「茗荷谷(みょうがだに)の猫」(木内昇(きうちのぼり)著 文春文庫 2021.4.30 第5刷 262ページ)
単行本で2008年9月に平凡社で出された。
紹介文には「茗荷谷の一軒家で絵を描きあぐねる文枝。庭の物置には猫の親子が棲みついた。摩訶不思議な表題作をはじめ、染井吉野を造った植木職人の悲話「染井の桜」、世にも稀なる効能を持つ黒焼を生み出さんとする若者の呻吟「黒焼道話」など、幕末から昭和にかけ、各々の生を燃焼させた名もなき人々の痕跡を掬う(すくう)名篇9作」。
一般庶民や大衆をあらわすことを「市井(しせい)」の人という言葉がある。8遍の短編だが、そこに出てくる市井の人たちの最期が知りたくなった。急に世間からいなくなってしまうのだ。なにげない日常はかけがえのないものだが、幕末から戦後のまもないころに、この人たちはそれぞれの時代を生きてきた。
歴史上名をなすこともなく、出てきてはいなくなるストーリーの展開が上手な著者は直木賞作家だ。
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