先日、無事に長春へ帰り着きました。
今回は平日だったので、CA(中国国際航空)の北京経由で帰りました。空港税、ガソリン代含めて片道61,440円。毎度のことながら、高い。往復で買った方が片道より安いというのも驚きでした。
長春は朝晩まだ若干肌寒いものの、晴れた日の昼間はジャケットがいらないくらい暖かくなります。雲南も含めて約2ヶ月空けたことになるから、寮の自室にはだいぶホコリが溜まっていました。
学内のネット使用料が切れていて接続できなかったのですが、ちょうど清明節(24節季の一つ。墓参りしたり凧揚げしたりする)で連休だったため、支払いができずにいました。
今年から制度が変わって、10月の国慶節の連休が短くなる分、こういう細かい連休が増えるのだそうです。日々研究の大学院生にはあまり関係ありませんがね。
文化広場は毎日凧が揚がってるけど、そう言えば昨日はたしかにいつもより多く揚がっていたような気がします。凧を売ってるおばちゃん達は繁盛して喜んでいた。
家族をはじめ、帰国中にお世話になった皆様、ありがとうございました。
後半は実家でグータラ過ごしたこともあり、小学校のとき夏休みが終わってしまう頃に感じたような、物悲しい気持ちを久しぶりに味わいました。
帰国中はこの日記すら書かないほどのグータラぶりだったので、今になって詳細に記述しようかな~とも(チラッと)思ったのですが、やっぱり面倒くさいので穴だらけのダイジェストでご勘弁ください。
3月19日
かかりつけの歯医者へ。僕は歯垢が歯石化する速さが人の倍以上らしく、帰国のたびに削ってもらいます。こまめに歯磨きはしているのですが、どうしても磨き残しがあるようで今回もだいぶガリガリやられました。
医者が「ちょっとチクチクしますよ~」と言うだけあってかなり痛いです。でも取らないと歯槽膿漏になるらしいので、「30分ほどの辛抱だ」と別の楽しいことを考えながら我慢することにしています。
僕はいつも一度で済ませてしまうのですが、同じ病院へ行った父によると、普通は上下別に、数回に分けてやるのだそうです。
3月20~24日
福井のシンポジウムにお邪魔して、中国からの来賓の通訳などお手伝いをさせてもらう。せっかくだから何かプレゼンすればよかったな~とずっと後悔しています。
ドン先生からは雲南にいた時に「お前も例の頭骨のことを話せ」と言われていたのですが、何だか怖じ気づいて「パワポを準備する余裕がないから」と遠慮してしまいました。
ネタになる材料はいくつかもらってるんだから、話せば人前に出る場慣れのためのいい機会だったろうし、記念品もらえたし、講演料を学費の助けにできたし。
今なお残る悔しさが、「次こそは」と今になってパワーポイントを作る原動力になっていたりもします。研究内容で金が稼げるようになりたいものです。
あと、去年の夏休みの発掘バイトで知り合った顔ぶれに再会できたのは嬉しかったですよ。正直名前はほとんど思い出せませんでしたが。
3月25~26日
早稲田の謝恩会の二次会にお邪魔して、徹夜カラオケ(途中少し寝た。徹夜に耐えられないことに年齢を感じた)のあと、恒例(なのか?)築地で寿司を食う。
築地の寿司なんて初めて食べたけど、僕は違いのわからない男なので何でも美味しいです。路上で配ってた500円引き券をもらっておいたのは大きかった。
それからどういうわけか同期のS家氏のお宅(最近引越したらしい超高級マンション)へお邪魔することになりました。
エントランスがホテル並みに豪華な造りのくせに、エレベーターの内装がまだ済んでなくて保護材みたいのが貼られたままだったのは可笑しかった。
ベランダからはベイブリッヂが見える広いリビングにフカフカの絨毯がしかれ、ハイビジョン対応のワイド液晶の大型テレビで「ちりとてちん」を見ました。
ご好意に甘えてシャワーまで浴びさせてもらい、サッパリした所で池袋へ向かう。
北口を出てすぐの所に中国人御用達の航空券安売り屋があることを前日に聞いていたので、どの程度のものか行ってみました。
雲南省にいた時は、成田から長春へ戻る航空券までは手配する余裕がなかったのです。
その店が入ってるはずのビルはすぐ見付かったけど、入り口がわからなかったので、1Fにある果物屋のおじさんに聞いたら親切に教えてくれました。
思っていたよりは小奇麗な事務所で、受付のお姉さんはみんな中国人。日本語でもいいのかな~と思いつつもせっかくだから中国語で聞いてみる。
ニコリともしないやり取りが中国人らしくて懐かしい。教えられた値段は日本の格安航空券サイトよりかなり高かったので、「もう少し考えてみます」と言って店を出ました。
それから新宿の伊勢丹で高校の部活の同期(以下M)と待ち合わせて、去年結婚した別の同期(以下A)の新居へご挨拶に向かう。
本当は僕の帰国(予定)に合わせて結婚お披露目パーティーが3月8日に開かれたんだけど、僕の帰国が延びたため出席できなかったという失礼をやらかしているのです。
伊勢丹の場所に自信がなかったので、東口の交番で聞いたら警官の説明がえらく無愛想だった。中国人並みに不機嫌そうに、かったるそうに教えてくれたので「あ、そうっすか。どうも」と言い捨ててやった。んもう、せっかくいい気分だったのに。
Aのお宅でお嫁さんにご挨拶し(この時初対面だったのに、「ご結婚おめでとうございます」と言うのを忘れた。あちゃー。)AとともにMの運転で、去年死んだ高校の同級生の墓参りへ。
車に揺られてウトウトしてるうちに到着。花代くらいは出すよ。
墓参りの作法なんて教わらなかったな~。ちゃんと出来るようになっておかないと、恥ずかしいよねー。
なんつっても、人間、死んだらそこまでだからね~。僕はここ数ヶ月ジタバタもがきっぱなしでしたが、生きていられることだけでも十分幸せなのかもしれないと、ふと思いました。
今後自分が就職して、歳を取って、どんな風に最期を迎えるのか思いを巡らせてみたけど、うまく想像できなかったし、なんとなく考えたくなくなったので、やめておきました。
またもウトウトしてるうちに再びAのお宅へ到着。ケーキをご馳走してもらい、お嫁さんと4人でパーティーのビデオを見ました。
手作り感あふれるパーティーで、みんな幸せそうで、なんか「いいなぁ」って感じがした。結婚とか、友達ってこうあるべきだよな~と。僕の送ったお祝いの言葉も喜んで頂けたようです。
その後はMの新居へお邪魔して、手作り牛筋など日本食をいろいろご馳走になりました。なんか悪いね~、今回お土産持ってくるの忘れたのに。次回は浙江省の本場紹興酒か雲南省の手作りトウモロコシ焼酎を持って来れるように努力します。
ハードディスクに録画されたアド街など見つつ、いろいろ話せたのは楽しかったですよ。どんな話題だったかは断片的にしか思い出せませんが。
余談だけど、ハードディスクに録るとビデオテープみたいな画像の劣化がないから、いま現在放映されているものなのか否かわからなくなって変な感じ。
一晩泊めてもらい、翌日の昼頃、Mの出勤に合わせて家を出る。
3月28日
実家の近くのH田病院へ向かう。僕が受診するのではなく、長春で知り合った友人の親戚が「中国では治せない」と言われたらしく、「日本で治せる病院を探して来てくれ」とカルテとレントゲンを預かって来たのです。
会うたびにいろいろご馳走してくれるありがたい友人なので、なんとか力になって恩返ししたい所。とは言えこんな難題が出されるとは思ってもいませんでした。
帰国時に税関で携帯品リストを書かされた時、持ち込みOKなのか分からなかったので、「他人からの預かりもの」に「カルテとレントゲン」と書いてみたら、税関職員さんは笑って「どうぞ」と通してくれました。
この病院は比較的実家に近くて大きな病院で、過去に僕もかかったことのある病院だったので電話してみたら、「中国出身の医師もいますし、とりあえずご相談には乗れますので、いらしてください」と言ってもらえました。
あとで別の国立病院にも行ってみましたが、「個人情報保護のため、患者本人の委任状がないと取り扱えないんです」と門前払いでした。まあ気持ちはわかるがね。最近いろいろうるさいんでしょうな。医事科の職員とおぼしきお兄さんから、丁重なお断りを頂いてしまいました。
ちなみに国立病院では、相談するだけでも保険証が効かずに1万円くらいかかってしまうらしい。
そう考えると無料で相談に乗ってくれたH田病院は、なんと親切だったことか。カルテはほとんど中国語だったから、中国人医師がいたというのも大きかった。
問題の、治療できるか否かは、あまり良いお返事を頂けませんでした。カルテやレントゲンを見る限りでは、既に北京の病院でかなり高度な手術を施しているので、日本に来ても治るかどうかは断言できないのだそうです。
また、日本の医療保険が使えず莫大な医療費がかかるので、もし治療するにしても相当の負担を覚悟しなければならないと。あと渡航のためのビザ手続きもいろいろ面倒が予想されると。
う~む、病気って本当に大変だよねー。墓参りの時といい、健康でいられる自分がものすごい幸せ者に思えてきました。
残りの日数は、実家のコタツでYouTubeやらニコニコ動画を鑑賞しつつ、たまに頼まれた品を買いに出たりしつつ、ぐーたらグータラ過ごしました。
見てた動画は主にまんが日本昔ばなし、One Piece、トランスフォーマービーストウォーズ、あと昔フジテレビで深夜にやってた「お厚いのがお好き?」という古典的大著ざっくりおさらい番組。
マイリストに登録した昔ばなしは、「ひよりみどん」「天狗のちょうちん」「鯖くされ石」「塞の神と厄病神」「大からす」「勺島」「そうめん地蔵」「としくらべ」などです。
http://www.nicovideo.jp/mylist/4419664
そんなこんなで、実り多き帰国でしたとさ。
帰省の有様が手に取るように分かりました。
お墓参り、結婚祝い、診断のお手伝い、みんな菩薩業です。とりわけ墓参りは、仏教では、「香をたき、花を活け、水や米を上げる」という善行を「死者に変わって廻向=ふり向ける」することのようです。
病や死は、いつ訪れるか分かりません。知人の体験を見て我が身を知ると言うことは加齢に伴い多くなるものだと思います。
まだ若いのだから、ともかくご自愛下さい。
昨夜研究室から寮に戻った後、ノートパソコンを持ち帰って、2時間ほどかけて書き上げました。
もう少しいろいろあったんだけど(消防団とか9条の会とか)、何となく書くことに満足しちゃったので、今日はここまでです。
そのうち気が向いたら書くかもしれないし、忘れ去られていくかもしれないし、です。へへ