住職日記

瀬戸内海の島にある寺の住職の日々の日記です。

点と面

2008-07-07 | 日々是好日

 朝から気温は上昇し、厚い1日でした。

 梅雨明け宣言はまだ出ていませんが、どうなんでしょうか?

 午前中、百ケ日と初盆のお参りがありお勤めをし、午後から来山の方々が続きました。

 夕方、班長さんより近所の方がお亡くなりになったとの知らせを受けました。

 故人のご生前の偲び、衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 都会では葬儀は○○祭典とは○○会館等の葬祭場で営まれることが多くなり、住宅事情或いは近隣関係が希薄になっているため自宅葬は少なくなっていますが、田舎では近所の方々によって故人を御送りするかたちが営まれています。

 明日の朝、近隣の皆さんが集まり、それぞれの役割分担の相談が行われ通夜~葬儀、そしてこれらの仏事に関する諸事が決まります。

 NHKの番組に「ご近所の力」という地域の一大事に皆さんが力を合わせて対応する事例についてのノウハウが取り上げらています。

 「機能分化」という言葉があります。これはある事案について専門職が関わることにより、それぞれのもってる専門性を発揮し事案に対応することをいいますが、一方ではあまりにも細分化されることの弊害もないとは言えません。

 社会のシステムはまさに分化していますが、単に分化することが果たして良いのかどうかには疑問が残ります。

 分化という言葉は換言すれば分散とも言えます。

 「個」と「分化」は類似性があり、家族やコミュニティにおいてもこの傾向は強くなっています。

 その一方では「おせっかい」という言葉がだんだんと聞かれなくなってきました。

 よく「おせっかいかも知れませんが・・・」という言葉の中には「心配り」とか「思いやり」という相手の方を慮る心があってはじめて出る言葉ではないのでしょうか。

 「分化」・「分散」に対極する言葉として「総合」・「統合」という言葉があります。

 これらの言葉はまさに「点」と「線」、そして「面」につながることになります。

 そして「点」と「点」が結ばれるキイワードは「おたがいさま」という点である個人と個人を結ぶ接着剤です。

 この接着剤を更にいうと「縁」ということになります。合掌

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