Une petite esquisse

日々の雑事の中で考えたこと、感じたことを徒然に書き綴ります。

あなたの知らない台湾(7)

2020年11月28日 | 旅の情報
基隆廟口夜市・[螃蟹羹]

 台湾料理はとにかくうまい。ごちゃごちゃした感じはするが、スープ、ご飯、麺、米粉と
バラエティーに富み、料理のバリエーションも多い。
夜市は食の宝庫で喰いきれないほど種類が豊富だ。それに、その土地に行かなければ食べら
れないモノもある。
 新型コロナウイルス禍で海外渡航が実質不可能な状態で、妄想にも近い「あ~、カニみぞ
れスープを喰いたい」
と言った思いが募るばかりである。


カニみぞれスープ

 カニみぞれスープ(螃蟹羹)はとろみのついたスープにカニとタケノコ、エビ、椎茸、エノキと髪
菜(ファーサイ)をごった煮したものである。見かけはあまり食欲をそそるものではないが、食べてみ
ると出汁のちょっぴりきいたコクのある味付けで絶品の美味しさである。カニみぞれスープは基隆の
夜市でしか食べることが出来ない。
 基隆は台北からおよそ30kmの台湾北東部の海岸沿いに位置する。台湾北部の観光の拠点でもあり
金山、野柳、九份などへのバスが発着している。
 風光明媚な基隆港を見ていると、ここが二・二八事件で、この港に蒋介石の国民軍によって虐殺さ
れた千人以上の死体が浮かんでいた現場であったことが想像しがたい。


「奠濟宮」

基隆港の南側が賑やかな下町で、「奠濟宮」の周りに夜市が広がっている。
ここが台湾でも最大級の美食夜市で海に近く魚を使った新鮮な海鮮が店頭にならんでいる。
おいしい店が圧縮されている感じである。
頭上に黄色い提灯が連なり、この夜市の独特の雰囲気を醸し出している。
夜市といっても昼間からほとんどの店が営業しており、店の看板に番号がついているのでわかりやすい。






黄色い提灯が連なる独特な雰囲気の廟口夜市

 お目当ての、カニみぞれスープは「呉記螃蟹羹(5番)」とその向かいにある「螃蟹焿・油飯(10番)」で
食べることが出来る。
「呉記螃蟹羹(5番)」はカニみぞれスープと油飯(台湾風おこわ)のみに対して、「螃蟹焿・油飯(10番)」は
品揃えが豊富で、赤肉湯(スープ)もあっさりしていて美味しい。
味はどちらも甲乙つけ難い。呉記螃蟹羹(5番)の方がいつも混んでいるが、敢えてゆったりと螃蟹焿・油飯(10番)で
食べるのも良いと思う。


呉記螃蟹羹(5番)


螃蟹焿・油飯(10番)

食い物の恨みは恐ろしい、するなと言われればしたくなるのが人間だ。台湾への渡航が出来ない現状で
「カニみぞれスープ」を食べたいという妄想は広がるばかりである。


データ:台鐡基隆駅より徒歩約10分
    午前11時頃から深夜
    基隆市仁三路、愛四路

    螃蟹羹 70元(約245円)油飯 30元(約105円)(2020年2月現在)
    




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