麗しの青林檎 -Marine & Silk-

AN OLD & A NEW MAC A NEW LEGEND ~だって俺、MACだもん~

Safariを斬る!

2005年02月10日 | Safari・Shiira
 MacOSX10.3 Panther に標準装備されている高速ブラウザ「Safari」。その表示速度の激速ぶりには初めて使った時本当に驚かされたものだったが、あえて苦言を呈したい。使い勝手が悪すぎる、と。

 私はこれまでWindowsマシンで「Lunascape」というブラウザを使用してきた(あ、いつの間にかバージョン上がってら)。これはIEのコンポーネントを利用したブラウザなので結局中身はIEなわけであるが、IEの脆弱製(今までずっと「キジャク性」と読んでいた:滝汗)にさえ目を瞑ることができればむしろIEでしか表示されえないサイトも見ることが出来るという利点があり、何より使い勝手の面でIE以外のタブブラウザ(FirefoxやOpera等)に一歩も二歩も抜きんでいた。私がWinからMacへ移行する際最も悲しかったことはLunascapeとのお別れだったと言っても過言ではない。使い慣れたブラウザを変えるというのは、メールソフトを乗り換えるよりはるかに労苦を伴うものだ。

 Luna を使わなくなってからというもの、いかに目立たない部分で Luna が使いやすく設計されていたかを痛感することとなった。Safari はそもそもデフォルト設定ではタブブラウジングできない。設定でタブを有効にした上で、更にいちいちコマンドキーを押しながらでないと新規リンクを新規タブで開けない。コマンドキーを押しながらクリックすれば開けるのであれば、なぜ「押さなくても開ける」設定項目を作ってくれないのだ?

 そしてブックマークの使いにくさときたら…。「不便」ではない。使いにくいのだ。大半のメールソフトが3ベイン式のインターフェイスであるように、ブラウザはやはり左にブックマークが表示されてこそ使いやすい。今まではそれでも「これは単に今までのサイドバー&階層構造方式に慣れすぎているせいに違いない。そもそもインターフェイスがまるきり違うブラウザなのだから、ブックマークの構造もSafari 用にカスタマイズしなければ使いづらいに決まっている」と自分を励まし色々工夫してみた。フリーソフトの「Safari Menu」を導入し、ブックマークを使いやすいように整理し、「快適にはほど遠いが、まぁまぁ我慢出来る」レベルにはなってきた(Safari Menu については後述の予定)。しかしやはり「ブックマークのURLを一つクリックした瞬間ブックマークの表示が画面から消える」というのは恐ろしくイライラするのである。

 「そんなん“タブを一気に開く”を使って直下のリンクを全部開けばええのんとちゃうん?」という意見もあろうが、さにあらず。例えば「巡回路」という名のフォルダに5つばかりよく行くサイトを登録しているとする。で、そのうちの3つとか4つだけを選んで開きたい、という状況だとURLを一つクリックするたびブックマークが閉じてしまうので極めて効率が悪い。一番左のタブにブックマークを出し、そこから「コマンドキーを押しながら一つずつ新規タブで開いていく」方法もあるがこれだとクリックのたびに開いたページを表示してしまうのでお気に入りのタブに戻る手間がかかる(環境設定で「新規タブ作成時に、選択された状態にする」のチェックを外せばいいって? また戻す時にいちいち環境設定開かなきゃいけないのが面倒じゃん。Lunaならタブをダブルクリックするだけでタブがロックできるってのに!)。

 先の例で、逆に「5つ全てのページを一気に開いておき、不必要なページだけを閉じればいい」という方法もある。しかしここでも Safari の使いづらさが顔を出すことになる。一つ一つのタブが閉じにくいんじゃっ!これは Safari だけの問題ではない。私はLunascape 以外に「このタブを閉じる」というボタンが恐ろしく馬鹿でかいタブブラウザを見たことが無い。たいていが小さい×マークのみ。タブをだだだっと表示させる機能を持ったタブブラウザは多いが、閉じることまで考えてくれているブラウザはほとんどない、ということだ( Safari に至ってはタブの隅に個別に×マークがあるためそりゃもう恐ろしく閉じにくい)。Luna は「ブックマークに入れたサイトから複数のサイトを選んでぽんぽんぽんと開き、かつそのうちのいくつかをささっと閉じる」という一連の動作を行う際、使用者にストレスを与えないよう非常に緻密に練り上げられた抜群のインターフェイスと動作レスポンスを備えていた。

 更に「直下のタブを一気に開く」ことがあまり便利でない理由がある。それは私のような貧弱なネット環境にある場合表示に時間がかかって仕方が無いことだ。いくら表示が早い Safari と言え限度ってもんがある(因みに補足しておくと、「Getter1」という“大容量のファイルを分割して落とすことでダウンロード速度を向上させるソフト”を使っても全く速度が上がらずむしろそのまま落とした方が早かった、というくらいのレベルなのだ、我が家のADSL環境は)。

 ブックマークに関してもう一つ。 Safari のブックマークは iTunes や Mail などと同じインターフェイスであり、下の階層を表示させる時は横向きの三角ボタンをクリックして下向きにする。その際三角がクリンっと回転するアニメーションがあったりするせいでこの動作がまた激しくのろい。ブックマークの奥にある階層を「だんだんだんっ」と開けないのだ。私はまだ SafariMenu を使っているからいいようなものの、それでもブックマークを一次整理して、奥に入れてあるくせによく行くサイトをなるべく表面の階層に移動せざるを得なかった(因みにLunaの場合お気に入りの階層表示速度が異常に早いので深い階層にも瞬時にアクセスできる上、頻繁に行くサイトは自然に階層内の上位にくるようになっていてこの点でも非常に使いやすい)。
 <追記> 三角マークではなくフォルダアイコンの方ををダブルクリックすれば多少早く開くことが判明。しかし Luna ならワンクリックでいいんだよな。

 ざっとこんなところが Safari の(使い勝手の面での)弱点と言える。Safari は確かにいいブラウザだ。しかしその便利さや使いやすさ、機能面の充実ぶりについて語られる時、その多くは(その記事をAppleが発信しているような場合は特に)表層的な面についてであって、「実際に使い倒してみて、かゆいところに手が届く素晴らしいブラウザだと実感した」というような一歩踏み込んだ感想ではなく、結局技術的な観点において語られている面が非常に多い気がする。ユーザーフレンドリーという見地からすると「あともうすこし」の段階で足りない部分が多いのである。とは言え機能の面では色々と褒めうる点も多く、なんだかんだと言いながらもやはりかなり惚れ込んでいるブラウザには違いないので、これらの不満点さえ解消されれば鬼に金棒ではある。そんなわけでこれ以降、いかにして Safari を使いやすくするかについての考察を試みて行くことにする(いや、このまま書き続けてもいいんだけどやっぱ長過ぎるっしょ、この辺で切らないと)。

<ちょこっと追記> ↑例えば、ページ内の語句をドラッグで範囲指定し右クリック(コンテクストメニューを開く)すると「コピー」の他に「Google 検索」という項目がある。右クリック一発で気になる語句を即座に検索でき、一見使いやすく感じるのだが実はこの場合「コマンドキーを押しながらクリックすることで新規タブで開く」技が使えない。検索で何か調べものがあるような時にこそタブで切り替えて表示できることが便利なのに…と、こういう部分で Safari は「あとちょっと」な面がやたら目につくのである。

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