エジプトには孤児施設がたくさんあります。
私は孤児施設のことが知りたくて、カイロのマアディーにある「ダール・ファタハ」を訪ねました。
事前のアポイントも、紹介者もなくいきなり訪ねていったのですが、女性所長のモナ・サイード・ムハンマドさんは歓迎してくださり、スタッフが施設の中を案内してくれました。
この施設は創設20年目で約90人のスタッフがいるそうです。
敷地の中に3、4階建ての建物がいくつか建っています。
ここに100人ほどの孤児が生活しています。
4歳から7歳までの子供が21人、学齢期の子供が55人、18歳から26歳までの結婚前の成人が21人、それぞれ分かれて住んでいます。
スタッフも孤児たちも全員が女性です。
施設は少女が成長して結婚するまでの生活の場となり、その面倒を見ます。
就職すればここから仕事に出かけます。
孤児施設の土地や建物をはじめ、その運営もほとんど人々の寄付でまかなわれます。
イスラム教の教えでは孤児を養ったり、孤児施設に寄付したりすれば、天国に行くことができると説明されています。
もちろん子供たちが施設に来たいきさつはいろいろありますが、ここで子供たちの笑顔に出会えたのは、何よりうれしいことでした。
最初に訪ねたのは小さい子だけの家です。
元気のいい子供たちが私の手を引いて先を争うように案内してくれます。
ひとつの寝室にはベッドが4つ。
かわいいぬいぐるみが並べられています。
集合写真を撮ろうとするといつも「アナバス(私だけ撮って)」と言う子がいたのが印象に残りました。
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