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QST Product Review FTDX9000D

2005-07-04 23:25:26 | ラジオ(その他)
QST8月号にFTDX-9000Dのレビューが出たようです。私も中身をざっと見てみました(ARRLメンバーであればPDFファイルを読むことができます)。

お約束のラボテストの数字を見て感じたのは、

1. MDSがプリアンプoffで-122dBm@500HzBWとあまり良くない。
2. 20kHz間隔の3rd IMDダイナミックレンジは100dB弱、IP3=+25dBm前後で1000MPと同程度。
3. 5kHz間隔の3rd IMDダイナミックレンジは95dBと非常に良い。
4. μ同調を入れたときに14MHzではダイナミックレンジの数値が若干良くなっているのに対し3.5MHzでは逆に少し悪くなっている。
5. 50MHzのダイナミックレンジがVRFを入れた時の方が少し悪くなっている。

あたりです。

感度については通常の短波帯の使用では十分だろうとは思うのですが、NF=25dBですからかなり抑え目の感じです。なおプリアンプonの場合はMDS=-134dBm(14MHz)となっています。また、μ同調を入れたときは5~10dB程度感度が下がります。

ルーフィングフィルタに3kHzを用意しただけのことはあって、5kHz間隔でのダイナミックレンジの数値は非常に良くなっています。μ同調は3.5MHzでこそ効くような気がするのですが、何故か数値が悪化しているのが不思議です。また、50MHzでVRFを入れた時の結果もよくわかりません。50MHzでこの間隔だとフィルタとしての効果はそれほどなくて、目的信号も妨害信号も同程度に減衰するだけだとは思うのですがDRの数値が悪くなるというのは解せません。

レビューの後半では、4人の各分野の専門家(コンテスト、デジタルモード、6m)による実際の使用レポートが掲載されています。K1ZZによるWPX CWのレポートでは1000MPと比較していますが、残念ながら(?)このコンテストではそれほど厳しい場面に遭遇しなかったのでそれほど大きな違いは感じられなかったそうです。また、CWの受信信号の立上りでDSPに起因すると思われるクリックがあり問題だったということです。ヤエスはすでにこれに対する解決方法を見出しているそうですが。

W3IZによるNew England QSO PartyとARIコンテストでの使用レポートでも1000MPと比較しています。どちらもCQ WWやARRL DXほど混雑したコンテストではなかったが、強力な信号に近付いて運用しても性能が落ちることがなく、ルーフィングフィルタなどの効果をチェックすることが出来たということです。また、1000MPでは、少しはっきりないような弱いEUの信号が、9000Dではよりシャープに聞こえ、コピーし易かったと報告しています。

K7BVによる6mでのレポートは、ARRL June VHFコンテストでの使用感が述べられていますが、「素晴らしい性能を示した」というようなことで、それほど詳しいことは書かれていません。

WB8IMYによるデジタルモードのレポートは…まだちゃんと読んでません。
コメント
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