随縁記

つれづれなるままに、ものの歴史や、社会に対して思いつくことどもを記す

お札の話  ①太政官札

2012-07-07 23:39:24 | Weblog


日本初の全国に通用する紙幣は太政官札と呼ばれている。
 明治政府によって慶応4年5月から明治2年5月まで発行された「政府紙幣」で、金札とも呼ばれた。
「通用期限は13年間」との期限を決めた紙幣である。
 江戸時代の貨幣も流通していたため、通貨単位は江戸時代に引き続いて両、分、朱のままであった。実際に発行されたのは4,800万両であった。
 1879年(明治12年)11月までに、新紙幣や公債証券と交換、回収されるまで流通した。
 成立したばかりの明治政府は、戊辰戦争に多額の費用を要したため、資金不足をう目的で発行された。
ただ、まだ新政府の信用が低く、不換紙幣であった太政官札は流通は困難をきわめ、太政官札100両を以て金貨40両に交換するほどであったらしい。
ところが、金貨で一番流通していた二分金(にぶきん)に贋物が出回り、その他の政策もあり次第に太政官札が流通した。
 ところが、太政官札の偽札が流通し始め、真贋の区別が難しくなったため、流通は再び滞るようになった。
(続く)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿