今期の滞在も、あと1週間余りとなりました。
このところほぼ毎日露頭に通って、スケッチしたり計測したりウンウンうなったり何やらブツブツつぶやいたりを繰り返しています。
色々データは集まってきたのですが、イマイチ決定打に欠ける感じといった所でしょうか。
残りの日数でどうまとめるか、必要なものを見定めつつ作業を進めて参りたい所存でおります。
先日の夕方は、運転手兼現場指揮の王さんに置いて行かれてしまい、ひとり山小屋で夜を明かしました。
いつかこんなことになるのではないかと心配していましたが、まさか現実になるとは。
夕方6時半を過ぎても迎えに来てくれないので、電話してみたら「もう帰ってる。用事があって行けないから、今夜は例の家で寝てくれ」との暖かいお言葉。
博物館の開館が近づき、仕事が増えて大変なのは見ててわかるから、無下に責められませんでした。せめて先に言ってくれてれば、心構えも出来たものを。
ここでの暮らしは、一秒先が読めない。
土方の兄ちゃんたちに混じって夕食をとり、一人で小屋に向かうと番犬たちが猛烈な勢いで吠えかかって来る。
年越しに来た時はシッポを振ってエサをねだってたのに、早くも僕のことは忘れてしまったのかな?
彼らは10mくらい離れて吠えてはいますが、僕が進むと警戒して後ずさります。
僕は子供の頃に近所の犬に手を噛まれてから、ずっと犬が怖いのですが、ここは進まないと今夜の宿にたどり着けません。
宿まで30mくらいの所でリーダー格の雌犬が近寄って来て、小さく唸りながら僕の匂いを嗅いでいます。
頼む~、思い出してくれ~と祈りつつじりじり進む。
まさか噛み付いてきたりしないよね?狂犬病とか怖いよね。
子分たちはまだ唸っていましたが、雌犬は尻尾を振って着いて来ました。
おぉ~。俺、ナウシカみたい?
怯えていただけなんだよね? 怖くない。ね?
最後の10mはかなりの早足で小屋に駆け込みました。だって怖いんだもん。
例によってしょっちゅう停電するわ布団は臭いわで不便でしたが、野宿よりは遥かにマシと自分を慰めて早めに寝ました。
お湯が出るようになっていたのは画期的だった。
あとは急な停電がなくなって、ネット回線が引ければ、ずっとここに住んでもいいんだけどな。
写真は高速道路沿いの民家。政府が奨励して壁に恐竜の絵を描いているのだそうです。
無事の帰省をお待ちしてます。
近所の犬の件の真相は、優しい君がおままごとの食餌を犬に勧めたら、犬は「そんな物食えるか!」と怒って噛みついた、というものです。
まあ誤解の産物なので、この教訓を中国でのコミュニケーション不足の人間関係に生かして下さい。
『東京新聞に』今日から「恐竜大陸タイ・中国・・」の連載が始まりました。東先生や中国の?先生の名前が出てました。「君もこういう所に名前が出るようになればいいな!」と思いました。
前後は忘れましたが、あの瞬間だけは今も目に焼き付いています。
幕張へは19日からお手伝いに行きます。
お土産は何か探してみますよ。