Une petite esquisse

日々の雑事の中で考えたこと、感じたことを徒然に書き綴ります。

あなたの知らない台湾(6)

2020年07月27日 | 旅の情報
奮起湖(フェンチーフー)(2) 森林散策

 阿里山観光の中継地として、乗り継ぎ時間を利用し奮起湖駅、奮起湖老街周辺を散策し、奮起湖弁当を食べるのが
奮起湖観光だと思っている人が多いが、それでは、あまりにもモッタイナイ
 日本の植民地時代、本土に木材を供給するため、材木を運搬することを目的として、森林資源開発が行われた。
奮起湖中心部から北側、南側に広大な森林地帯が拡がっている。
日本のガイドブックには紹介されていないが素晴らしい森林があり、桟道が整備されていて快適に散策が楽しめる。


奮起湖駅構内


奮起湖老街


奮起湖案内地図


 北側遊歩道には竹林、神社跡などがあり、展望台からは奮起湖集落が俯瞰できる。


線路内立入禁止の標識が見える


3時を過ぎると列車は走っていない。人の姿がチラホラ、線路に沿って歩いて行く


竹林道


竹林


植民地時代の神社跡


カフェー「好望角」の脇の階段を上っていくと素晴らしい眺望が見れる


展望台からの眺めが九份と似ていて、「南台湾の九份」と呼ばれているらしい


 南側遊歩道では百年老街、百年楠木材、星空ロッジなどが見学できる。


百年老老街、昔郵便局があったところ


百年楠木林


映画「星空」のロケに使われたロッジ


室内風景


12月、台湾桜が咲いていた

5月から6月は黒翅蛍、7月は三節燿蛍、11月から12月には鋸角雪蛍、そして2月から3月は神木蛍と、それどれ生息地が違い、
1年を通してホタル観賞ができる。




あなたの知らない台湾(5)

2020年07月20日 | 旅の情報
茂林(マオリン)-魯凱族の暮らす秘境


 朝食も取らずに、そそくさとホテルを飛び出し、高雄駅から高鐵左營駅までメトロに乗った。
7時32分発の「旗山」行の高雄客運バスに乗り損なうと、一日の計画が丸潰れだ。
 旗山には8時8分に着いた。バス待合所で40分ばかり時間を潰し、8時50分発の多納行の
バスに乗った。バスの運転手の名前は、「郎論馬哩吉」ガラが悪く荒っぽい運転で、後でバス
会社に抗議してやろうと思いノートの片隅に名前を書き留めておいた。
 旗山からの道路は幅が広く整備されていて快適だった。多納大橋を通過してしばらくすると
道は上り坂でくねくねとしていた。1時間10分ばかりで終点の「多納」に着いた。


多納バスターミナルに建つマリア像。顔は観音様か?

 多納集落は高雄市の北東部中央山脈南麓に位置し、奥深い山々の連なりの中で、青々と茂った
森と青く澄んだ渓流、そそり立った渓谷や滝に囲まれ、珍しい動植物が生息している。
世界的にも蝶の越冬地として有名である。ここに台湾原住民族の「魯凱族」が暮らしている。




「瑪姿餐飲店」、原住民族の郷土料理が食べれる


分厚い石板の上でソーセージや猪肉を焼く

 伝統的な石造りの独特なストレート家屋、工芸品、原住民族料理など芸術的とも言える。
村落には蛇や百合の花、壺など、ルカイ族の文様を見ることができる。
「昔々、太陽の神様が、この世に壺を持って来た。この壺を割ると人が現れた。この人がルカイ族の
祖先である・・・」というルカイ族の伝説がある。蛇はルカイ族の守り神とされている。


一山淋多納珈琲屋


集落の公民館


小米粽


データ:
高速鉄道左営駅から高雄客運バスで「旗山」下車。旗山からH31に乗り換え、終点「多納」下車。

おすすめのモデル
平日時刻表
往   旗山 →    多納
08:50    10:15
復   多納 →    茂林區公所 →   旗山
    11:30   12:00     12:55
    15:10   15:40     16:35

平日 旗山08:50発のバスに乗車するには、高雄左営、高雄客運バス07:32発か07:50発
(土、日は07:20発か07:50発)に乗車する必要があり。

土、日時刻表
往   旗山 →      多納
    07:30     08:55
    08:45     10:10
    10:50     12:15

復   多納 →     茂林區公所 →   旗山
    14:30    15:00     15:45
    16:30    17:00     17:55
    17:30    18:00     18:55

往路は「旗山」から終点「多納」へ直行、周辺を徒歩かバスなどで観光。復路は「茂林區公所」から「旗山」までバス乗車。

アドバイス:
多納集落以外にも近隣に多納高吊橋、龍頭山展望台などがあり、また茂林集落には紫蝶3D視聴室などがある。広範に
わたり見どころが散在しているので、徒歩とバス利用での移動となるが、平日はとても廻り切れないので、旗山に宿を取り、
11月から2月の土、日に旗山発 7:30のバスに乗ると、ゆったりと散策できる。

※ 11月から2月の蝶飛来シーズンは土、日にバス便を増やして運行。

                        (現地にて要確認)




村上春樹に、お薦めする2冊の本

2020年07月08日 | 社会学/社会批評
旅エッセーを書くための3っの作法
3 manners for writing a travel essay.

 いけません! 足を投げ出すのは。


ラオスで最も下品な日本人 「Haruki Murakami」


ラオスでしてはいけないこととイラストで注意書きがされている(ルアンパバーン観光局)

短パン姿で椅子にもたれかかりベランダの欄干に足をあげられている「お写真」、
これは敬虔な仏教国では下品で絶対に許されない姿勢なのです。

作法1・予めその国の歴史、地理について学び、その国の習慣を知ること。
  
 村上春樹の旅エッセー「ラオスにいったい何があるというんですか?」は、わずか
22ページの薄っぺらなエッセーであるが、うすっぺらな割には、嘘は「800」も書かれている。
特に、メコン川の記述、「あまりにも流れが激しく、あまりにも濁りすぎている。こんな川は
今まで他のどこでも見た事がない」、「泥のように濁った水が雄々しく流れる・・・」は誇張と
歪曲と妄想が入り乱れ、ラオスを知る人間にとっては読むに耐えない。
まるでペテン師がウソを滔々と捲し立てるが如くである。
旅エッセーはノンフィクションであり、言葉を誇張したり虚構の出来事を書いたりするものではない。

作法2・旅のエッセーは事実に基づき書くべきである。出来事を誇張したり、歪曲したりしてはいけない。


ゆったりと流れるメコン川は人々の生活の支えでもある (ルアンパバーン)


ながれが緩やかなので、対岸の村には渡し船で渡ることができる


メコン川の船上レストラン、流れが激しいと船上レストランは成り立たない

旅エッセーは旅行ガイドブック、旅行情報と同じように、みんなで「共有」されるものである。
その場所に行ったことがない人に、旅の情報を提供し、誰かが旅の計画を立てる時に、
役に立つものである。旅の羅針盤として、旅をする人々に利益をもたらすものである。
 自分の体験、旅の途中で自分が発見したものを、事実にもとづいて、自分の言葉で書くべきものです。
でっち上げはいけません。旅エッセーを書く行為には、事実を伝える責任が伴います。

作法3・旅エッセーは「共有」されるものである。旅の情報として正確さが求められる。

 「蟻の足あと」に等しいぐらい読書体験は乏しいが、ラオスについて、旅のエッセーを書く上で、
参考になる本を2冊紹介しておきたい。

「アジアの屋台でごちそうさま」 浜井幸子著 情報センター出版局
 食べること、現地の人々との交流を通してインドシナ半島の国々の実情が良く描かれている。
自分の体験をもとに事実にもとづき自分の旅を語っている。綿密な調査と記録をもとに書かれ
ており、自分もその国にいるような臨場感が得られる。流暢な文体で淡々と事実のみが書かれ、
でっち上げや偽りは見られない。旅のエッセーを書く上での教科書として参考になると考える。

「ラオスの豊かさ『貧しさ』のあいだ」 新井綾香著  コモンズ
 ラオスはアジアの最貧国、「後発開発途上国」と位置づけられているが、ラオスは豊かな
自然資源に恵まれ人びとは精神的に安定した生活を送っている。日本のように「モノ」があ
ふれ捨てられていく、消費大国の「物差し」で測られた「貧しさ」であり、ラオス人から見れば、
貧しさは感じられない。何が貧しさであり、なにが豊かさなのか考えさせられる。
ラオスの置かれている国家の現状、社会、経済的な立場を知るには貴重な一冊である。

 ラオスをこよなく愛する人間にとって、事実にもとづかない、妄想によって書かれ、ラオスに
対する「リスペクト」の片鱗も感じられない、旅エッセー「ラオスにいったいなにがあるというんで
すか?」
には、ただ単に怒りを感じるだけである。
 ハルキ君も、いずれ自分の書いた旅エッセーの空疎さに気付いた時に、読者への「受け狙い」としか
感じられない「ラオスにいったい・・・」と言った、変ちくりんなタイトルを改題し、ラオスでは下品と
される「お写真」を削除されることを願いつつ、2冊の本を薦めておきます。

※ 当ブログの〈連続シリーズ〉を参照して、単行本を読まれると内容がよく理解できます。
村上春樹「ラオスにいったい何があるのですか?」を読み解く(連続シリーズ)
       (該当ページは文藝春秋刊 単行本によります) 

検証: 朝の托鉢(1) 154ページ
検証: 寺院巡り(2) 165ページ
検証: ラオスでしてはいけないこと(3) 167ページ
検証: モーニングマーケット(4) 160ページ
検証: ハノイで出会ったベトナム人 (5) 151ページ
検証: ルアンパバーン国際空港 (6) 152ページ
検証: メコン川の流れ(7) 157、160、171、172ページ
検証: 保護領 (8) 161ページ
検証: 托鉢  (9) 154,156ページ
検証: 僧侶の日傘 (10) 153ページ
検証: 高層建築物やショッピングセンターがない、
   交通信号さえない (11) 153ページ
検証:アマンタカホテル (12) 162ページ

「百聞は一見に如かず」現地に行かれて確認すれば、さらに理解は深まります
Let’s go to Laos .  Let’s go to LuangPrabang.