『和漢朗詠集』を手元で手軽に参照できるものとしては、一般に向けには、講談社学術文庫の川口久雄氏のものぐらいしかありませんでしたが、角川ソフィア文庫が満を持して、という感じで、三木雅博先生の校注になる『和漢朗詠集』を9月27日に発売しました。文庫というサイズの制約上、解説や注釈はあまり微細な、専門的なことにまでは触れていませんが、むろん最新の研究成果ならびに、先生の多年にわたる「朗詠集」研究の蓄積は存分に発揮されているとお見受けいたします。これを機に、『和漢朗詠集』がより一層、世間に認知されるようになることを強く願ってやみません。
表紙は源氏屏風の「青海波」。曲のなかに「詠」がありますね。