ある朝、一本歯下駄で歩いているとビビーっとクラクションの音が。振り返ると坂山先生が片手を挙げて「ヨッ！」。背が10㎝ほど高くなっているので見つけやすくなってるようです。
少し進むと今度は小泉会長が寄ってきて「近藤さんが天狗の下駄を履いとると聞いとったがこれかな～」。
よし次の段階として飲みに出る時に履いて出よう。たまたま宴会の場所が悪かった。3,000円で飲み食べ放題のはだかの王様大街道店。（ワシャ学生か！）。行った人なら分かると思うが、コスト削減のためかこの店はエレベーターが無く直接2階まで階段なんです。さらに踏面が異常に狭いんですよ。もちろん手すりも付いてない。なんとか上がることは出来ても下るのはかなりヤバそう。もう一つ忘れてはならないのが「飲み放題」。
生中とハイボールをしこたまやった後、さあ下りの階段です。宴会途中、阿部ちゃんが里芋焼酎をプレゼントしてくれたものだから、片手には焼酎の瓶。これでコケたら大恥どころか割れた瓶で大怪我じゃと思いつつ、ヒョコヒョコ下りていきました。「フゥ～」なんとか無事に大街道まで出ることができました。
酔っていたせいか急にこんな考えが頭に浮かんだ。「これ、足に障碍がある人やお年寄りはいつもこんな気持ちで階段を下りてるんだろうな。たいそう不安だろうな。つい出かけるのを躊躇してしまうだろうな。バリアフリーってホントに必要なんだな」。
一日に一回は履いて歩くようにしているのですが、ある時から右側だけカチカチ変な音がしてきました。なんかおかしいなと思いつつ歩いていると突然、パカッと歯が外れてしまいました。（歯が外れたのは運の悪いことだが、コケないタイミングで外れてくれたのは運がいい？？？）。購入元に無償修理のお願いを画像と共にメールするとすぐに電話がかかってきました。
「昔の日本人は日常的に下駄を履いて生活してましたから、歯がちびたら交換できるように元々外れるように作ってあるのです。乾燥すると木が収縮して外れやすくなるので一回はめ込んで湿気の多いお風呂場に一晩置いて下さい。はまりにくい場合は木槌で打ち込んで下さい。それでもまた外れる場合は名刺を一枚挟み込んで下さい」。
一本歯下駄は、奥が深いですね。
数日後さらに気が付いたことがあります。「コケずに家に帰りつかないといけない」という考えが頭の片隅にあるから、飲み放題でしっかりやってもベロベロにならない！
行く店や服装にもよりますが、今後できるだけ一本歯下駄で飲みに行くことにします。
（専務）