彼女さんへ(ある人に捧ぐ)

あなたはまた、ひとりで耐えていくのですか？

大切な人のことを傷つけるのが恐くて、
自分ひとりが傷ついて、我慢していくのですか？

そうしてまた、ひとりで生きていくのですか？

本当の自分を隠したまま。
本当の自分を見せぬまま。

愛する人を傷つけるのが恐くて、
愛するからこそ傷つくのが恐くて。

あなたを愛することで幸せになれる人がいる。
愛することで傷ついても、そばにいてくれる。

あなたは手に入れたのではなかったのですか？

その人と歩んでいくことは出来ないのですか？

あなたを愛するが故に、苦しんで傷ついて
けれど愛しているから、それさえも幸せで。

その人の手を、あなたは本当に離せるのですか？

そうしてあなたは、生きていけるのですか？
そうしてあなたは、幸せになれるのですか？

そうしてその人は、幸せになれるのですか？

離れたあなたの手と、離れたあなたの心。

その距離を、きっと一生埋められないまま
その人はあなたを愛して生きていくのです。

その人を傷つけたと言うあなたの傷は、きっとずっと癒えはしない。
それでもその傷さえもひとりで抱え、ひとりで耐えていくのですか？