Une petite esquisse

日々の雑事の中で考えたこと、感じたことを徒然に書き綴ります。

パンデミック禍の海外渡航(5)

2022年12月17日 | 旅の情報
「カオサン化する」ルアンパバーン(ラオス)


ルアンパバーンの街並み

 初めてルアンパバーンを訪れた人はシェントン寺院の風格ある姿やフレンチコロニアルスタイルの
家屋や民家の街並みを見て、静かでのんびりした「古都」の印象を持つであろう。
確かに、その印象は間違っていない。
 古都にふさわしい、きらびやかな寺院の建築群やコロニアル建築の家屋、ラオス様式とフランスの
ボザール様式が混在したルアンパバーンの街はランサン王国やフランス植民地時代の面影を色濃く残し、
ラオスの歴史の興亡を物語る史跡が数多く残されている。
 しかし、2009年にルアンパバーンを初めて訪れ、13年の年月が過ぎ、この街の変貌ぶりは
いちじるしいと感じる。


旧モン市場


賑わう旧モン市場の屋台


ナイトマーケット

例えば、ナイトマーケットを見れば、以前はモン族の素敵な民芸品が揃っていたのに、今では工場生産の
安っぽいTシャツなどに変わってきている。
パンデミック禍の影響もあって、老舗と言われて来たレストランが閉店し、代わりに派手なラオスらしからぬ
店舗に変わっている。一言でいえば、ルアンパバーンはカオサン化していると言える。


カオサン通り


カオサンのクラブ、バー 

 カオサンはタイ、バンコクにあるわずか300mばかりの道路であるが、1980年代にカオサンの
旅行代理店が販売する格安航空券を求めバックパッカーが押し寄せ、バックパッカー相手に安宿街が形成
された世界中で有名な道路である。
 ネットの発達で航空券の販売形態も変わり、旅行代理店も影を潜め、今では少し様子が違って来ているが、
見渡す限りのネオンと大音響の音楽が鳴り響き、若者対象のパブやクラブが乱立している。
混沌とした無国籍都市の様相を呈しているのには変わりはない。
 近年、ラオスでは観光開発が進み、環境が破壊され、ラオスの良さがなくなって行くのが危惧される。
開発の名のもとに環境が破壊され、「古都」ルアンパバーンの良さがなくなって行くのは淋しい思いである。