金沢文庫 特別展「釈迦追慕」
運慶作と判明して国の重要文化財に指定された、愛染明王像が展示されています。さらに、空海請来とされる舎利を納入していた弥勒菩薩像が、納入物とともに公開されています。米粒より小さい舎利への強い信仰が伝わってきます。
また、宣伝していなかったので驚きましたが、興福寺西金堂の十大弟子像のうちの1体が出ていました。天平6年(734)ごろの脱活乾漆像です。
展示ケースに並んでいる称名寺の十大弟子像が、個性を際立たせて、表情豊かに造られているのと比べ、静かで落ち着いた表現です。体部はとくに、他の興福寺の十大弟子像と一具であることがよくわかります。
決して広くない展示場ですが、中身が濃く、見ごたえがある展覧会でした。