SEIKO’s photo gallery from ALEXANDRIA 

エジプトの第二の都市、アレクサンドリアで暮らしながら中東の写真を撮っています。

エジプトの民衆デモ~アレクサンドリアより 1

2011-02-03 05:28:58 | 写真






ムバラク大統領の辞任を求めて始まった「民衆デモ」は1月25日から始まりました。
デモが始まって4日目、28日のイスラム教の金曜礼拝の日にエジプトで大規模なデモがあると、ツイッターやフェイスブックを通じて広がっていました。
しかし、28日の未明からまずツイッターが繋がらなくなり、続いてフェイスブック、そしてインターネッがすべて繋がらなくなりました。
最後には携帯電話もダメになってしまい、エジプト政府が必死になって、このデモをおさえようとしているのが分かりました。

金曜礼拝というのは金曜日の昼の礼拝を、モスクに集まって集団で行うものです。
金曜日になると、昼前にモスクの拡声器がアザーンと呼ばれる礼拝の呼びかけをします。人々はそれぞれ近くにあるモスクに集まります。
礼拝は午後1時ごろには終了します。


28日金曜日、午後1時少し前でした。
私がアレクサンドリアの中心部に近い自宅で、なにげなく外の海岸通りを見ていると、警察のバイクが一台やってきて、片側4車線の広い海岸道路の一方を封鎖し始めました。
当然、車は大渋滞です。
何事かとベランダに出てみると、遠くから大きな掛け声とともに、たくさんの人がこちらに向かって歩いてきます。
金曜礼拝が終わり、集まった人々がそのまま「民衆デモ」に参加したのです。





現在82歳のムバラク大統領は1981年の大統領就任以来、30年にもわたって独裁をつづけてきました。
その間に汚職ははびこり、職もなく、食料品は値上がりし続け、人々は苦しんできたといいます。
今回の「民衆デモ」は30年のムバラク大統領の独裁に反対する人々の意思表示だったと思います。
広い海岸道路が、次々と集まる人で埋められていきます。

だいたい3000人ぐらいでしょうか。
あとからあとから人が加わるのでその数はどんどん増えていきます。
驚くべきことに、これはデモ団体のひとつで、モスクごとに集まった同様な人数のデモ団体がこのあと、いくつもやってきました。
人々は「フッリーヤ(自由)」「イスクト・ムバラク(打倒ムバラク)」と声を合わせています。




中東の「デモ」というと、テレビや新聞で紹介されるのは「暴徒化した過激で怖い人たち」で、日本でもそう思われているかもしれません。
私もはじめはそう思っていて「怖い」と感じながらシャッターを押し始めました。
でも私が見る限り、「民衆デモ」に参加したのはこく一般の普通のエジプト人です。
国旗を持ち、整然と歩いていく人々をカメラのファインダー越しに見ていると、普通の明るい若者であり、やさしいお父さんにしか見えませんでした。
多くは男性ですが、中には子どもや女性のグループもいました。






最後に通ったデモ団体は、通りを行く間、ずっとお互いに手をつないでいて、見ていてなぜか少し胸が熱くなりました。



※皆様にはいろいろご心配をおかけしました。
インターネットが使えない間、いつかこの目で見たことを写真として皆さんにお伝えしたいと思い、ずっとブログを作り続けていました。
あと2回分、インターネットが繋がるうちになるべく早くアップしたいと思っています。



コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« サバのサンドイッチ~トルコ | トップ | エジプトの民衆デモ~アレク... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
土井様、ご心配おかけしました。 (SEIKO)
2011-02-03 06:43:19
土井様、ご心配おかけしました。
2月2日夕刻よりインターネットが繋がりました。しかし状況はよくありません。
安全には万全の注意を払い、もう少し頑張りたいと思っています。

コメントを投稿

写真」カテゴリの最新記事