まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

ダービー物語(平和)の連チャンシステムについて

2013-08-29 18:44:18 | 現金機デジパチ

1993年(平成5年)に平和から登場した現金機デジパチ「ダービー物語」

★賞球…7&15
★大当り確率…1/235(大当り判定カウンターの範囲は「0~234」、大当り乱数値は「2」)
★16ラウンド機(平均出玉…2300個)
★保留玉での連チャンアリ

文字通り「競馬」をモチーフにした本機は、その強力な「保留玉連チャン」により、各地で大きな人気を博した。故・田山幸憲プロが、溝の口・B店(※「P.Sビッグトップ」)で一時期追いかけた事でも知られる。私自身も、当時の地元だった私鉄O線・Y駅の「パチンコL」などでお世話になった。

※当時の「パチプロ日記」によれば、B店のダービー物語は「3,7は無制限、その他は1回交換」(新装前)、「7は無制限、LNの1,3,5で当ると2,4で当るまで連続遊戯可」(新装後)というルールであった。

 

本機の連チャンシステムを作動させるには、アタッカーVゾーン上の釘を極端に曲げ、Vゾーンに「連続入賞」し易い調整にする必要があった。この「裏システム」が当局の怒りを買う事となり、93年10月に埼玉県警がメーカーの強制捜査に踏み切ると共に、県内のホール数か所にも捜査のメスを入れた。いわゆる「ダービー物語事件」である。ただ、その裏には、連チャン現金機をやり玉に挙げる事で、「CR機導入」を積極的に進めようとする、当局の「思惑」があったといわれる。

 

さて、本機の連チャンについては、先ほども書いた通り、「大当り中、Vゾーンに連続入賞させる事」が条件だった。具体的には、アタッカー開放後、Vゾーンに5個以上の連続入賞があると、保留エリアの3個目と4個目が上書きされる。つまり、間隔があいてのV入賞ではNGとなる。

上書きパターンは複数あるが(16通り)、連チャンとなるのは(1)保留玉3個目でのダブル、(2)保留4個目でのダブル、(3)保留3,4個目のトリプル、の3つだ。さらに、大当り毎に書換えのチャンスがある為、運が良ければ5連、6連、さらにそれ以上の大連チャンが期待できた。

 

では、本機を内部的に見た時に、いったいどういった「仕掛け」で、あの香ばしい連チャンを誘発していたのだろうか。

実は、本機には、アタッカーのVゾーンに入った玉を逐一カウントする、「V入賞カウンター」なるものが付いていた。

V入賞カウンターには、三つの大きな特徴があった。(1)入賞をカウントできるのは、最大5個まで、(2)2秒おきに、カウンター値は自動的にマイナス1される(但し、最小値は「0」)、(3)カウンターが最大値の「5」になると、保留エリアの3,4個目が強制的に上書きされる。

つまり、大当り中に保留エリアを書き換えるには、V入賞カウンターを最大の「5」に到達させる必要があった訳だ。その為には、アタッカー開放後、最初のV入賞から「2秒以内(未満)」に次のV入賞が常に必要となる。玉の打ち出しは「0.6秒」間隔だが、たてつづけにVへ入賞しなければ、カウンター値が上がっていかないのだ。

この時、打ち手も視覚的に一連の流れを把握する事が出来た。それは、液晶画面上にある、黄緑色の6つの丸い「飾りランプ」である。Vへ入賞する度に、このランプが下から順次点灯していく。一方、V入賞の間隔があくと、ランプは消えていく。そして、連続で5個入った時点で、ランプが激しく点滅するのだ。この派手な点滅こそ、「上書き成功」のサインであった。

ただし、保留エリアの「上書き」とはいっても、必ず大当り乱数が書き込まれる訳ではない。本機には、V入賞カウンターとは別に、「上書きカウンター」なるものも存在した。

上書きカウンターは「0~15」の16通りで、保留3&4個目をワンセットで16通りに上書きする。この時、カウンター値が「2」だった場合、保留4個目に大当り乱数値が入る。一方、カウンター値が「10」だった場合、保3に大当り値が入る。また、カウンター値が「11」だった時、保3、保4共に大当り値が入る。カウンターがその他の値を取った場合、連チャンは起こらない。

つまり、上書き時は、1/16で保3でのダブル、1/16で保4でのダブル、同じく1/16で保3&保4のトリプルが発生した訳だ。トータルでの連チャン選択率は、3/16(18.75%)となる。

さらに、上書き処理は大当りの度に行われるので、3/16の抽選にうまく当たり続ければ、10連以上の大連チャンも夢ではなかった。私自身の経験では、先述した「パチンコL」での「保留8連チャン」が最高である。あの時に味わった驚きと喜びは、今でも鮮烈に記憶に残っている。

なお、上書きのタイミングは、V入賞カウンターが「5」に到達する毎に、逐一行われる。その為、1ラウンド目に大当り乱数が上書きされても、次のラウンドでハズレ乱数がさらに上書きされてしまうケースも、当然に起こりうる。連チャンするか否かは、大当り中、最後に上書きされた乱数値によって決まる訳だ。

但し、上書きされるのは「保3、保4」のみである。既に保1エリアに移動した大当り乱数が、大当り中に上書きされて消える事はない。すなわち、いったんトリプルが「確定」すれば、上書きでフイになる事はありえない。

 

※本機の後継機「プリンセス物語」も、基本的に連チャンシステムは共通。但し、V入賞カウンターの最大値は「4」と少ない(V4連続入賞で上書き)。一方、上書きカウンターの範囲が「18通り」もあり、本機よりも2コマ多い。連チャンパターンは1/18で保3ダブル、1/18で保4ダブル、1/18で保3&保4のトリプルとなっている。 


平和「プリンセス物語」(1993年登場)

 


 

★おまけ

日テレ・土曜深夜番組「DAISUKI」のパチンコ対決で、ダービー物語が登場した回(’93.6.26)

 

(C)日本テレビ

ゲストは榊原郁恵、渡辺正行。ロケ地は横浜・綱島の「PIA綱島」。勝負台は、1回戦…フィーバーフェスティバルI、2回戦…エキサイトジャック2、3回戦…ダービー物語と、当時の人気連チャン機を選択。

 

(C)日本テレビ

中山秀征の台に「9」のリーチが掛かる。この後、見事「999」が揃い、さらに大当り直後(保3)に「大穴・大穴・大穴」のダブルが来て、中山大興奮。ただ、下皿の玉を抜き忘れて玉が出なくなり、中山、大いに焦る。

その他、「ダービー物語」対決では、渡辺正行が「444」の単発1回、レギュラーの飯島直子が渡辺の台をハイエナして「999」での単発1回。女性ゲストの榊原は、3回戦を通じて一度も大当りが来ずガッカリ。もう一人のレギュラー松本明子も、大当りゼロに終わる。なお、2回戦と3回戦の合間に、地元の中華料理店「ハナウエ」で冷やし中華を食べる。