アイカム不動産専務のブログ

OCNブログ人が無くなったので引っ越してきました。

一括借り上げてて

2021-02-03 11:26:36 | 日記
2020年12月から新サブリース法が施行されましたね。大雑把に言って巷でいうサブリース、一括借上、家賃保証などは呼び名の違いはあれど本質的には一緒だと考えていいと思います。アパート等を建てた後に入居(家賃収入)の心配をなくすため、多くの場合建築請負会社系列の保証会社が総家賃の80%なりを保証してくれるというものです。それも20年も30年も!

これについては、もう20年以上前になりますが穴吹工務店勤務時代に各社のサブリース契約書を入手して比較検討したことがあります。地主さん(アパート経営者)は複数の会社を使っていたりするので簡単に手に入ったのを覚えています。〇東建託、〇水ハウス、〇イワハウス、〇ナホーム、〇オパレスなど(〇建コーポレーションはまだなかったな)、膨大な量の文を読み込んでいくと広告やパンフレットから受ける内容と大きくかけ離れていることが分かりました。

ですのでその後独立してからは、クローズな講演会などでネタにしておりました。「皆さん、パンフだけではなく契約書をよ~く読んで下さいよ。インチキがたくさん含まれてますので」なんて毒を吐いておりました。何度かアパマン請負の営業マンに「ようそんな内容で売れるな~」と問うてみたことがあります。「ほとんどの人が相続対策だからいいんですよ~」だって。答えになっているような無いような???

一番のポイントは、計算の基準となる家賃の設定根拠です。ほとんどの方が最初の設定家賃の80%なりを20年間なりずっと保証してくれるように受け取っております。しかし契約書をよく読んでみると、数年単位で見直しができるようになっており、さらに経済情勢や近傍類地の価格変動があった場合には随時変更できるようになっている。「これって本当に保証と言えるん?良く言っても1年保証でしょう」。逆から考えるともっとよく分かる。20年先の経済状況なんて誰にも分かるはずがない。もし分かる人がいたらみんな投資で大金持ちになっちゃう。それを保証してくれるなんて考え自体がナンセンス。

もうひとひねり考えてみると、当初の家賃設定を相場より高くして投資家・地主さんをぬか喜びさせておいて請負契約し、入居率が悪かったら(無理した家賃だから多分悪くなる)家賃を下げればいいだけ。請負会社、保証会社共にノーリスク。

よくもまあこんな仕組みが世間一般で通ってきたもんだ。それがようやく法の網が掛けられたようです。

(専務)