民主党小沢幹事長の政治団体「陸山会」の土地購入の資金問題が連日マスコミを賑わせています。事の真偽、立件されるかどうかは別にして、民主党議員たちは複雑な心境で事態を見守っているのだと思います。元々、中堅・若手を中心に小沢氏と距離を置く議員は多いので、以前であれば、もっと内部から批判が湧き出たと思います。しかし、政権与党という立場もありますが、昨年の総選挙から新政権樹立、組閣、政権運営・党運営の過程で、小沢氏が大きな影響力(リーダーシップ)を発揮してきて、誰もが表立って声をあげられないように見えます。
本人がどう思おうと、小沢氏は現在の民主党を代表するリーダーです。そのリーダーのあり方として、今の状態がいい状態かというと決してそうは言えないと思います。
リーダーのあり方として必要なものは、いくつかすぐに思い浮かびます。
・決断力がある。
・責任をとる。
・言行一致している。
・人望がある。
小沢氏は、手放しにではないでしょうが、以上の要件は満たしていると思います。善し悪しは別にして、遂に政権を獲るまで果断に決断し、政党を率いる責任を果たし、政権奪取に向けての言行は一致し、地道な選挙指導などを通して、若い議員からの支持は絶大です。しかし、リーダーは、これだけでは務まりません。「権力は腐敗する」という言葉がありますが、リーダーは時と場合により権力者とも読み替えられます。つまり、強いだけのリーダーではダメだということです。
真の強いリーダーとなるためには、
・自らを客観視できる。自らの批判を受け入れられる。自らの過ちを認められる。
・異質な人材も活用できる。
・人材を育成する(出来れば自分よりも優秀な人材を)。
ということが必要です。しかし、人間ですから、なかなか強さと柔軟さを併せ持つというのが難しいですね。強いリーダー(一般的にリーダーらしく見える人)は、とかくこの方面が苦手なように見えます。
いわゆる強いリーダーは負けず嫌いで、それがいい意味での原動力になっている面がありますが、そういう自分を自覚していないと、「自らの過ちは認めず」「自らへの批判者は排除」「似通った(都合のいい)人材に囲まれ」「後継者も育たない」ということになりがちです。
しかし、リーダーは権力でもありますから、自らそれに気づけない場合、権力闘争で誰かが奪い取るしかなくなります。だからこそ、今、民主党議員は複雑な心境なんだろうと思います。それは、個別政策での頭の良さは持っていても、参議院選挙を前に、小沢氏ほど綿密な選挙戦略や政権与党を運営する手腕も持つ人材がいないからです。
しかし、この問題が本当に深刻化した時に、きちんと責任ある対処が出来るかどうかが、民主党の正念場でしょうね。自民党は、追及に意気込んでいますが、自らの総括も出来ていないのに、小沢問題で民主党が失策を犯したとしても、受け皿にはなり得ないことに気づいていないとは、ほとほと呆れます。いずれにせよ、ここで民主党が自滅すると、日本の政治は暫く死ぬことになり、ひいては日本社会・経済が再び暗黒時代に入ることになります。死ぬ気でリーダーシップを発揮してほしいものです。
今日のジョグ
会社から20分歩いて電車に乗り込むとすぐに、人身事故でストップし、1時間も遅れたため、今日は休養日になりました。