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1500円のワンセグチューナーでソフトウェアラジオ(2)

2012-05-13 00:26:21 | ソフトウェアラジオ
なぜ、ワンセグチューナーが汎用のSDRのフロントエンドとして使えるのでしょうか。

今回対象となっているワンセグチューナーは、大きく分けて2つのチップ(モジュール)で構成されています。1つは、クワドラチャミキサーと発振器を用いて、入力信号をベースバンド(あるいは適当なIF)に変換する「チューナーチップ」で、もうひとつはIF信号をADCで取り込んでデジタル信号に変換し、映像の復調を行う「復調チップ」です。復調されたデータをUSB経由でPCに渡すインタフェースも復調チップに含まれているようです。

通常は復調された映像データが出力されるのですが、RTL2832Uという復調用チップには映像の復調を行わず、ADCで変換したベースバンドのI/Q信号をそのまま出力するモードがあることがわかったのです。生のI/Q信号を取り込むことが出来れば、PCの側でソフトウェアを用いて色々なモードの信号を復調することができることになります。なぜこういうモードがあるかというと、ワンセグチューナーにFM放送の受信機能を追加する際に、その復調をPC側のソフトウェアで行うためのようです。

これを最初に発見したのは、Linuxのドライバ開発者のAntti Palosaari氏だそうで、そこから色々な人がhackしてrtl-sdrやそれを活用したBalint Seeber氏のソフトウェアなどが生まれたようです。

一方チューナーチップの方も多くの種類があるようですが、今のところElonicsのE4000、FitipowerのFC0012,FC0013,FC2580が上記のソフトウェアでサポートされていて、カバー範囲もチップによって違うのですが、E4000がもっとも広い範囲を受信できるという情報があります(64-1700MHz)。ですから、これらのチューナーチップとRTL2832Uの組み合わせで構成されているワンセグチューナーであれば汎用のSDRとして利用できる可能性が高いということになりますね。今回私が試したDS-DT305はFC0012を使用しています。
下はE4000のブロック図です。


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