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昭和5年歌会始新聞記事

2017-11-22 08:48:18 | 日本文化

昭和5年歌会始(「海邊巖」1930年1月29日)
1月30日東京朝日新聞夕刊(カッコ内は青柳補)
【両陛下晴やかに/宮中の歌御會始
 詠進歌三萬四千余の中より/光榮の預選歌五首】
「宮中新年の御儀たる歌會始は二十九日午前十時から鳳凰間に御久方ぶりに天皇、皇后両陛下臨御の下にいとも荘重に行はせられた。この朝九時半、まづ入江(為守)御歌所所長、松平(乗統)主事、阪(正臣)、千葉(胤明)その他の寄人、参候等はいづれも勅奏任官の小禮服で鳳凰間に参集し一木(喜徳郎)宮相、牧野(信顕)内相の他本年の諸役たる、町尻(量弘)、外山(且正)両奉行、一條(実孝)讀師、三條(公輝)同控、冷泉(為系)講師、大原(重明)發聲、庭田(重行)、清岡(長言)、秋田(重季)、金子(有道)各講頌も同様の服装で定めの席に着き、またこの日特に許された光榮の陪聴者岡部(長景)内大臣秘書官長他八名もフロツク姿で廊下に控へる。正十時天皇陛下には、陸軍通常禮装に大勲位略章をおばせ給ひ、林(権助)式部長官前行、鈴木(貫太郎)侍從長、奈良(武夫)武官長以下をしたがへ給ひ、閑院宮(戴仁親王)、朝香宮(鳩彦王)御後に候し、また皇后陛下にはローブ・モンタントの御洋装で竹屋(志計子、香淳皇后付)女官長以下をしたがへ山階宮大妃(常子)、朝香宮妃(允子)兩殿下御後に候し奉り諸員最敬禮中に出御あらせられ天皇陛下は正面玉座に、その向つて右斜に皇后陛下御左右に各宮殿下遊ばさるるや冷泉講師は聲高らかに「年の始めの仰せごとによつて海邊巖といへることを詠める歌」と申し預選歌の下位八田知意氏の詠進歌より順次上位に聲朗かに披講しかくて皇太后(貞明皇后)、皇后両陛下の御歌を三たび、最後に御製を五たび奉唱し、正午十二時めでたい御儀は滞りなく終らせられた。
今年の詠進歌は皇族各殿下十四首、華族四十三首をはじめ内地、海外を合せて三萬四千七百六十九首に上りこのうち違式延着五千五百六十五首を除き二萬九千二百四首中から光榮の預選歌五首、次點者五首が選ばれたが、今年は點字詠進者百三十一名があつたのが眼についた」

昭和5年の歌会始について


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