Une petite esquisse

日々の雑事の中で考えたこと、感じたことを徒然に書き綴ります。

あなたの知らないベトナム(4)

2021年11月27日 | 旅の情報
戦争証跡博物館(ホーチミン)―ベトナム戦争の痕跡


博物館全景


中庭には当時使用された戦車や戦闘機が展示されている


年間50万人以上の人が来館する


館内展示室風景

 ホーチミンはモダンな高層ビルが立ち並び、パリのシャンゼリゼ通りを彷彿させるほど、中心街は
整備され落ち着いた雰囲気を醸し出している。ベトナムで最も変化が激しく、近代化を感じさせる都市である。
かつてはサイゴンと呼ばれ、統一後はホーチミンと呼ばれるようになったが人々は今でも「サイゴン」と呼んでいる。
 解放軍の戦車が突撃しベトナム戦争に終止符を打った統一会堂(旧大統領官邸)や国外亡命を企てた人々が押し
寄せたアメリカ領事館(旧アメリカ大使館)など激動の歴史を物語る痕跡がところどころに残っている。


大統領府に突撃する解放軍の戦車


当時のアメリカ大使館、ヘリコプターに乗り込もうとする人をけり落とす人々

 統一会堂の近くに戦争証跡博物館がある。
ベトナムに対する侵略戦争の犯罪性を訴え戦争を風化させず、戦争の悲惨さ、残酷さ、愚かさを後世に伝えるべく、
戦争という愚かな悲劇を繰り返したくないという立場から、1975年に開設された。
 戦争遺物、写真などの資料を展示、枯葉剤による被害状況の記録、無残な犠牲者の写真などベトナム戦争の悲惨な
被害状況が展示されている。


逃げ惑う母子


戦火の中を逃げ惑う子どもの姿








怯えるベトナム人の表情


置き去りにされた幼児


枯葉剤の散布により草木がなくなった


結合双生児「ベトちゃんドクチャン」




枯葉剤の犠牲による奇形児


ベトナム帰還兵の子どもにも奇形児が生まれた


 屋外には南ベトナム政府に反対する人々への激しい拷問、処刑を行ったコンソン島の牢獄を忠実に復元した
コーナーがある。


ギロチン台


拷問に使われたトラの檻


牢獄の再現


銃殺の現場写真

 
展示は余りにも衝撃的で言葉を失うが、あった戦争の事実、戦争の愚かさ、罪悪をさらけ出している。


虐殺された母と子の屍

 アメリカはベトナムで行った、非人道的行為に一切謝罪をしていないし、枯葉剤の被害者に対する補償、賠償を
していない。
国家エゴにより引き起こされる戦争は、つまるところ一番弱い立場の人間が、一番ひどい被害をこうむる事を、
心に刻むべきだろう。

データ:
住所   : ホーチミン市3区ボバンテァン通り28番地
開館時間 : 午前 7:00~12:00
       午後13:30~17:00
入館料  : 40,000ドン(約190円)(現地要確認)




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