天狗党の西上

外史氏曰 天狗党西上 　嗚呼、何と痛ましきことであろう。水戸天狗党の悲劇は、時代が急転回していくにもかかわらず、いつまでも尊王敬幕という水戸学の中の古い教条にしがみついたことにある。その時、時代はすでに水戸学の限界を超え、水戸学はその使命を終えていたにもかかわらず、いつまでもそれに判断の基準を置いたことが、天狗党の前途を閉じることにつながってしまった。天狗党の西上（京都にいる慶喜に尊攘の心を訴え . . . 本文を読む

戊辰戦争論

外史氏曰 戊辰戦争 戊辰戦争の位置づけ 国家の運営に関して、薩長の新システムと江戸国家の幕藩体制の延長上のシステムとの闘いが戊辰戦争であるともいえる。 近世から近代へ、江戸国家から明治国家へ、体制・機構を出来得る限り短期間に完全に変換する為には、最後には、力の行使が不可欠となる。従来の延長上の機構の中からは、完全なる変革は決して生れない。それにはどうしても、力による圧倒が必要となる。歴史の . . . 本文を読む