Une petite esquisse

日々の雑事の中で考えたこと、感じたことを徒然に書き綴ります。

美術館の招待券

2012年03月20日 | 展覧会/美術批評
 金券ショップに行けば大量に展覧会の招待券が売られている。
あらかじめ、美術館が展覧会を企画し、集客が見込めない分、招待券を特定の人にばら撒く。それが金券ショップに流れる。
 このような性質の招待券を金券ショップで換金するのも、賤しい根性だと思うが、よく考えて欲しいのは、国公立の美術館は税金で成り立っている。 その、招待券を売る行為は税金の不当利得ではないか。
 私設の美術館の場合、一般客が上乗せの料金を払わされていることになる。
 ヨーロッパではこのような招待券の制度はない。その代わり、月に2回程度入館料が無料の日が設けられている。だからと言って、平日の入館者が少ないわけでもなく、美術館の収益が減る訳でもない。
 招待券を特定の一部の人だけに配布すること自体が不公平だし、それを換金することは不当利得になる。美術館は不法な行為を幇助したことになる。
 利益を公平に分配する意味でも、招待券の配布はやめて、入館料無料の日を設定すべきだと考える。


イタリアの思い出(1)

2012年03月16日 | イタリアの思い出
アルベロベッロ/ Alberobello

 イタリア留学中はヨーロッパ各地を旅した。そして、一番心に残っているのがBariにあるアルベロベッロである。1996年に世界文化遺産に登録され 観光客が押し寄せているとの事だが、僕が旅した80年代初め頃はドイツ人かアメリカ人の余ほどのモノ好き以外は訪れる人もなく、陽溜まりでネコが一匹、昼寝しているのが良く似合っている光景だった。
トルッロと呼ばれ、キノコのような形のトンガリ屋根で16世紀半ばに建てられたらしい。平らな形の石を積み重ねた白い漆喰壁がまるで「おとぎの国」のようであった。
当時の領主様が税金をごまかすため、すぐに解体できる家作りを指示したとのエピソードがある。
イタリアはギリシャ、トルコ、アラブなどいろんな民族が往来し、戦争とともに異文化をもたらした。トルコにも似た建物があるので、恐らく中近東からの影響が考えられる。
イタリア国鉄のツーリスト周遊券で旅した、BariからSud-Est駅の区間は私鉄だったので、車内で罰金を取られたことを思い出した。