Opera 2 個人のブログ

食べるところ、日々の言葉と振り返り、訪れた各国各地、技術トピックなど

ITを支える電池の世界

2014-12-23 16:22:13 | 電池、電気自動車&燃料電池自動車

1   化学電池
1-1 一次電池
1-1-1 乾電池・・・マンガン乾電池、アルカリ(マンガン)乾電池、ニッケル系(オキシライド)乾電池
マンガン乾電池→アルカリ乾電池に主役が交代した。
1-1-2 リチウム電池
二連接円筒形のもので、かつてはカメラ用などに使用されたが、最近はあまり見かけない。
1-1-3 ボタン電池・・・アルカリボタン電池、酸化銀ボタン電池、空気亜鉛ボタン電池
デジカメやビデオカメラなどの小型リモコン、時計などに使用されている。
1-2 二次電池
充電可能な電池。過充電、過放電、充電回数に注意。寿命に影響する。
1-2-1 ニッカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池
ニッカド電池→ニッケル水素電池→リチウムイオン電池と主役が移りつつある。かつてソニーのウォークマンのガム型電池はニッカド電池。このニッカド電池、メモリー効果といって、しっかり放電してからでないと充電してはいけないというようなこともあった。野中ともよ氏が会長だったころ三洋電機が出した「エネループ」(商品名)はニッケル水素電池。携帯電話機もニッカド電池→ニッケル水素電池→リチウムイオン電池と使用する電池が進化してきた。それとともに携帯電話機は小型化、長時間利用化が可能になった、現在、ノートパソコン、携帯電話、電動ハイブリッド自転車などにリチウムイオン電池が広く使われている。コストも含め競争の激しい携帯電話の分野の電池としてリチウムイオン電池がその実用化で揉まれ大成したことにより、最近また電気自動車のバッテリとしての活躍のチャンスがめぐってきた。
1-2-2 鉛蓄電池
通常のカーバッテリはこれ。2~3年で交換すると言われている。

1-3 燃料電池
水素などの燃料と酸素を反応させることで電気エネルギーを発生させる。クリーンな次世代電池として注目されている。水を電気分解すれば水素と酸素ができるのとは逆に、水素と酸素を化学反応させることによって電気エネルギーを得るのだ。ではその水素はどこから持って来るのか。それはガス燃料やメタノールから水素を取り出すのだ。これを「改質」と言う。外部より燃料(すなわち水素)と酸素または空気を連続的に供給し、化学反応によって電気エネルギーを取り出す、それが燃料電池だ。米国のベンチャーBloom Energy(旧Ion America)社も燃料電池を開発して注目をされている。
1-3-1 アルカリ水溶液形燃料電池(AFC :Alkaline Fuel Cell)
低温形50~150℃、効率60%程度、電解質は水酸化カリウム(アルカリ水溶液である)、電極触媒に白金、銀、ニッケルなど。電解質のアルカリ性の水酸化カリウムがどうしても酸性物質の進入で中和され、性能が落ちてしまうこと。高純度の酸素、水素を必要とすることになる。このタイプだけは化石燃料から水素を取り出すものではない。すなわち高コストとなる。宇宙・軍事利用に限られてしまっているのが現状である。米国のアポロ宇宙船にも搭載されていた。その歴史は古い。アポロ13号は飛行中に酸素タンクの2個のうち1個、燃料電池3個のうち2個を失う事故を起こし、奇跡的に地球へ帰還したのは有名な話。
1-3-2 高分子電解質形燃料電池(PEFC :Polymer Electrolyte Fuel Cell)
低温形 室温~100℃、効率30~35%程度、電解質はイオン交換膜、電極触媒は白金。燃料源は天然ガス。コストとコンパクト性に優れる。次世代自動車用として注目されている。家庭用燃料電池として開発されているのはこのタイプ。
1-3-3 ダイレクトメタノール燃料電池(DMFC :Direct Methanol Fuel Cell)
低温形 室温~100℃、メタノールをそのまま燃料とする(すなわち燃料として水素の代わりにメタノールと水を直接使う。メタノールと水の反応で水素イオンを発生させる)。電極触媒は白金。天然ガスなどの燃料源の改質が不要でコンパクト性につながる。取り扱い面で優れる。小型、軽量電源として活用が可能。ノートパソコンや携帯電話向けに注目されている。欠点は電池の出力が小さいこと。水素の代わりにメタノールでは反応性が弱いことによる。性能を継続的に維持することも難しい現状がある。
1-3-4 リン酸形燃料電池(PAFC :Phosphoric Acid Fuel Cell)
中温形170~200℃、効率35~45%、電解質はリン酸。電極触媒は白金。燃料源は天然ガス。最も商用化の面で進んでいる。施設向け中規模発電システム。熱供給も行うコージェネレーションシステムとして利用されている。NTTの厚木R&Dセンターでも200kWクラスのシステムが使われている。東芝、富士電機、三菱電機から販売されている。
1-3-5 溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC :Molten Carbonate Fuel Cell)
高温形600~700℃、効率45~60%、電解質は炭酸リチウム/炭酸カリウム(すなわちこれが炭酸塩)、電極触媒は不要(白金のような高価なものは要らない)、燃料源は天然ガス。電解質の劣化による寿命、高温長時間運転の耐久性が課題。大型発電システム向け。米国のフューエル・セル・エナジー(FCE)社が有名。
1-3-6 固体酸化物形燃料電池(SOFC: Solid Oxide Fuel Cell)
高温形800~1000℃、効率50~60%、電解質はイットリア安定化ジルコニア(これが固定酸化物である)。電解質や電極など電池本体にはセラミクスが多用されている。電極触媒は不要(白金のような高価なものは要らない)。固定設置の中規模~大型発電システム向け。高温運転のため、耐久性・長寿命化などが課題と言われる。高温運転のため、急な起動・停止は困難であり、止めたりしない常時発電システムとしての使い方。安全性も気になるところだろう。当然、排熱処理も課題としてあり、温水などの熱供給システムを組み込んだコージェネレーションシステムも考えられるが、発電コストという課題にぶち当たる。シーメンス・ウェスティング・パワー(SWPC)社や三菱重工が開発でリードしていると言われている。

2   太陽電池
太陽電池/太陽光発電は今、クリーンなエネルギーとして注目されている。以前にもブームがあったが一度しぼみ、今また地球温暖化問題の高まりの中で脚光を浴びている。欧州でも米国でも実際の導入も含めて熱心に取り組まれている。日本国内ではシャープなどのメーカーが前から着実に進めてきているが、世界的な需要の高まりにどう対応しているのだろう?電力会社による太陽光発電の余剰電力の買取制度も始まり、設備設置の補助金制度もあいまって、一般家庭へも太陽光発電が浸透してきた。そもそも太陽光でなぜ発電し、どれほどの発電できるのか?今一度、立ち止まって考えてみたい。
2-1 メーカー動向
日本メーカーではシャープ、京セラ、三洋電機が有名。日本メーカーが太陽電池をリードしてきたと言っても過言ではないであろう。しかし、近年の太陽電池の世界的な需要の高まり(特に欧州)により、多くのメーカーが参入。日本メーカーの地位は相対的に下がっているようだ。例えば、生産規模こそシャープはここ数年変わっていないが(既存工場の最大生産規模であろう)、需要はもっと大きくなり、そこに他国のメーカーがドンドン入ってきたという構図であろう。シャープも工場新設などで対応しようとしているが、欧州経済の崩壊で、太陽電池の価格下落・需要減少も見えてきており、他国メーカーも強力であることから今後の舵取りは難しそうだ。世界的に見て、2010年現在、有力なメーカーは以下のとおり。
Qセルズ(独)、ファーストソーラー(米)、サンテックパワー(中)、シャープ(日)、モーテック・インダストリーズ(台湾)、京セラ(日)、サンパワー(米)、三洋電機(日)など
2-2 種類
2-2-1 シリコン系太陽電池
現在の太陽電池の主流はシリコン系。ほとんど(約90%)がこのタイプであろう。シリコン系の太陽電池にはバルク型と薄膜型がある。以下(1)(2)がバルク型、(3)が薄膜型である。シリコン自体は地球上にたくさんあるが、その純度を高めることが大変難しい(コスト高である)。単結晶シリコンなどは純度が高く、製造過程でコスト高となる。高温で処理し純度の高いものを製造する。ちょっとおかしい。太陽光発電はクリーンなエネルギーで温室効果ガス削減の切り札と言われているが、実は製造過程で高温処理を要し、温室効果ガスを出しているのではないか。何だかよくわからない議論である。
(1) 単結晶シリコン太陽電池
変換効率は約20%と高い、コスト高。
(2) 多結晶シリコン太陽電池
変換効率は約15%、コスト面で優れる。住宅用太陽光発電システムはこれが多い。
(3) アモルファス(シリコン)太陽電池
変換効率は約10%、信頼性はやや劣る。
2-2-2 化合物系太陽電池
シリコン以外の化合物による。GaAs系などいろいろ。コスト、汎用性、対公害の面で課題はある。
2-3 大規模導入事例
シャープ ・・・亀山工場。520MW/年で日本最大と言われる。
三洋電機 ・・・東海道新幹線の車中からも見える巨大な工場前に設置されている「ソーラーアーク」は5046枚のパネル、53万kW/年の大規模施設だ。
京セラ ・・・スペインの村に大規模導入。TVCMでも有名。60MWの発電規模と言われる。
2-4 発電の原理
太陽光でなぜ発電できるのか?そしてどれくらいの発電ができるのか?
シリコン(Si)にホウ素(B)を加えると電子不足のp型半導体に、シリコン(Si)にリンを加えると電子過剰にn型半導体になる。p型とn型を接合し、その接合面に太陽光を照射すると、電子が動き、電気の流れが起きる。それが発電である。
2-5 太陽光発電の現実
かつても太陽電池のブームがあった。それが下火となり、今また再燃、大ブームでる。クリーンなエネルギーとして大注目なのである。太陽光発電は、設備設置のイニシャルコストの割に、発電量は小さい。補助金などあるが、それでもモトはなかなかとれない。経済合理性が小さいのである。「3年でモトがとれる」とか、合理性があるのであれば、もっとその投資が一般の企業でも活発なハズ。まだまだなのである。


もう一つの別ブログ閉鎖により、本ブログに一本化

2014-12-23 15:19:38 | 日記
もう一つの別ブログが2014年11月末で事業者により閉鎖された。それにより本ブログをリニューアルしてここに一本化。カテゴリー分けもして活用していく。

映像・オーディオの圧縮技術の実用化

2014-12-23 15:08:30 | 画像通信、映像コンテンツ

映像・オーディオの圧縮技術は、現代の生活のいろいろなところで使われている。地上デジタル放送でも、DVDでも、iPodでも、ケータイ/ワンセグでも、インターネット/YouTubeでも。本当に今はいろいろなところで使われている。映像を単純にデジタル化しただけでは情報量が膨大。それをヒトの見る目をごまかしてしまう圧縮符号化技術が飛躍的に進歩し、標準化と製品開発が一気に進んだからだ。メディア別に映像・音声デジタル化(圧縮符号化)技術を見る。

1   iPod
音声(オーディオ)の圧縮符号化技術はいろいろあるが、iPodのオーディオはMP3、AACを用いている。MP3は「MPEG1オーディオ・レイヤ3」の略であり、ISO/IECの国際標準技術である。iPodに限らずメモリオーディオプレーヤでは広く使われている。サンプリング周波数も44.1kHz、32kHz、48kHzなどいくつか拡張されている。AAC(Advanced Audio Coding)はMPEG-AACとも呼ばれ、同じく国際標準技術であり、MPEG2、MPEG4にある。技術の標準化の歴史から言えば、MP3→AACと進化してきた。聴覚心理モデルやフィルタバンクと言った更なる技術を使ってさらに符号化技術を進化させたものと言える。いずれも製品化のレベルでもすでに確立されていて、広く普及している。

2   地上デジタル放送
映像・音声の圧縮符号化を語る時に、このメディアを避けるわけにはいかない。そもそもMPEGで標準化が進んでいった歴史において、その目的は主流メディアである「地上波のテレビ放送」のデジタル化にあった。リアルタイム放送である映像・音声の圧縮符号化は、それはそれで技術の幅は広い。MPEG2が使われているが、したがって、そのMPEG2も映像、音声、システムなど守備範囲が広い。映像の圧縮符号化はMPEG2ビデオ(ISO/IEC13818-2)。MPEG2ビデオはいくつものプロファイルとレベルに分かれていて、HDTV用、通常TV用など適用範囲が異なる。通常TV用はMP@ML(メインプロファイル@メインレベル)デ、HDTV用はMP@HL(メインプロファイル@ハイレベル)だ。音声の圧縮符号化はMPEG2 オーディオ(ISO/IEC13818-3)で日本の地上デジタル放送ではMPEG-AACが使われている。

3   DVD
映像の圧縮符号化はMPEG2ビデオが用いられている。音声(オーディオ)の圧縮符号化にはドルビーAC-3やdts(DVD用)が用いられる。AACとは符号化処理が異なる。ドルビーAC-3は米国の地上デジタル放送で使われている。dtsはdigital theater systemの略で、米国開発。DVDは米国ハリウッドの映画を収容するのが主目的からか米国方式が随所に持ち込まれている。

4   ケータイの音声
ケータイはデジタル化されて久しい。いわゆる第1世代ケータイがアナログ、第2世代ケータイでデジタル化された。ドコモで言えばmova(PDC方式)、auで言えばcdmaOne方式だ。今ケータイは第3世代と言われている。ドコモで言えばFOMA(W-CDMA方式)、auで言えばCDMA2000方式だ。これらの方式は無線通信方式を表している。W-CDMA方式は3GPPで、CDMA2000は3GPP2で標準化されている。第2世代から第3世代への進化で、データ伝送速度が大きくなったことだけが強調されているが、実は音声圧縮符号化方式も進化している。FOMA(W-CDMA方式)は3G-AMR(Adaptive Multi Rate)が使われている。

5   ケータイのワンセグ
ケータイ向けの地上デジタル放送がワンセグです。ワンセグはH.264/AVCという映像の圧縮符号化方式が用いられています。H.264/AVCはITU-TとISO/IECが共同で標準化を進めた方式で、ITU-TではH.264と、ISO/IECではMPEG4パート10 AVCと呼ぶため、両者をとってH.264/AVCと読んでいます。いわゆるテレビの地上デジタル放送を本命とした圧縮符号化方式がMPEG2、ケータイ向けにさらなる高効率の圧縮符号化方式がMPEG4です。そのMPEG4が何度も進化していって、ワンセグ用に行き着いたのがMPEG4パート10 AVC、すなわちH.264/AVCです。このH.264/AVCはワンセグだけでなく、HDTVをDVD収容するブルーレイ・ディスクにも活用される。なお、ワンセグにおける音声(オーディオ)圧縮符号化はMPEG-AACである。


仕事をする人を大切にしよう。

2014-12-23 14:03:44 | 処世訓
仕事をする人を大切にしなければならない。人間いろいろいる。やってるふりをする、人のやったことをさも自分がやったように言うなどなど。本当に仕事をする人を見極めてそして大切にしなければいけない。

スピード感を持て。

2014-12-23 14:01:52 | 処世訓
仕事のうえでスピード感が重要である。スピードそのものが強みになることもある。他でかなわないならばスピードで勝負することもありえる。