おしゃべりピアノの今日の一言♪

考えたこと感じたことを 気ままに徒然に〜

新春クラシックコンサート、みなさま、ありがとうございました!

2014年01月06日 | ピアノ
昨日、ようやく終わりました…

いつものことながら、本番が始まると「あっ」という間。
それまでは、年末年始、「あぁ~なんで、新春コンサートにこんなに大変な曲ばかり選んでしまったのだろう…」と、お聴きになるお客様も大変だし、世間がお正月ムードでのんびりしている時期に、朝から晩までピアノに向かうなんて、受験生以来のこと…と後悔しきり、だった。しかも、「ダンテを読んで」は、大学の卒演で、選抜されて虎の門ホールで弾いて以来、○○年が経過した今、筋力も練習時間も不足した私が弾くような曲でもなければ、アンダンテスピアナートは私が最も不得意としているショパンの曲………
最後の最後まで、ショパンを想いショパンを感じれるように頭の中はぐるぐる…思わず自分自身を「ぐるぐるピアノ」かと思うくらい、この数週間、考え続けた…
しかし、ピアノやホールの響きによって、ショパンはかなりタッチを変えないといけないので、難しさの原点といったらそこかな~と思った。まず、今回のようにホールではない場所では、音響が全く助けてくれない…その上、古いピアノのせいかもしれないが、低音が全く響かない…私が普段練習に使っているピアノでは、どんなに小さな音で弾いても左手がうるさいのに、昨日の文学館では、調律のN氏曰く「低音が全く響かないから、もっと出して、高音は硬い響きだからソフトペダルを踏んで~」と直前の指示。「そんなぁ~突然言われても…」と思ったが、アンダンテ~の最初だけはちょっと試してみた…ただ、やはり、自分ではたいして違うようにも感じなかったため、いつも通り弾いたり…やはり完璧を目指すなら、リハーサルでしっかり響きに対しての対処法を研究するしか必要があるのだなぁ~とあらためてリハーサルの重要性を認識した。

コンサート前は、自分のショパンとコルトーやホロヴィッツのCDを聴き比べると、あまりにも落差が激しく、理想には程遠い音に、お正月早々ではあるけれど、皆様にお詫びをいれて、コンサート自体中止させていただこうと本気で思っていた…が、それはできるだけ避けなければいけないことだったので、演奏の最中に自分で精一杯やっても、ダメだったらお詫びをして出直そう…などと消極的なことばかり考えていた………

が、当日、現地について、久しぶりに生徒さんたちの笑顔に出会ったら、そんな今までの感情が一気にふっとんだ…よ~し、やるぞぉぉぉ~

それからは、何かす~っと力が抜けたような気がして、特にピアノに向かうと今までの緊張がうそのようだった…

前半は、ピアノソロ、後半はフランクのヴァイオリンソナタの伴奏…その間のトークが我ながら、苦笑せざるを得ない出来…まず、最初の「明けましておめでとうございます!」までは、良かったが、その次が全く続かなかった…というのも、一番前のTちゃんとお父様が並んで座っていらっしゃるのを目にしたとたん、それがあまりにも普段のレッスン室の光景と同じだった為、気持ちまで普段に戻ってしまい…パ~ッと飛んでしまった…
数秒の沈黙の後、どうにか続けることはできたが、しかし、アンダンテスピアナートの前後、そしてノクターン終わってから、ダンテを読んでの説明、と休みなしだったので、喉はカラカラ……思わず、Fさんに「あの、1口、ポカリスエットいただけますか?」とお願いしてしまったら、まだ途中だったにもかかわらず、快く残りを全部いただいてしまった…
あぁ、なんと、神の恵み!

後半は、Mさんの美しいヴァイオリン…フルートで何度かこの曲は演奏させていただいたことはあったが、やはり、ヴァイオリンは、この曲のためにあるように、ある時は切なく、ある時は穏やかに美しく、さまざまな表情を繰り広げる…実に素晴らしい名曲。きっと、Mさんの音に会場の皆様も酔いしれたことでしょう………

全体を振り返ると、とにかく反省点ばかりだが、こうして、新年早々に、皆様の前で演奏できる、そして予想以上の方々にいらしていただいたことに深く感謝したい気持ちでいっぱいだ。今日は、何人かの方々から、感想のメールをいただいたが、皆様、嬉しいお便りばかり…
そして、昨日、コンサート後に楽屋にいらしていただいたN先生の奥様の一言が、とても嬉しくて、これまでの苦労が報われたような気がした。それは………
「あなたは美しい音ですね」のお言葉。
”美しい”と音楽に対して感じた気持ちが少しでもお客様にお伝えすることができたのだとしたら…これ以上の幸せはない…

今年は、お正月はなかったけれど、絶好のスタートをきることができた。
今週から、生徒さんとのレッスンも再開する~う~ん、楽しみ!

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6 コメント

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Unknown (ヨーゼフ)
2014-01-07 23:15:56
新春コンサート、おめでとうございました

今年、初めての演奏会であのような素晴らしい演奏を聴かせていただき、今までで一番よいお正月になりました

「ダンテを読んで」は今から700年以上前に書かれた書物を500年後に生まれたリストが読んで曲を作り、そのまた200年後に私たちが聴いているのだな~と言葉にできないくらいのロマンに思いを馳せながら聴いておりました。
また、地獄といえば針の山とか釜茹での刑とかしか思い浮かばないけれど、リストがこんなに美しい音楽を連想できた場所なら地獄もちょっぴり覗いてみたい気持ちがします


今日でお正月も終わりですね
これからもまた素晴らしい演奏をたくさん聴かせてください 
今年もよろしくお願い致します。

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ヨゼフくん、コメントありがとうございます♪ (tomari)
2014-01-08 08:53:05
ヨゼフくん、先日は何から何までお手伝いしていただき、本当にありがとうございました。皆さんのお手伝いがあってこその演奏会だなぁとしみじみと思いました。特に、次に何をしなくてはいけないかなど、何も考えずに演奏に集中できる環境を作るということは簡単なことではありません。経験だけでなく、優しさや思いやりがないとできないことだと、つくずく感謝しています

演奏は、今回のように精神的にギリギリな状態にならないように、次回から気をつけたいと思います。いろいろと、今は振り返ると反省ばかりですので、少し落ち着いてからあらためて振り返ってみたいと思います。

今年もどうぞよろしくお願いいたします
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新春コンサート (N.N.)
2014-01-09 01:59:17
正月早々の演奏会、お疲れ様でした。

泊先生の演奏会をお聴きするのは、昨年のチャイコフスキーに次いで、今回2度目になります。
会場に行くのに、夜道にちょっと迷ってしまい、あわてて到着しました。
でも、どの曲も大変心に残る素晴らしい演奏だったので、行った甲斐がありました。

また、会場はとても趣のある木造の建物で、特にノクターンやヴァイオリンソナタの雰囲気に良くマッチしていたように感じました。トークもアットホームな雰囲気を作り出していて良かったです。

「ダンテを読んで」は、私はいままでちゃんと聴いたことがありませんでしたが、今回、先生のダイナミックな演奏をお聴きして、こんなにいい曲だったのかと感銘いたしました。

また、フランクのソナタは、ヴァイオリンソナタの名曲であることを改めて認識させられる演奏でした。
とくに、最終楽章の美しいテーマがカノン形式で静かに奏し出されると、早春がどこか遠くで生まれているような、そんな気分が感じられました(「どこかで春が生まれてる・・・」という歌詞の童謡が、昔あったような気がしますが・・・)。
そういうわけで、新春にふさわしい曲を聴かせて頂いたと(勝手に解釈して)いい気分で帰路に就くことができました。

しかし、たぶん演奏する側にとっては、ヴァイオリンもピアノも大変な難曲なんでしょうね? とにかくお疲れ様でした。

さて、急に現実的な件になりますが、私があわてて会場に到着したせいか、受付で、予約したチケットを提出しただけで、肝心の料金をお支払いするのを忘れてしまい、そのままになってしまいました。
受付の方をはじめ関係の方に大変ご迷惑をおかけしてしまったことと存じます。申し訳ございませんでした。(後日、送金させていただきました)

こんなこともありましたが、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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N.Nさん、明けましておめでとうございます♪ (tomari)
2014-01-09 08:56:43
N.Nさん、先日は大変寒さの厳しい中、ご遠方からいらしていただき、ありがとうございました。

プログラムが難しい曲(あまり有名でない曲ばかり)でしたので、一般的に「新春コンサート」として小犬のワルツや英雄ポロネーズのような曲を期待されていた方にとっては、若干、?だったかもしれませんが、N.Nさんのように専門的に勉強された方、クラシックをお好きでいろいろな曲を聴いている方、などはとても感動して下さったようんで嬉しい限りです
特に、フランクの第4楽章は、私も昨日、ビデオを見てみましたが、とても感動的でした。何かが始まる予感…N.Nさんの「春の予感」…ぴったりな表現ですね!

チケットのお代もわざわざありがとうございました。
今年は良いスタートをきることができましたので、さらに精進していけるようにまた努力を重ねてまいりたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします
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珠玉の演奏に感激! (Rose K)
2014-01-11 02:51:23
新春クラシックコンサートのご盛会おめでとうございます

早春の清らかな息吹のような美しい調べは、やがて華やかな響きとなりパリの社交界へ~
若干二十歳のショパンの大いなる夢や希望に溢れた名曲が華麗なテクニック、絶妙のペダリングによって躍動感を与えられ力強く素晴らしい年の扉を開く…
まさに新春を飾るにふさわしいアンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズに感激 

冷たく澄んだ冬の夜空…オリオンの瞬きのようにロマンティックな19番
ロウソクの炎に揺らめく心…美しく幻想的な5番
憂いのある響きが心をとらえるノクターン 

渾身の力を込めて叩く地獄へと通じる巨大な扉…
足を踏み入れるとそこは赤く煮えたぎる灼熱の世界
轟音とともに吹き荒ぶ熱風に絶望しながらさ迷い歩く
時折天蓋に見え隠れする天使を追おうとするもすぐに消え失せ
すべての希望が消えた世界で苦しみ続ける…
鬼気迫る激しいオーラを放ちながら見事に演じ切られたダンテを読んでに感動


深く柔らかいヴァイオリンの響きが奏でる甘美なメロディーと美しいピアノのコラボレーション
長き研鑚によって磨き上げられたお二人の魂が奏でる極上の調べに感涙のフランクのソナタ

そしてアンコールはシューベルトのアベマリアを深い感動とともに…

大変な難曲揃いのプログラムを素晴らしい演奏で聴かせていただきありがとうございました 

改めて抱く深い尊敬の念とピアノへのさらなる憧れを心に今年も頑張っていこうと思います。

感動と勇気を与えて下さり本当にありがとうございました

そして大変お疲れ様でございました
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Rose Kさま、コメントありがとうございます! (tomari)
2014-01-11 08:14:35
Rose Kさま、美しく詩的なコメント、ありがとうございます。
まだまだ…いつも発展途上の私ですが、このように皆様からの有難いお言葉をいただくと、また次への勇気が湧いてきます

今年もどうぞよろしくお願いいたします
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