっと手を出してみようと始めたものが広がってきました。

診断デバイス開発は工学部との共同研究、数理学は数学科の人との共同研究で、農務省や海外の研究グループとの仕事もあるので共同研究だらけです。

研究費は相変わらず小さなグラントで自転車操業です。引き続き地道に頑張ります。

追記:診断デバイス開発に $100M 投資しようという会社が出てきました。怖すぎます・・・。


昇段審査

2011年10月25日 | SE の日記
四段の審査、無事合格しました。

Video




全米剣道選手権

2011年08月15日 | SE の日記
今週末、アトランタのエモリー大学で行われた全米剣道選手権に参加してきました。金曜日が個人戦、翌日が団体戦でした。600名の参加者があったそうで、思っていた以上に盛大な大会でした。

個人戦と団体戦に出て、結果は3勝1敗1引き分けでした。残念ながらメダルには手が届きませんでしたが、団体戦はあと少しで3位になれるところまで行きました(2勝2敗1分け、1本差で敗退)。団体戦は副将や中堅で戦いました。最後の団体戦では、個人戦で全米3位になった人に勝つことが出来ました。ラッキーな一本だった気もしますが、運も実力のうちということで素直に喜ぶことにしました。

今まで一生懸命準備してきたし周りの人のサポートも受けてきたので、メダルがとれなかったことは心底悔しかったです。でも、全米のレベルを肌で感じることが出来とてもよい経験になりました。それから、最後の試合のあと何人もの仲間や先生に笑顔で迎えられ喜んでもらえて嬉しかったです。剣道人生の中で一番の思い出になりました。今まで支えてくれた先生方や友人そして家族に感謝です。家族で過ごす時間を練習や遠征に割いてきたのでこれから埋め合わせをしていかなければと思います。

写真は個人戦一回戦で決まった面です。選手選考会や強化練習ではほとんど決まったことのない飛び込み面ですが、体が状況に反応して勝手に動きました。その他に決まった一本も含め、昨年からトレーニングに付き合ってくれ多くのアドバイスをくれた友人のお陰です。彼には本当に多くの時間と労力を割いてもらいました。感謝の言葉が見つかりませんが、10月の昇段審査に向けてお手伝いをして少しでも恩返しが出来ればと思います。

テニュア他

2011年07月12日 | SE の日記
おひさしぶりです・・・。

昨年八月に申請したテニュアですが、今月初めに無事取得することが出来ました。テニュア取得は通過点の一つでこれからまだまだ大変だとは思いますが、ひとまずほっとしました。

夏休み期間中だし少し休みをとりたいところでしたが、直後にワークショップの主催や学会参加があってそうもいきませんでした。ワークショップは予想以上に盛り上がって、今後も活動が続きそうなので良かったです。ワークショップが終了した翌日から学会に向かい、今日関連のある発表がすべて終わりました。明日帰路に着きます。明日の空き時間は翌日に審査のある博士論文に目を通しておかなければなりません。今週は学会終了まで先延ばししていたミーティングがいくつかあるし、溜まった仕事もあるので少しバタバタしそうです。

来週は数日休みをとって家族との時間を過ごしたいと思います。


選手選考会

2011年02月28日 | SE の日記
以前の日記に書きましたが、今年の全米剣道大会に出る選手の選考会がありました。先月と今週末2度に渉って選考会が行われました。

一度目の選考会では2戦2勝で無事通過しました。片道4時間のドライブをしたのに実質2分程度で決まってしまい、拍子抜けしました。

二度目は一昨日、うちの大学の体育館で行いました。成人男子の部は1次選考会で15人が残っていました。組み合わせを変えながらリーグ戦を3回やって、その総合成績で選手を決めるとのアナウンスが初めにありました。4分間の3本勝負で延長なしで、一人7-8試合しました。午前中の3時間で全てのリーグ戦が終わりました。

私は計七試合を行い、六勝一分でした。反省点はありますが、数字だけ見れば思ったよりもかなり良い結果でした。昼食に入る前に選考結果が発表され、私を含め8人が全米大会に行くことになりました。団体戦と個人戦の振り分けは後日連絡があるようです(*)。強化練習が夏前に2度あるようなので、そのときの調子で決める可能性もあります。

午後は選考された選手で紅白戦を3度行いました。選考会に向けてやってきたトレーニングのお陰でスタミナがつきましたが、1日に10試合と先生方との稽古を終えたら全身筋肉痛になりました。翌日も強化練習があって参りました。

ともあれ、選考会で結果を出せてこの4ヶ月トレーナーをしてくれた友人に少しだけ恩返しができて本当に良かったです。5ヵ月後の全米大会に向けてまた稽古とトレーニングを始めます。

(*)個人戦、団体戦とも出られることになりました。

記録をつけること

2011年02月09日 | SE の日記
一ヶ月ほど前からGoogle Calendarを使って一日の仕事の内容を時間ごとに記録をつけ始めました。調子のよしあしとその考えられる原因もメモしています。ちょっと余計な手間がかかりますが、効率よく仕事ができているか確認でき、悪いところがあれば修正するきっかけにもなるのでもう少し続けてみようと思います。

高校受験の年の夏休みに同じような記録をつけながら勉強したら自分自身の励みになって良かった記憶があります。それから、今の剣道のトレーニングもトレーナーをしてくれている友人の勧めで記録をつけています。練習をする張り合いもでるし、見直したときに「これだけやったんだから勝たなきゃ」と気を引き締めることができます。また、最近のテレビで「毎日体重を記録するだけでやせられる」と紹介されていました(これも実践中)。

何かしようと思った時日々の記録をつけるのは、自分を鼓舞したり振り返って反省する上で有効なようです。

雑然

2011年01月25日 | SE の日記
去年取れたグラントのアカウントができてお金が使えるようになりました。どのグラントも短期間で使い切らなければならず延長も出来ません。それ以前にもらったグラントが2つ今年中に切れることもあってお金(アカウント7つ)の管理が異様にめんどくさいです。研究内容と共同研究先も違うので頭の整理も大変です。研究費が底をつきそうなときに比べればいい状態ではありますが、1~2年のうちに長期グラントをとってそのテーマに注力したいです。

私の研究分野で申請できるのは農務省グラントなのですが、昨年は応募できる研究テーマが異常に狭く申請書を送ることすら出来ませんでした。狭すぎる研究テーマに各方面からかなりクレームがついたようで、今年は一昨年と同程度かそれ以上にテーマが広がりました。柔軟性が高いと言うか、行き会ったりばったりというか・・・。まー、私にとっては良いニュースでした。春までに一つは申請しようと思っています。

それにつけても、テニュア申請のプレッシャーがあったとはいえサバイバルに気を取られすぎて研究の方向性を見誤ってしまった気がします。今のプロジェクトが意味がないとか面白くないとかそういうわけではないんですが、心の芯にあるやりたいこととは違っています。だからなんか煮え切らない感じです。これ以上仕事がゴチャゴチャする前に、この1年どう過ごすべきかよく考えてみます(って、もう1月も終わりに近いですが・・・)